光浦靖子、カナダ留学へ。黒沢かずこ「男社会の中で、女芸人の幅を広げてくれた」と涙(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『アメトーーク!』

光浦靖子が1年間カナダに留学するということで「行ってらっしゃい光浦さん」。

女性芸人が事務所の垣根を越えて交流し始めたきっかけは、2002年に放送されたオアシズ、島田珠代、森三中によるコント番組(おそらく『笑いの巨人』)だそう。その収録でだだスベり「帰りたくない、しゃべりたい」と緑山から三軒茶屋に移動して明け方まで飲み明かしたという。

大島は「男芸人が仕事終わって『じゃあ、飲みに行くか』というのを横目で見て『いいなあ』って思ってたことができるっていうのが、ものすごくうれしかった」と振り返る。ちなみに『アメトーーク!』「女芸人会」はその3年後。

濱口は光浦を「お金を持ったら美に目覚める女性芸人」の“走り”だと評す。

番組終盤には久々に(というかほぼ初めてじゃないか)オアシズふたりのロケで、大学時代に住んでいたアパートなどを訪問。ふたりが入っていた早稲田大・寄席研の同期・ヴァイオリン漫談家のマグナム小林に電話。

今回の企画はオアシズを17年間担当している仲本マネージャーの持ち込み企画だという。ツイッターによると企画タイトルも彼女の発案だそう。そんな彼女はオアシズを「繊細だけどおおらかで、自由だけど気難しい」と的確に形容。

黒沢は、お笑いという男尊女卑がまかり通っていた男社会の中で、20代前半から戦ってきてくれたと涙ながらに語る。

「光浦さんが振られてひと言で落とすっていう実績を残してくださったから女も振ってもらえる機会を得たし、エッセイとか言葉のセンスもうまいし、女芸人の幅を広げてくれた方」だと。

そして最後に大久保が「靖子のメイプルシロップをナイアガラの滝のように。悪い虫が来てもそれは拒否せずメイプルシロップを吸わせてあげて」と彼女らしい下ネタを使った贈る言葉。

この日の収録を終え、すでに光浦はカナダに。カナダからのビデオレターの光浦はとても軽やかで楽しげ。本当に素敵な生き方だし、それにふさわしい素敵な餞(はなむけ)企画だった。

『櫻井・有吉THE夜会』

ゲストはバカリズムと日村勇紀。同世代(日村は「有吉世代」と表現)ながら有吉とは「10年くらい同じ番組では会ってないんじゃないか」と日村が言うようにレアな3ショット。「下北でワルと言ったらこの3人」と笑う有吉。

下北沢の居酒屋「都夏」の話で盛り上がる3人。「都夏知ってるって超うれしい!」とはしゃぐ日村は、バカリズムと同居していた時代、都夏の前のアパートに住んでいたそう。ちなみに設楽は北口(ピーコックがあるほうの出口)方面に住んでいたと。

最後に、日村が自宅でやっている「ベランダで大きなビニールプールに入ってちっちゃいビールを飲む」ことをみんなでやりたいと、夜会ハウスで自宅のベランダを完全再現。プールのみならず、奥さんが作ったというイルミネーションまで再現。

「どう? 入んない?」と日村がプールに誘うも「絶対入らない!」と断る有吉。「1回はそう言うわな」と動じない日村に、有吉「俺とかバカリがこんなの入ってんの見たことないでしょ?」。

プールにちっちゃい缶ビール片手に入る日村だが、ほかの3人は本当に入らない。日村「有吉、おいで。ヒデもマジで。櫻井くん!」。

ずっと仲のいい3人のやりとりが最高で、無性に可笑しかった。


明日観たい番組:『この世は【ご報告】であふれてる!?』『さんまのお笑い向上委員会』など

『この世は【ご報告】であふれてる!?』(テレ東)にハライチ、高橋ひかる。

『さんまのお笑い向上委員会』(フジ)に井口浩之、ほしのディスコ。

『有吉反省会』(日テレ)に演歌歌手・大滝秀子。

『ゴッドタン』(テレ東)「壁ある芸人矯正プログラム」黒沢かずこ編。

『人生最高レストラン』(TBS)に渡辺えり。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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