「SHIBUYA109」と聞くと、ファッションを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。1990年代後半から2000年代にかけて、SHIBUYA109が中心となって「若者のギャルファッションの聖地」として旋風を起こし、さまざまなトレンドを生み出していました。そして、SHIBUYA109渋谷店で展開されているファッションブランドは「マルキュー系」と呼ばれるなど、当時の若者の熱狂を生み出す場所でした。
当時小学生だった私もSHIBUYA109に憧れていて、母にお願いして渋谷店へ連れて行ってもらい、セシルマクビーで服を買ってもらったり、ショッパーを学校に持って行ったり、ブランドのロゴをクリアファイルにポスカで書いたり……。友達との会話も、「ここのブランドのショッパーがかわいい」とか「このブランドの新作が欲しい」とか、とにかく「マルキュー系」のブランドの話で持ち切りだったのを覚えています。
40周年を機に生まれ変わったSHIBUYA109渋谷店
令和のSHIBUYA109はファッションだけではないし、いわゆる「ギャル」だけの場所ではありません。ターゲットである若者が熱狂するものが細分化・多様化しているこの時代に合わせ、2019年4月、SHIBUYA109渋谷店が40周年を迎えたタイミングで大きく生まれ変わっています。

シンボルでもあるロゴの刷新から始まり、館内には食べ歩きが楽しめる飲食フロア「MOG MOG STAND」ができたり、アイドルからアニメ・マンガまで、幅広いエンタメコンテンツのPOP UP STOREを展開し、若者のヲタ活の場になっていたり、過去のSHIBUYA109にはなかった(結びつかなかった)要素も増えています。
ファッションにおいても「マルキュー系」ブランドのDNAは残しつつ、韓国ファッション、ガーリー系、古着系、スポーティー、大人ガーリーなど、さまざまなテイストのブランドが顔をそろえています。
そんなこともあり、来館している若者の様子は、当時とは少し異なります。
ファッションでいうと、当時は「マルキュー系」の若者が集っていたのに対し、今は制服の女子高生もいれば、ギャルもいるし、古着女子もいるし、量産型・地雷女子も、ピープス女子も、メイク男子も、多種多様な若者が共存しています。
SHIBUYA109渋谷店はいつの時代もカオスな状態ですが、これだけの多様なカテゴリ・ジャンルの店舗が密集している今のSHIBUYA109渋谷店も、令和にアップデートされたカオスみを感じます。
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