同じ放送をもう一回流しても、誰も気づかない?
──2002年から『キョートリアル!』として毎週のレギュラー番組になります。そのときの心境は?
徳井 正直、仕事も徐々に増えてきていたので、なるべくしてなったっていう感じではありましたね。
福田 『金曜ナマチュー』の時は、アシスタントで女性がひとりついていたんですよ。だから、彼女が笑ってたらこっちも安心できてたんですけど、『キョートリアル!』でふたりきりになってから、果たしてこの話はおもろいのかな?って何が何やらわからない状況でしたね。今ほどディレクターさんも笑ってなかったんじゃないかな(笑)。
──話す内容は事前に考えたりするんですか?
徳井 いや、まったく(笑)。一応、第1回目からつづくシステムとして、「どうも徳井です。お祭りに行ってきました」みたいなことを吹き込んだ留守番電話から始まるんです。それを受けてオープニングトークするという流れなんですけど、実は留守番電話の部分は本編を収録したあとに入れるんです。だから、けっこうな頻度でオープニング始まってしゃべり出しても、まだ何をしゃべろうか決めてなくて、ギリギリで絞り出すみたいなことがあるんです。
──スゴい。ネタ帳とかもないんですか?
徳井 何もない。覚えてもないし、平気で前に言ったことを言ってますし。どっちかが途中で気づくんですけど、もうそのまま行く(笑)。
福田 なんとなく、前聴いたことあるなあって。
徳井 極論、同じ放送をもう一回流しても誰も気づかないんちゃうかなって(笑)。
福田 確かに放送終わった5分後にリスナーに「どんな内容やった?」って聞いても10人が10人答えられへんと思う。なんかしゃべってたのは聴いてたけど、内容は覚えてないって(笑)。
──印象に残っている回は?
福田 頻繁にどっちかが来ないっていうのがあるんです(笑)。互いの仕事の都合で、とりあえず来るまでひとりでつなぎましょうってなるんですけど、これを生でやってれば聴いてるリスナーからダイレクトな反応があると思うんですけど、収録なんで反応もないからえげつない空気ですよ。作家もいないから誰も笑わへん。
徳井 ちょっとした名物みたいになってましたね。
福田 最初のころは「謝ってください」「次、罰ゲームでなんかやりましょう」とかメールも来てましたけど、途中からもはや何も反応がない(笑)。
徳井 リスナーも、ちょっとレア感があってお祭り状態になるはずが、もうそれに飽きるっていう(笑)。
──公開収録もされてますね?
徳井 最近はなかなかできてないですけど、けっこう盛んにやってる時期もありましたね。
福田 KBS京都のホールで600人近く集まって、こんな来るんや!と思った記憶があります。
徳井 でもその600人の中で「『キョートリアル!』を聴いてくれてる人?」って聞いたら3割くらいしか手を挙げない。どうやって来れたんや?って(笑)。
福田 リスナーに喜んでもらおうと思って作った『キョートリアル!』のボックスティッシュも大量に売れ残るっていう(笑)。わけがわからない。
綱渡りの延命ラジオ。常にスポンサー様を募集している
──番組終了の危機はあったんですか?
徳井 めちゃくちゃあります。単純にスポンサーが見つからない。京都の女子大学(華頂短期大学)にギリギリでついてもらったり、福田の知り合いのバイク店(motosp@ce T2)の店長がついてくれたりの、綱渡り。
福田 谷店長。あそこのバイク屋も潰れかけてますからね(笑)。
徳井 さっき収録終わりに、福田さんがディレクターに『クイック・ジャパン ウェブ』さんの記事で何か伝えておきたいことある?って聞いたら、「スポンサー様を募集しておいてくれ」って(笑)。これガチなんです。
福田 そんなことあります? 番組の魅力を伝えるっていうのはわかりますけど、スポンサーを探してきてくださいって。過去、ディレクターが3人変わったんですけど、直接「お金がないので終わりそうです」って何回もマネージャーを通さず直で言われてます。最初のころはギリギリ、『M-1』優勝でなんとか延命できた。
──その『M-1』優勝が2006年ですが、リスナーの反応はいかがでしたか?
福田 「おめでとう」っていうのがスゴかった気がするんですけど、正直今までやったことがない仕事が一気に舞い込み過ぎて、そのときのラジオの記憶がほぼないんです(笑)。『キョートリアル!』どころの騒ぎじゃなかった。
徳井 僕もあのころの記録がないんですよねえ。
福田 それまで地道に応援してくれてた『キョートリアル!』のリスナーに砂かけるような行為ですけど(笑)。
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