空気階段が悲願の優勝『キングオブコント』上位3組の共通点とは?(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『お笑いの日2021』

ダウンタウンのふたりがスーツ姿でサンパチマイクの前でしゃべるという胸が熱くなるオープニング。「お笑いミクスチャーFES」では、おいでやすこが×華原朋美、バカリズム×刃牙などのコラボが実現。

『キングオブコント』決勝を控えるマヂカルラブリーはここにも登場し、高橋名人とコラボ。「敗北を知りたい」という野田がコント中、野田ゲー「つり革」を高橋名人とプレイ。最後はガチ対決で超名勝負を繰り広げる。

さらに「段ボールアーティスト」もう中×「現代アーティスト」くっきー!のコラボも。ネタで使用する段ボールをくっきー!が描くというもの。くっきー!は「凝り固まったお笑いって飽き飽きじゃない?」と、ネタの打ち合わせはせず一発本番。

途中までもう中が自分のネタをやり、途中でくっきー!が「意味がわからん。どういう類の笑い?」と入ってきて、自分が作ってきた段ボールをもう中に託し、それをもう中が即興でネタにするという構成。ネタを観た松本が「あなたの類の笑いがわからない」と言うと、くっきー!「ダウンタウン先生、あなたがた見て育ったんでっせ」。

「ソウドリ」パートではドン・アリタに扮した有田哲平が久々にダウンタウンと共演。新鮮な絡み。アリタはふたりをそれぞれ「キング・マツモト」と「ギャング・ハマダ」と命名。さらに「ベストワン」パートの鶴瓶・今田には「ツルッパゲ・ツルベ」と「シングル・イマダ」。

『キングオブコント2021』

オープニングはくるり「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」に乗せた今泉力哉監督によるおしゃれな映像。6年ぶりに審査員が変更になったこともあり『キングオブコント』の“新しい章”が始まった感じ。

松本以外の審査員は大方の予想どおり歴代王者から。山内、秋山、小峠、そして飯塚。飯塚は浜田に「やり直せ!」と登場をやり直されるなど、会場は柔らかくいい雰囲気。秋山は「牛耳れ!」と煽る。

トップバッターは蛙亭。いきなり緑の液を吐き出すというインパクトのあるツカミからまさかのほっこりするエンディングで「461点」という高得点。その後も「この3組がほぼ並列」と松本が評し点数をつけるのに苦労する高水準なコントが3組立てつづけに披露される。

序盤に高い点が出ると点数がインフラを起こし、前半と後半では点数に整合性が取れなくなるといったことが起こりがちだけど、今回の審査ではそのようなことはなかったように見えた。

また、前回までの審査員は良くも悪くも価値観や好みが似通っていたが、今回は設定、切り口、展開、キャラ、ボケ数、セリフなど、どこに重きを置くかにそれぞれ違いがあって、点数がいい塩梅でバラけて、しかもそれに納得感もあったのもよかった。審査コメントも、好みの問題や笑いに逃げることなく、いい部分や足りなかった部分をしっかり言語化してくれてわかりやすい。

7組目のニューヨークは低得点に沈むも、その前のそいつどいつのネタ終わりで松本が「みんなウケるから、もうあんまりウケんな(と思ってしまう)。もう許してくれって」と言ったことを捉え、「松本さんがみんな笑うなって言ったからや! 不正行為です!」と屋敷が『M-1』の「最悪や」を思い出させる噛みつき。

「漫才でもできたのかな?」という松本の審査には「M-1でこのネタやるんで高得点つけてくださいよ! 100点つけてくださいね! 100点をつけなさぁい」とさらに追撃。

もしかしたらこのやりとりで少し空気が弛緩したのかもしれない。つづくザ・マミィが「あんな汚いミュージカル初めて観ました」(山内)というコントで爆発したのだ。

会場の空気を牛耳り、これは頭ひとつ抜けたなという直後にキャラ被りが心配された空気階段が登場という、空気階段にとっては少し不利な展開。が、それを遥かに凌駕する大爆発を起こし歴代最高得点。かたまり「ちょっと……生まれてきた意味がありますね」。

最後の出番のマヂカルラブリーは、焼け野原となった状態でネタをやらなければならないことに。「2冠王者」の彼らだからこそ、そんな損な役回りでも持ち味を発揮してあと味が悪くならなかったように思う。

今回は、トップであることが災いし残念過ぎる敗退だった蛙亭のネタを飯塚が評して「愛の物語」と言ったが、そんな「愛の物語」が上位3組を占めることに。一般的に「ヤバい人」とされるようなマイノリティや蔑まれがちな人たちを肯定的に受け入れるようなコントが多かった。

ニッポンの社長を評して小峠が言った「ボケセリフを言ってない。なのにあれだけ笑いをかっさらう」というのも上位の共通点だろう。「映画を1本観た充実感」を本当に感じた。

あと紹介VTRも、うるとらブギーズには怒髪天の「オトナノススメ」、ザ・マミィは鶴の「ハイウェイマイウェイ」、空気階段はthe pillows「Funny Bunny」、マヂカルラブリーはフジファブリック「夜明けのBEAT」と、BGMがことごとくハマってた。

「最も無名」だった男性ブランコ、「最年少」のザ・マミィ、「優勝最有力」と言われていた空気階段のファイナルステージ。男性ブランコ、ザ・マミィがいずれも1本目を超えられず、大スベリしなければ空気階段が優勝というなか、セグウェイに乗ってもぐらが登場した時点でこれは間違いないと確信した。

「10年分の思いをぶつけました」とかたまりが言う、単独ライブでも披露した『メガトンパンチマンカフェ』のコント。前述のとおり審査の点数がバラけるなかでも1本目、2本目共に審査員全員が最も高い点数をつける文句なしの優勝。かたまりは号泣し、もぐらも「僕らコントしかなかったんで……」と涙ぐみ抱き合う。

本当にレベルが高く、どこも「やらかす」ことないとってもいい大会。小峠が「いわゆる『伝説の回』ってなるくらい」と評していたが、まさに「伝説の回」になっただろう。「サイコゥ!サイコゥ!サイコゥ!」な『キングオブコント』だった。


明日観たい番組:『アメトーーク!』3時間SP、『有吉クイズ』レギュラー放送開始!

『アメトーーク!』(テレ朝)3時間SP。「ビビリ-1グランプリ」「駄菓子ダイスキ芸人」。

『激レアさん』(テレ朝)「雑草を食べたり物置に住んだりという超貧乏生活を17年間必死で隠し通し、ひょんな事でバレちゃったけど人生が好転した人」「ボクシングの試合中にかつらがズレてしまい日本中に報道されてしまったけど、その後の人生をあまり知られていない人」。

『有吉クイズ』(テレ朝)開始。「有吉のプライベート密着クイズ」「この変装芸能人は誰?」「(秘)クイズ」。

『ソウドリ』(TBS)インポッシブルvsハリウッドザコシショウvsランジャタイ。

『イグナッツ‼』(テレ朝)新企画「ちやほや倶楽部」。

『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレ朝)「ついに番宣コントにオファーが来た夜」。

『もう中学生のおグッズ!』(テレ朝)開始。

『ラジエーションハウスⅡ』(フジ)開始。窪田正孝×本田翼×広瀬アリス。

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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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