「佐久間さん、“おもしろい”ってなんですか?」佐久間宣行×テニスコート神谷×ダウ90000蓮見

2022.5.14


「おもしろい」は一番伝えるのが難しい

─少し余談もありましたが、今回いろいろと話を聞いてみて、神谷さんとして道は切り開けましたか?

神谷 本当に、みんながこれだけ考えて戦略を立ててるのに、なんで僕はいい歳して気づいてなかったんだろうって不安になりました。でもだからこそ、画餅はなんかおもしろいぞと思ってもらえるように、今日の意見を参考にさせてもらいます。

佐久間 俺は「おもしろさ」が、一番伝えるの難しいなと思ってて。だから、基本的にはおもしろさは伝わらないものとして、しっかり宣伝しないとダメだよ。あの『M-1グランプリ』で優勝したって、半分くらいの人は「あいつらつまんねえじゃん」とか言うじゃん。めちゃくちゃおもしろいのに。

神谷 あー、「何がいいの?」とか言いますよね。

佐久間 そうそう。結局「つまらない」は言いやすいのよ。「おもしろい」が一番伝わらないっていうのはそういう意味。「おもしろい」には力があるけど、不安定だから。「おもしろい」に辿り着かせるには、けっこういろいろな準備をしておかないとすぐに「つまんない」っていう人たちが出てきて、観に行かない理由とかを組み立てられたりするからね。

神谷圭介(テニスコート)
神谷圭介(かみや・けいすけ)7月30日、千葉県出身。コントユニット・テニスコートのメンバー。演劇やコントの出演・演出・脚本だけでなく、構成作家やイラストレーターなど、活躍の場は多岐にわたる

神谷 確かになあ。今回、画餅をやってみて気づいたことがあって。なんか、別に演劇で90分やらなくてもいいかと思って、短編集のような世界観で作ってみたんです。このスタイルで、ひとつずつクオリティを上げた短編をつづけていけるなら、楽しいなって。

佐久間 あ、それはめちゃくちゃいいと思う。

神谷 でもその入口をどう広げていこうかなあ。

佐久間 まあ、でも一番の問題は、テニスコートはおもしろいのにジャンルがなんだかわからないことじゃないかな(笑)。

神谷 僕の中では、テニスコートはテニスコートだと思ってて。あれで売れたいというよりは、芸術活動になってしまったような。だからこそ、画餅では個人としていろいろやっていきたいんですよね。

蓮見 なんか、ちょっと思ったんですけど、「表現したい人」として見られると、売れにくいんじゃないかなと思うんですよね。画餅のフライヤーって、めちゃくちゃいいんですけど、「売れたい人」には見えなかったというか。きっと、お客さんは「何かを伝えたい人の作品を観に行く場所なんだな」と思って行く。僕にとっては、演劇全体のイメージがそれです。

佐久間 それはあるかもしれないな。だから、この人は「メッセージを伝えたいんだな」って思われると。

神谷 ちょっと敷居を高く感じてしまう。

蓮見 ダウ90000は若いので、普通に公演打ったら「明るく楽しくやります!」みたいになるんですけど、神谷さんぐらいの年代だともう絶対に表現しに来てる人たちだと思われると思うんで、そこは難しいかもしれないですね。

神谷 もっとライトな入口の作り方ってことですよね。

佐久間 それかもうどっちかよ。楽しいほうにするか、神谷くんがロックスターになるか。

神谷 ロックスター?

佐久間 いや、ごめん。ロックスターっていうたとえをしちゃったけど(笑)。つまりは、チームを背負って、自分が矢面に立って活動するってこと。蓮見くんは、そういう部分も自覚的にやってると思うんだよね。根本宗子さんとかもそうで。

お客さんを連れてくるっていうときには、やっぱり誰かがランドマークとして腹をくくって、ロックスターみたいにならないと、新規の客は呼び込みにくいと思う。

神谷 なるほど。その覚悟が必要なんですね。

佐久間 ただ、その覚悟を持つのはちょっと怖いよね。

神谷 怖いです。でも、画餅を始めたときに、それはやろうと思ってました。だから……よし、僕はロックスターになるぞ。


この記事の画像(全4枚)



  • 「画餅」第一回公演『サムバディ』特別編集作品

    「画餅」第一回公演『サムバディ』特別編集作品

    テニスコート神谷圭介ソロプロジェクト「画餅」第一回公演『サムバディ』特別編集作品。画餅(えもち)とは、「絵に描いた餅」を漢字2文字にした言葉です。今作の『サムバディ』は、新作のショートストーリー3編で構成した公演です。
     
    <配信期間>
    5月13日(金)19:00~6月17日(金)23:59
    ※視聴チケットの販売は6月3日(金)23:59までとなります。
    ※上記配信期間中、お好きなタイミングでログイン後14日間(336時間)ご視聴いただけます。
    <視聴料金>
    1,500円(税込)
    <出演>
    浅野千鶴/生実慧/神谷圭介/つかさ/名古屋愛/八木光太郎
     

    関連リンク


この記事が掲載されているカテゴリ

Written by

早川大輝

(はやかわ・だいき)92年生まれ。WEB系編集プロダクションを経て、フリーの編集者/ライターとして独立。生粋のテレビドラマっ子であり、メモ魔。インタビュー記事の企画と編集、たまに執筆をしています。

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。