若者が好きなブランド第1位は「特になし」——生まれ変わったSHIBUYA109渋谷店とファッショントレンド

2021.3.27


SNSアカウントのようにファッションを使い分け

ファッションブランドにこだわりが薄い今の若者のもうひとつの特徴として、ひとりが複数のファッションテイストを持っていて、その日会う友達や行く場所に合わせて使い分けていることが挙げられます。

「TPOに合わせて」というと当たり前感がありますが、「カフェに行くから消えそうな色コーデにしよう」とか、「明日Aちゃんに会うけど、Aちゃんのファッションテイストに合わせてピープスコーデにしよう」とか、かなりの頻度と振り幅でファッションテイストが変わります。友達と事前に打ち合わせをして遊ぶ日のファッションテイストを決めるという話もよく聞きます。

彼らはSNSもアカウント複数持ちは当たり前で、目的やフォロワーに合わせて使い分けていますが、それと同じ感覚に近いものがあります。 「自分らしさ」を自分で定義せず、周囲の人のフィルターを通して認識しているんです。

ファッションの位置づけが自己表現→コミュニケーションツールに

では、なぜこのような変化が起きているのでしょうか? 一番大きな理由は、若者が大切にしていることが変わったからだと感じています。

SNSネイティブである今の若者は、「自分らしさ」を自分で定義せず、周囲の人のフィルターを通して自分らしさを認識している傾向にあります。「この投稿をすることで、まわりからはどんなふうに自分が映るのか?」常にその感覚を忘れません。

そんな彼らにとってSNSは、一方的に自分を発信する場所ではなく、「今の自分の気分を共有し、共感を生み出すコミュニケーションの場」という位置づけであるため、今、自分がどんな気分で、それに誰が共感してくれるのかが最も重要なのです。

「自分らしさも大事だけど、このアカウントの自分をフォローしてる友達は、これなら共感してくれるかも」
「このアカウントフォローしてる友達には、こう見られたい」

だからSNSのアカウントは使い分けるし、アカウントを複数持って、それぞれのアカウントで異なる気分の表現や共感ができるように、武器をそろえておきたい。ファッションは彼らの思いを叶える武器のひとつで、写真の加工フィルターや、動画に使う音楽みたいなポジションになっているのだと思います。

一方通行な自己表現よりも、相互で生まれるコミュニケーションを重視するようになった若者が、 ファッションの位置づけをコミュニケーションツールのひとつに変えたのだと思います。


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長田麻衣

(おさだ・まい)株式会社SHIBUYA109エンタテイメント マーケティング戦略部 エキスパート SHIBUYA109 lab.所長。総合マーケティング会社にて、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て、2017年に株式会社SHIBUY..

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