スラッシュパイル・片山勝三は、なぜ「劇場へ行く」ことにこだわるのか?「配信全盛期」でも変わらない劇場の魅力

2021.6.26

劇場は「同じ時間と空間を共有する体験」を買いに行く場所

——生で観るお笑いライブの魅力はどういうところだと思いますか?

片山 お笑いそのものを生で楽しむと同時に、劇場はやっぱり「同じ時間と空間を共有する体験」を買いに行く場所なのかなと思うんですよね。

——その魅力はやはり行ってみないとわからないというところがありますよね。

片山 そうですね、行ってみないとわからないと思います。劇場の、あの分厚く重たい扉を開けて、中に入ってライブを観るというのは、非日常の別世界に入ったという感覚があると思うんですよ。そういうことも含めてライブは体験型エンタテインメントです。

片山勝三

——芸人のネタはテレビやYouTubeの動画でも観られるじゃないですか。でも、ライブに足を運んで生でそれを観るというのは、やっぱり格別のものがありますよね。

片山 実際に芸人の生の声を聞いたり、大きなマイクの音で声の振動が内臓に来たりして、「お笑いを体感する」ということができるのが劇場の最大の魅力かなと思います。あと、スマホの電源を切ったりもしますし、そうやって集中できることって日常の中では意外とないじゃないですか。その没入感もすごく大事だなと思うんですよね。

SNSとかでもいろいろな意見が飛び交っていて、いろいろな人に気を遣わないといけない世の中で、劇場だけはすべてが許される場所みたいな感じがあって。そこですべてのことが完結していて、正直になれるという魅力もあります。お客さんもそうですし、演者にとっても劇場の中だけの絶対的な正義がある。それはすごく大事なことだと思いますね。

——記録に残らないからこそ、ちょっと踏み込んだことを言ったりするのも許されるようなところがある、ということですよね。

片山 配信がないからゴシップやタブーが言えるとか、そういうことではなく、心のガードを剥がすことができるというのはあると思います。どうしてもお笑いって人を傷つけたりする側面もあるじゃないですか。テレビだったら一回飲み込まなくちゃいけないようなことを、劇場だったら笑いを取るためという覚悟の代償としてサッと言えて、お客さんもそれをちゃんと理解して笑ってくれる。そこで変な意識をしなくていいというのが劇場の大事な役割じゃないのかなと思っています。

片山勝三

——ここ数年でそういう世間の空気もより厳しくなってきているような感じがしますよね。

片山 そうですね。僕はもっと厳しくなると思っています。そうなればなるほど、劇場というのが芸人にとってもお客さんにとっても大事な場所になってくるんだろうなと思います。

本記事の画像ギャラリーでは、スラッシュパイルによる取り組み「劇場にいつ行こう。」の全ポスタービジュアルを公開!

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