家飲みを楽しむ100のアイデア 取るに足らないことでもひとつずつ立ち止まってじっくり味わう(パリッコ✕スズキナオ)

2020.8.15

文=パリッコスズキナオ 編集=森山裕之


QJWebでは、それぞれコラム「マイバスケット・イズ・スーパーマーケット」「遅く起きた日曜日に」を執筆し、話題の「チェアリング」の生みの親としても知られる人気酒場ライターのパリッコさん(写真右)とスズキナオさん(写真左)。ふたりが信用できる酒飲みたちと共に、コロナ禍の日常に向き合い、綴った「家飲みを楽しむ100のアイデア」が1冊になった。ふたりが体感し、考えたコロナ禍の酒と生活についての特別対談をお送りします。

コロナ禍にとことん振り切って作った酒の本

パリッコ(以下、パリ) なんともうれしい、新しい本ができましたね。

スズキナオ(以下、ナオ) はい! 『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』(スタンド・ブックス)という。この対談を収録しているのがまさに発売日(2020年8月5日)で。

パリ そうだ! 

ナオ パリッコさんと私、スズキナオのふたりが編著、監修するかたちで、我々だけでなく、たくさんの信頼できる飲み友達にも寄稿してもらって作りました。

パリ 監修って言ったってね。

ナオ そう。監修ってなんなんだろう。

パリ できてたとは思えない。

ナオ ははは。厨房が丸見えの飲食店あるじゃないですか。ああいう店で頼んだ料理ができていくのを見ている状態が、監修のイメージです。

パリ はは、お客さんの立場で? それって監修なのかな。むしろ監視。

ナオ 観覧とかね。

パリ スズキナオ、パリッコ観覧『のみタイム』完成!

ナオ  「真っ先に読みました!」っていう。

パリ 昔のレコ屋の「石野卓球氏、購入!」みたいな頼りなさ。

ナオ ありましたね! そして、それを見てレコードを買った記憶があります。購入しただけでポップに書かれるってすごいな。でも、パリッコさんなんか今後あり得ますよ。「パリッコ氏、激飲!」とか。

パリ わはは。「激飲」ならまだいい。「スズキナオ氏、当店にて飲酒!」。

ナオ 確かに恥ずかしい。

パリ 気に入ったとも言ってないのにね。まぁ、そんな時代は来ないか。図々しかった。

ナオ とにかくそのパリッコさんも激筆した『のみタイム』。

パリ 激筆!

パリッコ/スズキナオ『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』(スタンド・ブックス)紙版・電子版発売中 装画:石山さやか/デザイン:戸塚泰雄(nu)

ナオ 今回のメイン特集が「家飲みを楽しむ100のアイデア」。ここを主に我々が激筆して、それプラス豪華執筆陣によるコラムやマンガが収録されているという構成です。

パリ 実は当初は、もっとオーソドックスな、お酒や酒場に関する雑誌を作りたいと話してたんですよね。

ナオ うんうん。

パリ それが、それぞれに忙しかったりでなかなか進められないでいたら、予想だにしていなかった状況になってしまって。そこからリスタートした感じでした。

ナオ 話自体は1年半ぐらい前から始まっていますからね。そのときのイメージとは全然違う本になった。

パリ 僕らに「一緒に本を作ろう」と声をかけてくれた編集者の森山(裕之)さんが、踏ん切りをつけさせてくれた感じですよね。

ナオ そうですね。「もう、おふたりの持ち味100%のものにしましょう!」と言ってくれて。いいのかなーと不安でもありましたが。

パリ それならとことん振り切ったものにしようと。

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パリッコ

1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、ほか。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』『酒場っ子』『ほろ酔い!物産館ツアーズ』、スズキナオ氏との共著に『“よむ”お酒』『酒の..

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