コミックス描き下ろしの14ページは最高の「供養」
連載終了直後、「完結は英断。無残(無惨)に引き延ばされなくてよかった」と書いた。その気持ちは今も変わらないし、ひたすら平和ななんの変哲もない日々がつづき、次なるラスボスが出てこなくてよかった。多くの人たちのがんばりが、燃やし尽くした生命が、大切な人たちの幸せにつながって本当によかった。
でも「どう幸せになったか」は見届けたい。コミックスでの大量の描き下ろしは、その想いに完璧なまでに応えてくれた。帯には「物語の結末に14ページ」とあるが、『ジャンプ』本誌でさらりと流されていた箇所が丁寧に補完されている。そう、炭治郎と子孫の心のつながりが読みたかった、子孫たちのちょっとしたプロフィールが欲しかった、あの双子の赤ん坊って「霞柄のブランケット」だったんだ……読者の心の飢えはお見通しといわんばかりの、微に入り細を穿つフォローぶり。
ハッピーエンドで終わった本作だが、最終巻に最もふさわしい2文字は「供養」かもしれない。すべては大正時代の遠い過去のお話、懐かしい顔ぶれは誰も彼もいなくなってしまった。が、コミックスの読者がひとりでもいる限り、彼らはいつまでも心の中で生きつづける。力いっぱい生きたキャラクターたちに、この世に生まれて『鬼滅の刃』を読めた幸せに、感謝を込めて合掌したい。

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