若者が好きなブランド第1位は?
突然ですが、みなさんにクイズです。今、若者に好きなブランドを聞いたら、1位に輝くブランドはなんだと思いますか?
正解は……「特になし」なんです。
このトークはどこでお話ししても驚かれるのですが、今の若者はファッションブランドに対するこだわりが薄い傾向にあります。
SHIBUYA109 lab.で行っている日々の若者へのインタビューでも、「今日着てる服はどこのブランドなの?」と聞いても「分からない」とか「マルキュー●階の右側にある店で買った」とか、「ZOZOTOWNで買った(もはやファッションブランドで答えていない)」という回答が返ってきます。
これは珍しい話ではありません。毎月200人の若者と話していても、「このブランドがすごく好きで……」と語ってくれる若者は、ほとんどいません。この現状について、大人からは驚きの声が上がるでしょう。「若いころは学生ローンを組んでファッションにお金をかけていた」という話も聞いたことがありますが、かつては「このブランドの服を着ていること」が一種のステータスになっていて、自分らしさの表現に直結していたことがわかります。しかしこれは、今の若者にはあまりピンとこない感覚です。
若者が注目するファッションテイスト
ブランドに興味がないからといって、おしゃれやトレンドに興味がないわけではありません。今の若者のファッションには、彼らにしか分からない共通言語が多く存在します。近頃ファッショントレンドの中心になっているテイストを、いくつかご紹介します。
#消えそうな色コーデ
全身をベージュや白などの淡い色で統一したかなりシンプルなコーデ。本当に消えてしまいそう。近年若者の間でトレンドになっている韓国風カフェも、シンプルで薄い色味で統一されている内装が最新のトレンド。まさにそんな空間に溶け込めるコーデです。カフェや行く場所の雰囲気に合わせて服装を変えることも楽しみなポイント。
#ピープス女子
原宿系ファッションスタイルを紹介するメディア『PEEPS』が発祥となり、2019年ごろからトレンドになっているファッションテイスト。ダークカラーを中心にクールでトガったスタイルです。
#消えそうな色コーデとは真逆の全身ブラックコーデや、紫やネオンカラーの服にシルバーアクセサリーを付けるスタイルが人気です。インスタグラムなどで展開している若者向けのメディアがファッションテイストを生み出し、若者の間で共通言語になることが増えています。
#量産型・地雷女子
この中で一番ガーリーなファッションテイストで、昨年からメイクも含めマストレンドになっています。「量産型」はピンク、白を基調としたガーリーなファッションで、「地雷女子」はピンク、黒を基調としたガーリーなファッションという絶妙な違いがあります。 「量産」と言うと揶揄しているように聞こえるかもしれませんが、今の若者はひとつのジャンルとして認識しており、「今日は量産の恰好してる!」などと自称することもあります。
#おパリ女子
ここまで紹介してきた中でも最新のトレンドワード。クラシックで大人っぽさ・色っぽさのあるフレンチ・ガーリーテイストです。襟が大きいボリュームのある白ブラウスが注目されています。