千鳥・大悟とヒコロヒー、女芸人の雑な扱いを考える「“昔テレビマン”が笑ってるだけ」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


「男芸人に対するのと、同じでいいんです」

ABEMA『チャンスの時間』

ヒコロヒーによる「雑にイジられまくり先生」。女芸人が、男芸人・ファン・テレビマンから雑にイジられている現実を講義。生徒役には千鳥に加え、みなみかわ、紺野ぶるまという、ほぼ「脱竹TV」(みなみかわのYouTubeチャンネルでの企画)的メンツ。千鳥は彼らを「松竹芸能人」と呼び、「いつまでも勢いがないよね」(ノブ)、「いつまで鶴瓶師匠ワントップやねん」(大悟)と笑う。

「女芸人はブスと不思議ちゃんの2種類しかいない」「ネタがんばる系は亜種」「『女、出すなや』は『女、感じたよ』と発表してるのと同じで恥」「ファンですら女芸人をなめている」「がんばって辿り着いたテレビの現場こそ雑イジリ」「劇場では『女を捨てる』ことを求められるが、テレビでは『女である』ことを求められる」などとキレッキレ。

それに対し、女芸人と比較的フラットに接している千鳥は「そんなことある?」などと驚きつつ、「確かに女芸人にネタの話はせんかったかも」などと真摯に反省していた姿が印象的だった。千鳥のまわりには友近を筆頭に「亜種」であるネタがんばる系の女芸人がほとんどだから、ヒコロヒーが語るような女芸人の話は本当にわからなかったんだろうなと思った。

テレビでは「美人タレントとの対立構造」など「お決まりの型にハメられてしまう」と言うヒコロヒーに「テレビっていつまでこうやってるんやろうな?」「“昔テレビマン”が手を叩いて笑ってるだけやもん」と辛辣に述べる大悟。「昔テレビマン」というフレーズが鋭角。

では、女芸人をどうイジればいいのか。「普通でいいんです。(男芸人に対するのと同じように)勝算あるフリで振ってきてほしい。それがお笑いとして当たり前のことだから」とまとめるヒコロヒー。「しびれました」とノブが言うように女芸人を取り巻く現状を見事に表した素晴らしい講義だった。

『水曜日のダウンタウン』

スタジオゲストにザキヤマ。プレゼンターとして登場した相方の柴田が発表した説は「アンタッチャブル山崎ほど芸風変わった芸人そうそういない説」。

ダウンタウンに憧れ「引き芸」だった20歳のころの映像は、かつての海砂利水魚っぽい印象。後輩の塚地は当時のことを「舞台袖では(ハイテンションで)『わー』ってしゃべるのに、いざ出たら(ローテンションで)『どうもー』みたいな(笑)。あんまりいないじゃないですか。(舞台ではハイテンションで)『どうもー!』って出て、裏で静かはあるけど。ONのほうをOFFにしてたから」と証言。

しかし、ある日突然、芸風が現在のものに変わったという。塚地はこう振り返る。「段階を経てなったわけではなくて、バチンってその月から変えたイメージ。この日かも、ライブに一緒に出てるんですよ」。塚地の言う「この日」のザキヤマの心境はものすごいものだったのだろうなと想像してゾクゾクしてしまう。

2009年、『リンカーン』の「説教先生」で憧れのダウンタウンと共演し、緊張で顔面蒼白。まったくいいところを出せず終わってしまった「リンカーンの悲劇」も紹介。以降『27時間テレビ』などの例外を除いて、ダウンタウンと本格的な共演は11年間なし。ザキヤマがダウンタウンを共演NGにしていたのでは、という説に発展していく。

ザキヤマは「NGなんか出すわけないです」と言いつつ「ただ、マネージャーに『短所を補うより、長所を伸ばしたい』って」と事実上のNGを出していたことを明かす。ダウンタウンに限らず、イジられるような場にはなかなか出てこないある意味“アンタッチャブル”な存在だった印象があるので、その謎がちょっと解けた。

プレゼンターに相方の柴田、パネラーにも昔からの彼をよく知る伊集院を配したのも、番組側の配慮なのだろうなと思った。松本「“松本病”は治ったんだと。今日来たらちょっと咳き込んでるなぁって(笑)」。

『バナナサンド』

ゲストにCreepy Nuts。この手の番組にゲストで出ると、どうしても「聖徳太子ラップ」のようなわかりやすい武器があるR-指定がフィーチャーされがちで、今回もそういう流れだったけど、DJ松永の時折見せる口の悪さにバナナマンがすかさず反応。「猟奇的な笑い」「笑うとおっかない」と看破したのがさすがだった。

今日観たい番組:「せいや、大阪で実家買う。」など

『ぐるナイ』(日テレ)は「岡村電撃婚(秘)生報告」。

『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジ)は友近&ロバート秋山、サンシャイン池崎&ワタリ119、神奈月&永井佑一郎、歌がうまい小学生・加藤礼愛&とろサーモン久保田、プロレスラーの本間朋晃と天山広吉などのコラボネタも。

『霜降りバラエティSP』(テレ朝)は「せいや、大阪で実家買う。」。

『夜の巷を徘徊しない』(テレ朝)は「マツコ&ヒャダイン 理想の46分テープ」完成編。

『櫻井・有吉THE夜会』(TBS)に小栗旬&星野源。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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