SKY-HIを魅了した驚異の13歳、RUIにとっての『THE FIRST』とは「人生を変えるもの」【『あの日のTHE FIRST』レポート#9】

文=坂井彩花 編集=森田真規


SKY-HI(スカイハイ)が率いる会社「BMSG」が仕かけたオーディション『THE FIRST』。その模様を7人組ボーイズグループ「BE:FIRST(ビーファースト)」と、『THE FIRST』に参加していたBMSGの練習生や所属アーティストのコメントを交えながら振り返る番組『あの日のTHE FIRST』

第9回でフィーチャーされたのは、SKY-HIから「アーティストとしてファンになってしまった」と言われ、そのパフォーマンスのクオリティについて太鼓判を押されているRUI(ルイ)。ひとたびパフォーマンスが始まると“フロー状態”へ没入する才能を持つ彼は、どのような心境でオーディションに臨み、その最中に何を考えていたのか──。

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世界で活躍するチャンス

1次審査の書類選考をくぐり抜けた231人を対象に、日本全国で行われた『THE FIRST』2次審査。ここでRUIは米津玄師「感電」で中学生と思えぬ妖艶な歌声を響かせ、SKY-HIから「ローキーでここまで妖しさや色気を出せるのはすごい才能」と評された。

[THE FIRST 2次審査] 川島塁 (歌唱) / 感電

──なぜ『THE FIRST』を受けたのですか?

RUI 小さいころ、おばあちゃんに「歌がうまいね」と褒められたのがきっかけで、歌を始めました。そのあと「もっと有名になりたい」と思うようになり、アーティストさんを見るたびに「こんなふうになったら、すごく人生を楽しめるだろうな」と感じていたんです。『THE FIRST』を見つけたとき、「これはチャンスだ!」って。世界で活躍することを望んでいたので、挑戦してみることにしました。

──SKY-HIさんに会ったときの印象を教えてください。

RUI 外見から“神の子”なんだなと。すべてが整っているかっこいい方だと思いました。内面もすごく優しくて、おもしろくて。パフォーマンス後に「13歳とは思えない」と言っていただけたのは、“並外れている”と褒められたように感じてとてもうれしかったです。

30人中22位で2次審査を通過したRUIは、3次歌唱審査でも米津玄師「感電」を披露し、SKY-HIからは「無意識に出る所作に雰囲気があって心惹きつけられる」と称賛された。グループ審査では、SKY-HIの楽曲「Sexual Healing」に挑戦。出だしのパートでグッと場の空気を掌握し、「マイクへの声の鳴り方が特殊な域に達している」と評された。

──チームAのメンバーには、どのような印象を抱いていましたか?

RUI 皆さんダンスがとてもうまいんですけど、中でも佐藤龍太君は気持ちが入っているというか、表現がすごく強くて。龍太君に<アダムとイブでも気取ってみればいい>の振り付けを教わったのが、一番印象に残っています。RYUHEI君は、冷静なイメージが強かったですね。何事も頭で考えてから行動に移すタイプだったので、とてもまじめな方なんだと思っていました。

──3次審査を振り返って、いかがでしたか?

RUI 自分が意識していない“さらっと目線を外す”というところまで、SKY-HIさんが見てくださっていて、とてもうれしかったです。グループ審査ではみんなと協力できたと思うんですけど、「もっと発言してアイデアを共有すればよかったな」という反省はありますね。

[THE FIRST 3次審査] Team A / Mr. Psycho (Dance Practice) / 黒田竜平、中西直樹、川島塁、佐藤龍太、馬場亮成

神がかっていたパフォーマンス

15人で挑んだ合宿審査に8位で駒を進めたRUI。合宿1次審査の“クリエイティブ審査”では、仲間と一緒に楽しみながら音楽と向き合い、SKY-HIに「表情が楽曲を表していた」と称された。順位を8位にキープして臨んだ“疑似プロ審査”の「Be Free」では、完全に楽曲を憑依させたパフォーマンスを展開し、グループ全体の魅力をより高みへと引き上げた。

[THE FIRST 合宿擬似プロ審査 / ステージ映像] Be Free / ジュノン、レオ、ソウタ、マナト、レイ、ルイ

──クリエイティブ審査を振り返って、いかがでしたか?

RUI 一回も歌詞やダンスを自分で考えたことがなかったので、制作が始まる前は不安しかなかったです。やっぱり仲間の存在って大事ですね。“YOLO”というワードを出したのは、SHOTA君。もともと<We only have one life>は日本語で歌う予定だったんですけど、さらにかっこよくするために英語に訳しました。僕が手がけたパートではあるけど、仲間で作ったという意識が強いです。当たり前ですけど、あのパフォーマンスはひとりでは絶対にできなかった。クリエイティブ審査を経て、仲間とは助け合い、高め合うものなのだと強く感じました。

──疑似プロ審査を振り返って、いかがでしたか?

RUI 本番中なのに、次々と「こうしたらかっこいいかな」って頭に浮かんでくる感覚があって。神が憑依して体は勝手に動くみたいな、魅せ方を考えながらパフォーマンスに臨むことができました。あのときは、自分でも神がかっていたと思いますね。<Let’s go baby 忘れないで>のパートでやったスーツのジャケットをずらす魅せ方は、本番前SHOTA君に確認したら「全然変じゃないよ」と言われたので取り入れてみました。SKY-HIさんに「RUIにしか目が行かない瞬間が多かった」と評価していただけたのは、めちゃめちゃうれしかったですね。オーディション最高だなって(笑)。

──疑似プロ審査の練習期間に起こった「スリッパ事件」について、今はどのように感じていますか?

RUI 「サンダルで参加するのはおかしいし、もっとやり方があるでしょ」って、過去の自分に言いたいです(笑)。オーディションなのになれなれしいし、あのときは調子に乗っていたと反省しています。今の僕だったら……靴が乾かなかったら裸足でやると思います。

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