中田敦彦の失敗、アメリカザリガニ、吉田尚記、タイムマシーン3号らの挑戦から考えるアバターの可能性

2021.5.4
たまごまごジャーナル

生身の人間がアバターを使うとはどういうことなのか。中田敦彦のアバター活動宣言と撤回は、特にVTuber界の大きな話題となった。アバターを断念した中田、活動をつづける芸能人、それぞれの事情をアバターで活動するライター・たまごまごが考える。

中田敦彦、アバター化の顛末

YouTubeで活動している中田敦彦が、今年の3月12日に「2021年4月から顔出しを引退する」と発表し話題になった。「アバターで活動する」というのだ。
そして4月3日、実際に動くアバターでの動画授業を開始。「すぐ慣れるこの顔に」と発言し、顔を出さずに活動することへの熱意を語った。

https://youtu.be/xz0dLvc6t8w
中田敦彦の一大決心はネタではなく本気だった
アバター化した中田敦彦の動画

そして4月5日、前言撤回動画がアップされた。顔出し引退を辞める、今までどおりやります、とのこと。早い。たった2日の出来事だった。

https://youtu.be/gqgZ2gNIpj4
速攻の撤回の中には、たくさんの気づきがあった

機能型商品ではなくてエンタメ型商品だった

彼が真剣に顔出し引退を考えていたのは、ちゃんとデザイナーに依頼して動くアバターを作っていることからもわかる。しかし「失敗だった」と判断し、即時引き上げることにしたようだ。

アバター化後の動画はすこぶる不評。低評価が多くつき、再生数も半分近くまでがくんと下がった。
撤回のフットワークの軽さは、エンターテイナーとして、またYouTuberとして見事なものだった。ファンの意見を受け止めつつきちんと分析を入れ、一連の出来事自体をエンタメにしてしまった。

本人はアバター化したこと自体は「失敗」とは言っているものの、今回の試みはタレントのアバター化実験としては大いに価値のあるものになった。彼自身アバター化したことで、視聴者の「中田敦彦が観たいというニーズが満たされてない」ということを理解し、自身を「機能型商品ではなくてエンタメ型商品だった」という結論を導き出している。

今回の中田敦彦の手法と、アバター化活動で成功している人の考え方で何が異なるか比較すると、アバター化の意義が見えてくる。
アバターで既存のものを隠すか、アバターで新しい幅を広げるか、の違いだ。

アメリカザリガニの進出

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