『呪術廻戦』2巻がカマしてきた!ストーリーがぶっ壊れないか心配「パンダをパンダで済ませるつもりか」

呪術廻戦2

文=さわだ 編集=アライユキコ 


『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中のマンガ『呪術廻戦』(作・芥見下々)2巻のキーワードは“カマし”だ。大人気作品の映画公開(今年の冬らしい)を待ちながら、『ジャンプ』大好きライター・さわだが、1巻から隔週で読み直していきます。『アメトーーク!』(テレビ朝日)「マンガ大好き芸人」(4/16放送)でも大人気でしたね。

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「最強」五条悟!

『呪術廻戦』第2巻は、ストーリーがぶっ壊れないか心配させてくる。

ストーリーを構築したのが1巻なら、2巻がしたのは“カマし”だと思う。僕がこの記事で使う“カマし”は、「あと先の調整は難しいけど、とりあえずでっかいインパクトを与える」という意味だ。

いや、『呪術廻戦』は1巻からだいぶカマしたマンガだとは思うけど、それにしても2巻は激しい。細やかな伏線、綿密に練られた裏設定、というよりは、読者の「これからどうすんの!? ストーリーぶっ壊れないか心配なんだけど!?」という感情を揺さぶってきている。

「大丈夫、僕最強だから」

『NARUTO』のカカシ、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のパパスなど、序盤から場違いなほどに強いキャラクターの登場は王道パターンではあるが、五条悟ほど明確に「最強」なキャラは珍しい。

インフレし過ぎじゃねーか!?

五条は、主人公・虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)が通う東京都立呪術高等専門学校の教師。上記のセリフは、1巻で虎杖が自身の中に巣食う呪い・両面宿儺(りょうめんすくな)と入れ替わる際に、五条が言ったモノ。事実、五条の能力は「自分と他者の間に無限を作る」であり、特殊能力系漫画史上でもなかなかお目にかかれないスペシャルな能力だ。

「僕最強だから」は、虎杖を安心させるための「すごく強いから大丈夫」という意味ではなく、「この世界(マンガ)で1番強い」という情報を発しただけのような言い方だった。虎杖はもちろん、読者にも向けられたセリフではあるが、作者の芥見下々にとっても定義づけのような意味があったのではないだろうか。五条がテッペンで、その他がどう動くかの物語。そう宣言したとも受け取れる。

そんな“最強”五条悟が、2巻で早くも本格的なバトルシーンを披露する。しかも相手は、虎杖を圧倒した特級呪霊を子供扱いした両面宿儺(このときは呪力が10分の1程度と見られる)の数倍強いとされる漏瑚(じょうご)。まぁつまり、虎杖目線で超格上の超格上の超格上といったところだ。

しかし五条は、そんな漏瑚との一戦を虎杖の授業の一環にしてしまう。自らの能力の説明や領域展開など、バトルのルール説明に使ったのだ。ただ強さを提示するだけでなく、最強としての余裕まで見せる。虎杖という読者にとっての“基準”を大幅に飛び越えるバトルを展開して、「インフレし過ぎじゃねーか!?」と心配に近いレベルのインパクトを作り上げたのだ。これはだいぶ“カマし”てる。

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語彙がオニギリの具しかない呪言師

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