逮捕逮捕突入の16話をまとめる
16話、バタコ逮捕、陽香逮捕、教団「かがやきの世界」にも警察が突入と、逮捕逮捕突入の連続で盛り上がった。
激動した16話の出来事を箇条書きでまとめてみよう。
・真帆(宮沢りえ)の不倫告発ビラを投函した瑞穂(芳根京子)、釈明をする。林(深水元基)に対する怒り、そして凌介(西島秀俊)に対するショック療法だと語る。
・陽香(生駒里奈)が、事件当日に近づいてきたらっきょう女だと、凌介は気づく。
・河村(田中哲司)の取材で、“高場花”は、数カ月前から陽香に脅され、薬品や医療器具を横流ししていたと告白する。
・篤斗(小林優仁)の病室へ向かう凌介と光莉をつけていた強羅(上島竜兵)は、猫おばさん(平田敦子)が追い返す。
・光莉(原菜乃華)に美容室から予約確認の電話が入る。真帆が予約してくれたのではないかと希望を持つ凌介と光莉。美容院に予約入れるぐらいならふたりに電話を入れるのでは?などと考えたりはしない様子。
・陽香の家の浴室に監禁されている一星(佐野勇斗)。
・ぷろびん(柄本時生)は、「至上の時」に駆け込み、日野(迫田孝也)との連携プレイで、動画アップ。
・動画は、「かがやきの世界」の教祖(相築あきこ)と信者らがふたつの遺体らしきものを掘り返しているもの。
・河村情報により、阿久津(渋川清彦)と落合(吉田健悟)は葬儀場へ乗り込み、『マトリックス』ばりの格闘の末、陽香を逮捕する。
・凌介と篤斗が病院の中庭でサッカーをしているところにコーチの山田(柿澤勇人)が登場。バタコ(香里奈)に脅されて山田&朋子(桜井ユキ)が篤斗を拉致しにやってきたのだ。
・凌介は、バタコの吹き矢で倒れる。
・指令を出したのに、なぜかのこのこと現場にやってきたバタコは、駆けつけた警察に取り押さえられる。
・「かがやきの世界」に警察が突入。ふたつの白い棺桶があり、ひとつからは充(前野朋哉)の遺体が出てくる。もうひとつは誰なのか!
推理小説的な作法が通用するドラマではない
怒涛の展開で、陽香とバタコが逮捕された。篤斗も証言する決断をしたようだし、次回は、事件に関する証言がたくさん出てきそうだ。
ラスト、ふたつの遺体のうち判明していない遺体は誰か?
充の遺体と一緒に埋められたことを考えると、ふたつの遺体はバタコの手によるもの。そうなると、バタコの息子である圭樹を殺した運転手だろう。
運転手は今まで登場していない(と思われる)ので、遺体を演じるのは、かねてより登場すると言われていたナイツの塙宣之さんじゃないか。
2話のレビューで、「便乗犯だらけで考察しにくい構造」になっていることを指摘し、11話のレビューで、「どうにも考察できないドラマになっている7つの理由」を挙げた。考察がムリな理由をふたつに絞れば、
・「なんでもアリ」なのでどうとでも展開できる。
・同じスタッフによる『あなたの番です』では、動機なき超人が犯人で矛盾だらけの真相だった。
である。
だから、このレビューでは「推理」は諦めている。
カルト教団が事件に関わり、キーボードは一本指でしか打てないのにフェイク動画を操る強羅のような闇の仕事人が出て、政府プロジェクトと関わる等々力建材まで事件に関わってるのだ。推理小説的な作法が通用するドラマではないだろう。
ぷろびんはなぜスタバに行かなかった?
多くの考察班が推している日野犯人説にノレないのは、それではドラマ的におもしろくないからだ。
確かに、日野は、喫茶店をやっていて自由に動ける上に、ひとりでいる場面が映されていない。だから犯人として暗躍していた人物として説明しやすい。
だが、このドラマが、そんな「説明しやすい人物」を犯人にしてもしょうがない。観る側の予想を裏切り、あっと言わせ、唖然とさせるほうがいい。
『あなたの番です』では、捜査中心メンバーだった上に、強引にもほどがある人物を犯人にしたのだ。
今回も、納得のいく説明を期待してもしょうがない。
実際、納得させるつもりはない場面はいくらでもある。
16話だけでも、
・猫おばさんは、なぜ病院にいて、強羅がピザカッターを持っていることを知り得たのか。
・瑞穂の裏切りをあんな無茶苦茶な説明で納得するのはなぜか。
・重要な鍵である押し入れの中をはぐらかされたのに再度見に行かないのはなぜか。
・バタコは、山田と朋子に指令を出したのに、わざわざ現場に行ったのはなぜ。
・ぷろびんは、スタバにでも行けばいいのに、どう考えてもWi-Fiを貸してくれそうにない「至上の時」に行ったのはなぜか。
・警察の阿久津はともかく、バタコ、朋子、陽香と、格闘のプロみたいな技術を持っている人だらけなのはなぜか。
・殺人者バタコは、なぜ凌介のときだけ生かすような手加減をしてしまうのか。
・今まで冷静に推理しようと言っていたメンバーが、凌介の推理を必死に止めさせようとするのはなぜか(あの場で止めようとしていた全員が犯人説すら唱えたくなる)。
これら多くのポイントは、物語の都合でしかなく、おそらく納得のいく説明はないだろう。
一番、予想外で驚く犯人は山田だ
だからこそ「推理」や「考察」ではなく、展開予想で楽しむのがよい。
今回の予想ポイントは、「一番、予想外で驚く犯人は誰か?」である。
日野、河村、真帆、瑞穂、一星が黒幕説では、もはや驚けない。あり得る。
14話、15話で、瑞穂を怪しく仕立て上げて、16話で違いましたと真犯人フラグを外して、やっぱり真犯人でしたという展開もアリだとは予想していたが、そうするには16話の説得力が弱過ぎた。やっぱり真犯人でしたというなら、今回もっと明確に瑞穂が潔白であると証明しないと、盛り上がりに欠ける。
とはいえ、ここまであまり事件に関わってない人物が真犯人でしたというのも盛り下がるだろう。
事件の外から予言しつづけた猫おばさんが、真犯人だったから予言できていたのだ!では噴飯ものだろう。
同様に、事件に直接絡んできていない鴨井晴子(小林きな子)が真犯人でした、相川誉(南彩加)が真犯人でした、でも戸惑う。
つまり、第1話からちゃんと出ていて、事件に関わっていて、だけど黒幕ではなさそうな人物は誰か?
ひとりいる。
コーチの山田だ。朋子に振り回される情けないキャラクターとして登場している。この情けなさがフェイクだとしたらどうだ。豹変して黒幕でしたという展開だ。あの振り回されているキャラクターが全部演技で、振り回されるふりをして相手を振り回していたということが過去回想映像で判明するのだ。
16話で、バタコに脅されて動いたように見えたが、結局、逮捕されたのはバタコで、山田コーチは逃げ切った。用済みのバタコを始末したのではないか。
何しろサッカークラブのコーチ以外何もしてないのだ。いくらでも自由に動ける時間がある。
サッカーボールを蹴り入れるのも山田コーチならいける。
さらに、サッカー教室を通じて、真帆とも関わりがあり、バタコとも関わりがある。朋子にも関わりがある。
強烈キャラの朋子に振り回されている雑魚キャラだと思わせておいてのドンデン返しは盛り上がるのではないだろうか。
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