「ICOCA作りに行きたいね」かが屋・加賀&放送作家・白武ときおの【エロ自由律俳句|第6回後編】ゲスト:ママタルト檜原



読者投稿からの5選

読者の方からいただいた投稿句から我々が5句選ばせていただきました。

すごく素敵なものが多かったですね。

上着が擦れる距離でいい(PN:朝が弱いパン屋)

僕はこれにすごく感動しまして。即座に、もっと近づいてしまうんだろうなと思わされました。不倫的なものの匂いもするというか。

はいはい。

近づき過ぎてしまったことへの背徳感。上着が擦れる距離でいいと思ってるんですけど、このあとには上着以上の、肌と肌を重ねるのではないかというような連想をさせられる。文字どおりではけっして興奮することはないんですが、そこにエロ自由律俳句という眼鏡があることによって、もっと何か背景があるんじゃないかと思わせられる素晴らしい句だと思います。

昼撮ってた花より赤い耳の色(PN:しろむく)

昼にお花を撮ったんでしょうね。お昼は花のほうが赤かったんですよ。耳よりも。それが時が経つにつれ、耳のほうが、さっきの花よりも赤くなって。椿とかバラとか赤黒い花を撮ってたとしたらエロいなと。

珪藻土マットに残された足跡をじっと見る(PN:まるい白)

珪藻土マットの足跡って今見とかなきゃ消えちゃうんだっていうタイムリミットがありますよね。そこに着目したのがいいなと。

この目線をもらっちゃうとこっから自分の家でも足跡見ちゃいますもんね。

そうやって見過ごされがちなエッチな切り口とか着眼点をいかに見つけていくかっていう勝負ですからね。

今すごい顔がかっこよかったですよ。エッチな着眼点の話してるとは思えない。

リンスをお腹にかけてみる(PN:ファンネームだけは名乗りたくない)

ちょっと語が強いのでびっくりはしちゃいましたけど。女性目線の句なんですねこれ確か。

そうです。今回の投稿はひとりを除いて全員女性でした。

男側にはない発想なので、どんな感じなんだろうって考えたんですよね。遊び心というか、たぶんそこまでエッチな気分ではないんですよ。これをやってるときは絶対にひとりだし、お風呂だし裸だし。少しだけ体が反っているということもわかる。二重あごになるような、その首の向きで確認するということまでわかって。

確かに画が浮かびますね。

一撃で情景を浮かばせられるというのはいい句の条件ですよね。

振られたら飲みに行こうと言ってみた(PN:かけきくけこかこ)

この檜原さんの言い方読んでる人にちゃんと伝えたいなあ(笑)。

『街の上で』っていう映画に似たシーンがあったんです。映画では「振られたら付き合ってよ」って迫るシーンなんですけど。主人公はそのシーンだけ見て、次のシーンではそのふたりが手つないでたんです。1週間とかひと月ぐらいの話だと思うんですけど、意外に人の心というのは簡単に移ろいやすいものなんですよっていうことをパンパンと提示されたような感じがあって。振られたらっていう一番距離の遠いところから飲みに行くところまで、意外に距離が遠いようで実はワンステップなんですよね。

まるでその檜原さんが考えたみたいな説明ですね。そう本当にそのとおりな気がします。

振られたら飲みに行こうって縁起の悪いことじゃないですか。受験に落ちたら僕と一緒の予備校行こうみたいな。

なんか嫌な言い方ですしね。

なかなかこんなこと言えないですよね。

確かに、言ったことはないですね。

これはけっこう人を選びます。

正直者ではありますけどね。

ゲストを交えての感想戦

檜原の句はファンタジーもありながら、童貞マインドが強い界隈に対する観察眼が素晴らしかったですね。

ゲストに来てもらうと、読む人によってそれぞれの流派があるのがわかっておもしろいです。

実際詠んでみて、我々のと違うなっていう感覚はありましたか?

根本は似てるんですけど、恥じらいのラインが違う気がしました。

ストーリーと連想を感じますよね、檜原さんの句は。

もともと全体的にすごい長かったんですよ。無意識に57577にしてしまってるのも半分ぐらいあって。要素を減らしていく作業が楽しかったですね。

僕も昨日ZAZYさんとお酒を飲みながらエロ自由律俳句をギュッとする作業をしてました。ZAZYさんがこんなんどうやろうって言って、「もうあとひと言短かったらいいですけどね」とか言いながら日本酒を飲んでいました。

ご飯の会にまでエロ自由律俳句が。ジュニアさんが飲み会で大喜利されてるみたいな。

僕もびっくりしました。気付いたら「あ、僕もお笑い芸人だ」って。もしかしたら檜原さんとZAZYさんのルームシェアの家でふたりでもやれるかもしれないですね。

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【連載】エロ自由律俳句
お笑いコンビ・かが屋の加賀翔と放送作家の白武ときお。お互いに自由律俳句が好きで、詠んだ句をLINEで送り合う仲であるふたりが、「エロ」をテーマにした自由律俳句の連載。


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福田 駿

(ふくだ・しゅん)1994年生まれ。『クイック・ジャパン』編集部、ほか『芸人雑誌』編集も担当。

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