峯田和伸、人生を都合よく表現できる“SNS社会”に問う。「世界と個人の距離が変わってきた」

2021.7.10

些細なことを、発信するか、しないかってだけ

峯田和伸

──今、パッと思いつく「こんなこと物語にはならないんじゃないか」という、峯田さんの最近のしょうもないエピソードを聞きたいです。

私生活、本当に地味ですよ。今お店が早く閉まるから外食できないので、出前館になるんですね。出前館は量が多いので、ちょっと体重も増えてしまい……そういう毎日ですよ? だいたいコンビニとか……。あ、最近、セブン-イレブンってレジに人はいるんですけど、画面タッチで精算になりましたね。僕、クレジットカードを持ってないので……映画もいまだにブルーレイ買って観てますよ。全部現金で。

峯田和伸

──そういった「物語にならないお話」として今話してくださったエピソードも、積み重なっていけば物語になるだろうとも思います。

これは、芸能人だから、一般人だからとかでもない、どちらも等しくそういう些細なものはある。それを発信するか、しないかってだけですよね。

──今回お話を聞けて、作品へのちょっとした警戒心がなくなりました。リリースコメントだけで読み取ると「人ひとりいても物語って存在しないのかな」と、舞台を観るのが、正直少し怖いなと感じていたんです。峯田さんの楽曲は「自分の人生に物語がない」と思ってしまいがちな方に突き刺さるものが多いと感じています。なので、もしそういうストーリーなのだとしたら、銀杏BOYZのファンは、峯田さんがそれを演じてしまったら、感情の逃げ道がなくなってしまうなと。

そういう作品だったら、たぶん僕出てないです。ちょっと説明するのは難しいんですけど、物語はたぶん、成立はしてるんです。その中で、物語じゃないんじゃないかなという視点がある。タイトルは『物語なき、この世界。』になってますけど、最後まで観ていただけると、あぁ、こういうことなのかなってわかるものになってると思うんで、僕はそこ心配してないです。演劇ってこういうものなんだってちゃんと観れるものになってるんで、大丈夫ですよ。楽しめると思います。

峯田和伸

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  • 物語なき、この世界

    COCOON PRODUCTION 2021『物語なき、この世界。』

    作・演:三浦大輔
    出演:岡田将生、峯田和伸、柄本時生、内田理央、宮崎吐夢、米村亮太朗、星田英利、寺島しのぶ、増澤璃凜子、仁科咲姫、日高ボブ美、有希

    【東京公演】
    2021年7月11日(日)~8月3日(火)
    会場:Bunkamuraシアターコクーン

    【京都公演】
    2021年8月7日(土)~8月11日(水)
    会場:京都劇場

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