「ICOCA作りに行きたいね」かが屋・加賀&放送作家・白武ときおの【エロ自由律俳句|第6回後編】ゲスト:ママタルト檜原


檜原の4句「ママタルトの季節はずっと夏」

【檜原の句①】
南半球にもインスタグラマーがいる

これは意味わかりますか?

そのままかなと思いました。南半球、わかんないですけど温かいイメージがあって、そこにもインスタグラマーがいて……。

僕、毎日ビキニの女性を見るためにインスタグラムをやっているんですけど、ビキニの投稿って夏に増えて、冬は厚着の投稿が増えるんですよね。

研究されてますね。

たまたま冬にサジェストで出てきたオーストラリアのインスタグラマーがビキニの女性で。どんどん見ていくうちに投稿欄がオーストラリアとかブラジルとか南半球のインスタグラマーの投稿でいっぱいになったんです。今はもう僕のインスタグラムは年中ビキニでいっぱいです。

素晴らしいですね。

我ながらドラスティックだと思っています。

ドラスティック?

徹底的で激烈な様です。マリー・アントワネットじゃないんですけど、パンがなければケーキを食べればいいように、日本人がコートを着れば、オーストラリア人の水着を見ればいいじゃないと。 

全然マリー・アントワネットではないです。

檜原のインスタグラムは、一季なんだ。

はい。 

ママタルトさんはふたり共一季なんですね。

ふたり共ずっと夏です。

【檜原の句②】
緊急停止するならこのエレベーターがいい

エレベーターが緊急停止して閉じ込められたみたいなニュースがあるじゃないですか。

あれ、本当にあるんですかね。すごい状況ですよ。

僕この前とてつもなくうんちが漏れそうなエレベーターがあったんですけど、そこにすごいキレイな女性社員の方が乗ってきて。もしこのエレベーターが緊急停止したら僕は3分後にそのまま脱糞してしまうんだろうな、どうか今は絶対に緊急停止しないでほしいと思ったんです。

緊急停止しないでほしい、と思ったんですか?

初めはそうなんです。でも逆に僕の便意がなくて、緊急停止するならこのエレベーターがいいとも思って。

緊急停止しないでほしいというところから始まったのに、なるほど。

もともと「いつか自分の身に緊急停止するエレベーターに乗るということが、絶対に起こる人生であるなら」っていう前フリがあって、カットしたんですね。僕の長い人生の中で緊急停止のエレベーターに遭遇することがどこかで起こり得るのだとするのなら「私は今回のエレベーターでお願いします!」と神様に名乗り出たくなるような、そんなエレベーターが世の中にあればいいですね。

【檜原の句③】
湯婆婆がボディにも言う

これ、本当は3行ぐらいあったんですけど、11文字にまとめたんです。

どういう意味でしょう?

……贅沢?

そうです! 湯婆婆は千尋に「千尋、贅沢な名前だね。お前の名前は千だよ」って言いましたけど、もし僕が湯婆婆で、そこにグラマラスな女性がいたとしたら僕はあなたの名前だけでなくそのボディにも「贅沢なボディだね」と言ってしまうだろうという、ボディの褒め方のひとつですね。

グラマラスの褒め言葉に湯婆婆が出てくるとは! 素晴らしい!

もし僕が湯婆婆だとしたら、あなたからは名前だけでなく豊満なボディも取り上げてしまうことだろう。

ことだろう(笑)。

それくらい贅沢なボディですねという、褒め言葉です。

【檜原の句④】
生身で突撃するとあざができそうなのれんだ

これは意味わかります(笑)。

ラブホテルの駐車場って入口に足拭きマットみたいなのれんがあるじゃないですか。入るときにべとんべとんべとんべとんって音がするゴム製ののれん。昔、原付でラブホテルに行ったことがあって、入るときにあんまり減速しなかったからパンって鼻を打って。

痛みを感じてそのまま(笑)。

ああ、ラブホテルっていうのは急いで入るもんじゃないなと思いました。

ガードがないと。

そう、ガードがない状態で入るもんじゃない。

まあでもそれくらい急いで行きたい場所ですもんね。

エッチではないけど、エロにまつわる自由律俳句っていうのがいいですね。

ラブホテルに入る前にはいったん心を落ち着かせて冷静に物事を見たほうがいいっていう句ですね。あんまり事を急いてダッシュで入ってしまうと、のれんで鼻を打って。

仕損じてしまう。

互いの句を噛み締め合う白武と檜原(ママタルト)

当句会の星野源・白武の5句

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