コロナ禍による番組制作・劇場公演などの相次ぐストップにより、この数カ月、多くの芸能人が続々とYouTubeに参入している。
それに伴い、“一般人の楽園”だったYouTubeにおけるパワーバランスが決定的に変化している。 ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは「今後多くの中堅YouTuber、新規参入者にとって過酷な状況がやってくるだろう」と、YouTubeの未来を読み解く。
目次
はじめしゃちょーに「詫び」た明石家さんま
ネットを1990年代から使っている人間からすれば「またこの光景か……」と若干複雑な気持ちになるのでは。コロナウイルス感染拡大に伴い芸能人がYouTubeに軒並み参戦していることだ。私のようなネットウォッチャーからすると「また外来魚が猛威を振るい始めたな」と感じるのだ。
そんななか、19日に放送された『さんまのまんま35周年SP』(フジテレビ)で、明石家さんま(64)が、日本トップYouTuberのひとり、はじめしゃちょー(27)に、お詫びをしたというのだ。
その様子をスポニチアネックスはこう表現した。
「ごめんな!あれは素人さんの領域やってん。俺はそう区切ってて、そこへプロが参入したらかわいそうやんか。一生懸命やってきた人が」と頭を下げた。(中略)
はじめしゃちょーは「盛り上がるので嬉しい反面、ちょっとやばいなという気はしますね」といい「僕とかヒカキンさんとかは、自分でいうのもなんですけど地位を確立している人は良くて。中堅とか今から始める人は埋もれるような気がしますね」と複雑な胸中を明かした。
『スポニチアネックス』(「さんま、芸能人のYouTube大量進出をはじめしゃちょーに詫びる『あれは素人さんの領域やってん』」2020年6月19日)
まさにこのやりとりこそ真理を突いているだろう。さんまからすれば「テレビで圧倒的な知名度を獲得した人間が“一般人の楽園”だったYouTubeに大量参戦したことについては申し訳ない」という気持ちになったというわけだ。はじめしゃちょーは余裕の切り返しではあるものの、正直、彼やHIKAKINやフィッシャーズ、シバターやラファエルを含めた超トップクラスに大きな影響はないが、中堅・これから始める人が儲けるのはもうキツいだろう。
「トップクラス」でさえ危うい、YouTuberの過酷な未来
いや、「超トップクラス」ではない「トップクラス」でさえ危うい。トップクラスとは上位0.数%を指すだろうが、この層が得られたであろう視聴時間をごっそり芸能人に持っていかれたのだ。だとすれば、この10年ほどコツコツとYouTubeに動画を投稿していた人たちにとってはたまらない状況ではないだろうか。
私が冒頭で「外来魚」と評したように、琵琶湖の鮒が「とんでもなく強い外来魚のブラックバスとブルーギルにこの湖を荒された」と考えるのは自然なことだ。
しょせん、超マイナー言語である日本語のYouTubeは世界的には弱い。インターネットの理念である「国境を超える」を日本のネットは言語障壁により達成できていない状況に長年置かれており、その小さなパイを日本人同士で奪い合っているのだ。
関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR