ナイナイ結成30周年までの歴史(1)<養成所クビの落ちこぼれが、テレビスターに駆け上がるまで>

ナイナイ30周年の歴史(1)

ナインティナインが結成されたのは1990年。それから30年が経ち。岡村は50歳、矢部は49歳になる。ふたり合わせて、99。

数々の節目と困難を乗り越え、芸歴30年を迎えた「今」から新たなステージを目指す彼らは、どんな笑いを届けてくれるのか? どんなワクワクを見せてくれるのか?

近日公開予定の、矢部&岡村のロングインタビューに先立ち、ふたりの歴史を振り返る、ヒストリー企画<前編>。

目次


1970年 岡村隆史誕生

幼少期の岡村隆史
幼少期の岡村隆史
幼少期の岡村隆史
幼少期の岡村隆史

1970年7月3日、大阪府大阪市に長男として生まれる。

1971年 矢部浩之誕生

幼少期の矢部浩之
幼少期の矢部浩之
幼少期の矢部浩之
幼少期の矢部浩之

1971年10月23日、大阪府吹田市に3兄弟の次男として生まれる。


1987年 高校で岡村と矢部が出会う

高校時代の岡村隆史と矢部浩之
高校時代の岡村隆史と矢部浩之

大阪府立茨木西高校のサッカー部に在籍していた岡村隆史は、1学年後輩の矢部浩之から突然「岡村さぁん、『夕やけニャンニャン』って観てはりますか? 僕、あれ観てたらドキドキするんですよ」と話しかけられる。以降ふたりは意気投合し親密な関係に。岡村の高校卒業時、矢部は色紙の寄せ書きに「進路に迷ったら、お笑いの世界に行きましょう」と記した。

1990年 NSCに9期生として入学

1990年、矢部が大学受験に失敗したことに伴い、すでにお笑い芸人として吉本興業に所属していた矢部の兄・美幸の薦めから、矢部浩之も芸人を志す。当時、立命館大学夜間部の学生だった岡村を誘いNSC(吉本総合芸能学院)への入学を決意するが、矢部が願書の提出を失念。下見をしようとなんばグランド花月に足を運んだところ、その日がたまたまNSC入学希望者の二次面接の日であり、願書の提出忘れが発覚する。面接担当だった大﨑洋(現・吉本興業ホールディングス代表取締役会長)に入学希望の旨を伝えて許可してもらい、ふたりは9期生(同期はほっしゃん。、宮川大輔など)として入学する。

コンビ結成時に初めて作ったネタは、岡村がツッコミ、矢部がボケを担当。しかし、NSCでの「ネタ見せ」の授業で、当時のNSC講師だった漫才作家の本多正識から「(ボケとツッコミが)逆やろ」と指摘されたことにより役割を交替した。

1990年 NSC退学、「心斎橋筋2丁目劇場」へ

NSC在学中、NSC生が参加したお笑いのコンテスト『2丁目アマチュア大会』で優勝し、優勝特典として吉本興業が運営している「心斎橋筋2丁目劇場」の出演権を獲得する。しかしふたりはNSCでネタ見せ以外の授業に出席せず、授業料も未納だったため、除籍処分を通告される。

たった2カ月で養成所を退学となり、岡村は「どうする? もう辞めよか?」と矢部に相談。一度は解散の方向で話が固まっていたが、矢部から「今辞めたら、負け犬ちゃいます?」と止められて撤回。

退学となったことを報告するために、2丁目劇場の支配人だった木山幹雄のもとを訪れ、木山の厚意により舞台に立つことを許可される。ナインティナインを出演させることに対して吉本の社内から批判もあったが、木山は「おもしろかったらええんちゃいます?」と決定を曲げなかった。

1991年「吉本印天然素材」で東京進出

1991年9月に吉本興業所属の若手芸人たちで結成された、ダンスとお笑いをミックスしたユニット「吉本印天然素材」(雨上がり決死隊、FUJIWARA、バッファロー吾郎、チュパチャップス、へびいちご)に加わり、東京進出を果たす。

1992年『ABCお笑い新人グランプリ』最優秀新人賞

1980年からつづく若手芸人の登龍門的コンテスト、『ABCお笑い新人グランプリ』第13回大会で、本命の雨上がり決死隊やよゐこを抑えて最優秀新人賞に輝いた。出場者のほとんどがコントだったため、あえて漫才を選ぶなど戦略的に戦った末の番狂わせだった。

1992年『新しい波』、1993年『とぶくすり』スタート(フジテレビ/〜1993年9月)

1992年にバラエティ番組『新しい波』がスタート。「お笑い界は8年ごとにスターを生み出して世代交代をしている」という「お笑い界8年周期説」をもとに、片岡飛鳥、荒井昭博が各回の演出を担当。現在は「お笑い第4世代」(極楽とんぼ、ナインティナイン、キャイ〜ンなど)とされる面々が多数出演した。ここから選抜され、翌年『とぶくすり』が放送開始。10月の『とぶくすりスペシャル』で初めて矢部が仕切り役に抜擢され、片岡に「ボケの人間がおもしろくなかったら、全部お前のせいだからな」と言われる。

1993年『上方お笑い大賞』銀賞受賞

1990年代ごろのナインティナイン
1990年代のナインティナイン

1972年から2006年まで毎年年末に行われていた読売テレビが主催する上方演芸の賞レース。ナインティナインは第22回大会で銀賞(芸歴10年以内の新人部門の1位)に輝く。

1993年「吉本印天然素材」として大ブレイク

1991年10月から日本テレビと中京テレビで、火曜深夜に放送されていた『吉本印天然素材』。番組は1993年3月にいったん終了したが、それから半年後に日曜夕方枠で復活し、ナインティナインの冠番組『ぐるぐるナインティナイン』の前身となった。

イベントで後楽園ホールを満員にするなど、若い女性を中心にアイドル的な人気を誇っていた。ナインティナインは徐々に単独で仕事をする機会が増え、1994年に脱退。

1993年『浅草橋ヤング洋品店』(テレビ東京)にレギュラー出演

1992年4月から始まった、ルー大柴と清水ミチコ司会の番組『浅草橋ヤング洋品店』に、1993年10月からレギュラーとして加入。番組は次第に浅草キッドを主力とするロコモーションチームの企画と、ナインティナインが主力の吉本興業チームの企画でのカラーの違いが鮮明になり、1時間の中でふたつの番組が並立するようなかたちとなっていった。

1993年『ウルトラクイズ』と『ねるとん』で知名度急上昇

1993年10月に『第13回ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ)、12月には『ねるとん紅鯨団』(フジテレビ)の「芸能人大会」と全国的な人気番組に相次いで出演し、知名度が急上昇。前者では岡村が「人間性クイズ」で出川哲朗に対し逆ドッキリを仕かける役に抜擢され、大きなインパクトを残した。

1994年 ダウンタウンと初共演

1994年1月放送の『笑う正月!ハッスルかましてよかですか!?』(フジテレビ)に若手有望株として出演。ダウンタウンの威圧感にビビり、ミサンガをしていた岡村が浜田に「これなんや?」と尋ねられても普通のことしか言えなかった。さらに、暴力的なツッコミをされ「怖いわ、もー」とトラウマが植えつけられることになる。

1997年にダウンタウンが司会を務めた『27時間テレビ』に出演以降は共演がなかったが、2011年『爆笑!大日本アカン警察』(フジテレビ)で14年ぶりに再共演を果たした。

1994年 明石家さんまと共演

『さんまのオールスタースポーツするぞ!大放送』(フジテレビ)に第3回(1994年4月放送)から出演し、明石家さんまと本格的な共演を果たす。矢部が「フリースロー対決」で笑いを取ることなくシュートを決めると、すかさず今田耕司が「うちの後輩!」と割り込み、岡村も「うちの相方です」と被せ、さんまが「俺の番組やねん」とオトした。これが、矢部が自分の立ち位置を開眼するきっかけとなる。

めちゃイケ、ANN、主演映画……怒涛のようにスターに上り詰める、ナイナイの90年代後期


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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