「板橋ハウス」はそれぞれが売れていく交差点──「叶うならば、全員で賞レースの決勝へ」
お笑い芸人3人でルームシェアをしながら、TikTokやYouTubeに動画をアップしている「板橋ハウス」。その動画をついつい観てしまうのは、吉野・住岡・竹内それぞれに底抜けの明るさとクラスのおもしろい男子たち感と、もちろん芸人としての鍛えられたお笑い筋があるからだ。彼らがいったいどんな人たちで何を目指しているのか聞いてみた。
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「芸人を名乗ってもいいことない」板橋ハウス、TikTokでの正攻法と吉本5年目のリアル
かまってちゃん、フィニッシャー、マスコットからなる
──板橋ハウスの中での3人のポジション、役割についてそれぞれどう捉えているかお聞きしたいです。
吉野 僕は……かまってちゃんだと思います。
住岡 そうだと思います。
──そうなんですね。率先して動画を撮ろうと言うのは吉野さんのようですね。
吉野 そういう雰囲気は出してますね。照れちゃってあんまり言えないですけど。
──それも含めてかまってちゃん。
吉野 そうですね、人に言ってほしい……。
竹内 僕は「フィニッシャー」ですかね。
一同 (笑)。
住岡 そんなつもりやったんや。
竹内 まぁでも、ツッコミですかね。
吉野 ツッコミというか防御。
竹内 そうですね。
吉野 家の中でボケとかツッコミって言うのは恥ずかしいんで、攻撃側(ボケ)と防御側(ツッコミ)って呼んでます。
竹内 ディフェンダーのフィニッシャーでお願いします。
住岡 僕はただぜんぶ乗っかるって感じです。
吉野 全乗り。
竹内 あとマスコットですね。
吉野 正直、住岡はマスコットです。
住岡 そうやったんや。
竹内 華があるんで。
吉野 一気に画面がデフォルメされるんでありがたいです。
住岡 じゃあ、マスコットで。
健康警察がバズる日はくるのか
──どんな動画がバズるとか、ある程度予測はできてきてますか。
吉野 まったくわからないです。「これが伸びるん?」っていう動画が多くて。
竹内 住岡を女の子扱いする動画とかね。
吉野 そう! バズるとは思わなかった。
住岡 わけわかんないです。
竹内 やっぱりマスコットなんで。
吉野 今のところずっと“バズる”と思ってつづけてる「実録!健康警察」っていう企画があって。竹内が健康とか美容とかが大好きなんですけど、それが行き過ぎて怖いから取り締まるっていう。警察が家宅捜索をして健康なものを押収していく動画なんですけど、これはずっとスベりつづけてます。
竹内 これだけYouTubeプレミア公開してアップしてるのに。
吉野 猛プッシュしてるんですけどね。
──竹内さんの健康オタクは気になります。
竹内 もともと肌がずっと汚くて、それを外側と内側から変えようって。
住岡 最初は肌やったんや。
竹内 始めてから8年くらいです。一時期はおかゆだけ食べてる時期もありました。
吉野 ネットに書かれてる健康法はひと通りやったんじゃない?
竹内 ぜんぶやりましたね、この世のやつは。
──豆乳に青汁入れて飲んでる動画とか、意味わからなかったです(笑)。
竹内 いや、健康によくなるんですよ、倍で!
一同 (笑)
吉野 竹内は健康志向し過ぎてて、最初こそ肌とかのためでしたけど今は健康そのものに幸せを覚えてるんです。ご飯食べても、おいしいとかじゃなくて「健康!」って感じるらしいです。
竹内 甘味とか旨味とかの中に「健康」が入ってる感覚です。
住岡 竹内、昨日の晩御飯はゼリー3つでした(笑)。
吉野 ゼリー食べたあとに冷蔵庫の前で1時間くらいうろうろして我慢してて、足りてないやんって(笑)。
承認欲求は止まらない
──劇場でもお客さんが増えてきている実感はありますか。
吉野 TikTokを始める前と比べたら断然。
竹内 3組が一緒に出たりするときは満席になったり。
吉野 ありがたいです。基本的に僕はかまってちゃんなんで、観てもらうことの喜びがすご過ぎて。板橋ハウスを始める前とかもツイッターで毎日おもしろいことをつぶやこうとがんばったりしてたんですけど、4いいねとか。それを1年くらいつづけて壊れそうになってたんです。
──厳しい。
吉野 今はなんか言ったら以前よりも多くの人が反応してくれるっていう状況が温か過ぎて、これがなくなることへの恐怖が活動の原動力になってます。
住岡 吉野はツイッターで反応してもらえるのがうれし過ぎて、アカウント25個くらいあるもんな。
吉野 いや、盛り過ぎ。8個です。
──多い(笑)。
竹内 前より1個増えてるやん!
吉野 本アカウントとサブアカウントとゲームアカウントと赤ちゃんのいいところを言うアカウントと赤ちゃんのいいところを言って泣くっていうアカウントと……(略)。
住岡 そんなにあるんや。
竹内 怖。
吉野 楽しいですね。2時間くらい暇な時間ができたら焦ってアカウント作っちゃいます。
ホームビデオみたいな感じで
──TikTokを始めたころに比べて、動画を作る上で意識の変化とかはありますか。
吉野 最初よりはいろんなことをやりやすくなったなって思います。一発目から「健康警察」とかやっても無視されちゃうと思うけど、今だったらそれを許してくれる人もいるんで。前よりやれることが増えましたね。もうちょっと登録者増やしたいのでもっと観てもらえる動画を作りたいんですけど、奇をてらったものを上げてスベる怖さもあるんで。コラボも苦手そうだし。
竹内 モーニングルーティンとか、いわゆるYouTube的なことはできないですよね。ホームビデオみたいな感じでずっといけたらいいなって思います。
吉野 チーズタッカルビ作るとか、できなさそう。
──この部屋は引っ越すことはないんですか?
竹内 引っ越さないですね。露骨に部屋が広くなるとやらしくなっちゃうし。
吉野 そもそも3人で住める部屋があんまりないんでちょうどいいんですよ。
それぞれが売れていく交差点
──2年後とか3年後とか、どういうふうに考えてますか。
竹内 芸人の活動としてはどんどんテレビに出たいです。僕はテレビにたくさん出るのが目標です。
吉野 今よりもうちょっと芸人として認知されたいっていう思いはありますね。
住岡 確かに。
吉野 理想を言えば、芸人としてそれぞれがテレビにバンバン出て、週1くらいで板橋ハウスの動画を撮るくらいがいい。それぞれがちゃんと売れてて、辿っていったら実はルームシェアやってるんだってわかってYouTubeを観にきてくれる人がいたらうれしいです。
──かっこいい。
吉野 それがかっこいいですよね。
住岡 俺も一緒ですね。芸人としてもっとがんばりたいなって思います。
──それぞれに賞レースで上に行くことを目指されてると思いますが、切磋琢磨してる感じでしょうか。
竹内 あからさまに上に行き過ぎると「おい」って思いますけどね。
吉野 それはありますね。去年は住岡のコンビ「軟水」だけ『キングオブコント』も『M-1グランプリ』も準々決勝まで行って。普通に引いちゃいました。
住岡 気まずかったです……。
吉野 そもそも僕が『M-1』の2回戦で落ちて、竹内と住岡がそれぞれ3回戦に進んだときに「一引き」。その次に軟水が準々決勝に行って「ドン引き」。準決勝まで行ってたらさすがに気まずかったです。
──全員で行くのが理想的ですね……。
吉野 そうですね、欲を言えば(笑)。それが叶うなら全員で決勝行きたいですね。
住岡 早く追いついてほしいですね。
一同 (笑)
竹内 煽られてるねぇ。
吉野 絶対、倒します。
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