激動の2020年を支えた、どんなときでも笑いを届けてくれるラジオの強さ

2020.12.11

コロナ禍でも八面六臂の活躍を見せた、伊集院光

新型コロナウイルスの影響を直積的に受けた番組もある。爆笑問題・田中裕二が新型コロナウイルスに感染して『カーボーイ』を欠席した際には、ウエストランド、アンガールズ、劇団ひとりと並んで、伊集院光も代役として番組に出演。久々にラジオで太田との共演が実現し、話題を呼んだ。

伊集院は対談本の告知のため、同じくJUNKの『山里亮太の不毛な議論』のほか、『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)、『春風亭一之輔 あなたとハッピー!』(ニッポン放送)、『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM)と各局の番組に積極的に出演。

そして『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)では、コロナ禍ゆえにテレビの収録がなくなって暇になっていた大物タレントを続々と招聘し、連日まるでスペシャルウィークのような雰囲気になっていた。さまざまなトークで今まで知らなかった伊集院の一面にたくさん触れることができたのは、ある意味、コロナ禍での予期せぬ出来事といっていいだろう。

『世間とズレちゃうのはしょうがない』養老孟司、伊集院光/PHP研究所

また、『おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ)では、小木博明が腎細胞がんの治療のため、矢作兼が体調不良のため、それぞれ番組を一時的に欠席。両者不在という非常事態も起きたが、ハライチやアルコ&ピース、chelmico、トンツカタンの森本晋太郎が見事に穴を埋めた。

YouTubeラジオ、WEBラジオの躍進

こうして一年を振り返ってみると、どんな緊急事態でもタダでは転ばないラジオの強さを感じずにはいられない。自粛期間のフリートークはよりパーソナルな話題中心になって興味深かったし、リモート収録も今後に活かせる可能性を感じた。お笑いライブが行えないなか、YouTubeやアプリ配信の放送局GERAなどで若手芸人のラジオ番組も増えたが、今後が楽しみな存在だ。

もちろんラジオもほかのメディアと同様に、広告費の減少というシビアな問題に直面している。しかし同時にテレワークなどの影響もあり、リスナーは増加傾向にあり、改めてその存在がフィーチャーされている。まだしばらく新型コロナ問題は気の抜けない状況がつづくだろうが、どんなときでも笑いを届けてくれる芸人ラジオは、タフに世の中を生きていく上での心強い相棒になるだろう。

そして、数年後……。すべての問題が落ち着き、改めて2020年の芸人ラジオを振り返ったときは「コロナ問題に苦しんだ一年」ではなく、「神回連発の楽しかった一年」と思えるようになっているはずだ。


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