映画版の公開(12月24日)を待ちながら『ジャンプ』大好きライター・さわだが『呪術廻戦』(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)の既刊を1巻ずつ振り返っていく企画。今回は14巻、長くて難解な「渋谷事変」をしっかり解説する(以下考察は、14巻までのネタバレを含みます)。
【関連】『呪術廻戦』映画を待ちながら1巻から読み直す「第1話から傑作」感がないのが逆にすごい
難解なのに支持層が広い
10月4日『呪術廻戦』17巻が発売される。1巻から振り返りレビューをしてきたこの連載も終わりが見えてきた(この先も新刊出たら書くつもりだけども)。
今回振り返るのは、「渋谷事変」が終盤にさしかかる14巻だ。長くてちょっと難解な「渋谷事変」だけに、しっかりとわかりやすく振り返りたい。この記事を書いている僕も、読み直して知らなかったことや、わかっていないことが多々あったりする。
大好きな僕が言うのもおかしいけれど、『呪術廻戦』ってなんでこんなに難解なのに支持層が広いのだろう。好きって言ってるひと100人に理由を聞いたら、全員違う答えが帰ってきそうだ。
まさかの死
前巻からつづく超インフレ展開をこの巻も継続。6ページでたった8コマしか使わない大ゴマ連続のバトルは、宿儺(すくな)が作中指折りの強さの漏瑚(じょうご)を圧倒的な火力で焼殺する。
「100年後の荒野で笑うのはワシである必要はない。呪いが人として立っていればそれでいい」
悪役でありながら漏瑚は、自分よりも種の繁栄、呪いの未来を願うまるで幕末の志士のような生き様だった。大きなひとつ眼と火山のような頭のデザインもキモくて可愛く、振り返れば振り返るほど愛らしい。そんな人気キャラ漏瑚の死。14巻は、ここから衝撃的な死が連続する。
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