朝ドラ『エール』88回でついに音楽家の主人公が戦争の現実を「知る」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


真正面から戦争を描いた制作陣の覚悟が素晴らしい

朝ドラ『エール』

戦争編に入って、窪田正孝と二階堂ふみのポテンシャルが改めて、存分に発揮されてきた。今、戦争を描くと、主人公側は当初から戦争に対し疑問に思っている人物にしがちだけど、窪田扮する古山は、音楽家としての無邪気さが勝ち、むしろ積極的に戦意高揚の曲を作り結果的に戦争に協力していく人物として描かれた。

これを今の時代の連続ドラマとして成立させるのはとても難しいことだろう(特に朝ドラのように長いスパンで描く場合、最終的には「反戦」のメッセージを込めて作っていても、途中の段階で判断されてしまうことも少なくないので、主人公側として戦争に対し肯定的な部分がある人物を描くのは難しい)。そのバランスを担ったのが傍らで複雑な心境を表現していた二階堂ふみ。この危ういバランスにあえて立ち向かい、真正面から戦争を描いた制作陣の覚悟が素晴らしい。

そして88回でついに古山は戦争の現実を「知る」。彼の音楽に勇気をもらい戦地に赴き、つい先ほどまで笑ってしゃべっていた兵士たちが銃弾に倒れ、最愛の先生まで失ってしまう。そこで初めて「僕は何も知りませんでした、何も知りませんでした……ごめんなさい、ごめんなさい」と自分の罪の深さを知るのだ。無邪気さから一変し、堕ちていく様を見せるのは窪田正孝の真骨頂。生き残った兵が彼に言う「知らなくていいこともあります」というひと言はあまりにも重かった。ここまでのタメが、これでもかというくらい効いていた。

『有吉の壁』

「なりきりの壁を越えろ!有名人がお忍びで訪れる中華料理店」でトム・ブラウンときつね大津が扮した『MIU404』の破壊力がすごかった。大津による綾野剛が何気に特徴をつかんでいるのも妙に可笑しい。そしてみちおによる星野源のヒドさ! もちろん有吉の判定は「✕」。

「すみません」と謝るみちおに、有吉「『すみません』なんてね、もうずっとですよ! いい加減にしてください。今日だけ『すみません』みたいなこと言いますけど、レギュラーになってずっと『すみません』ですよ!(笑)」。

『さまぁ~ず論』

バカルディ時代、心斎橋筋2丁目劇場にウィークリーゲストとして1週間舞台に上がったことがあるというさまぁ~ず。当時は東西の壁があり、関東の芸人が出てきたら笑わないという風潮があったため、1本目は「東京風」を出さないサラリーマンコントをやったという。「敬語だと東京も大阪も一緒」だからと。この視点は目から鱗。これにより、徐々に受け入れてもらい、最終的には出待ちの人もできるほどウケたそう。

ホリケンもフローレンス時代、関西ローカルの『爆笑BOOING』に出演。観客審査のゴングショー形式だったため「いらっしゃいませ~」と入ってきた瞬間、失格になってしまった。これに激昂したのがキダ・タロー。「なんや君たち、この子たち何もやってへんやろ! なんで客が偉そうに審査員気取りしてるんや!」と一喝。それがきっかけになって番組で関東の芸人が活躍できるようになったという。

今日観たい番組:『ルパンの娘』と『はぐれ刑事三世』がスタート

『ぐるナイ』(日テレ)、太田光ゲストの「ゴチ」後編。

『クセがスゴいネタGP』(フジ)は小沢真珠、どんぐりがチョコプラとコラボネタ。

『浦沢直樹の漫勉neo』(Eテレ)にすぎむらしんいち。

『アメトーーク!』(テレ朝)は、今田耕司&サバンナ高橋&狩野英孝&笑い飯・西田&パンクブーブー黒瀬&FUJIWARA藤本&すゑひろがりず三島で「お肌よわよわ芸人」。今田vs東野幸治も。

『アウト×デラックス』(フジ)に劇場版ゴキゲン帝国Ω。

深田恭子主演『ルパンの娘』(フジ)、原田泰造主演『はぐれ刑事三世』(テレ朝)がスタート。


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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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