「ハッピーになりたい男子たち、V字回復をねらう」というコンセプトと共に、2020年1月にデビューを果たした“サンリオ初”の男のコによるキャラクターユニット「はぴだんぶい」。メンバーはポチャッコ、タキシードサム、けろけろけろっぴ、バッドばつ丸、ハンギョドン、あひるのペックルと、80年代から90年代にかけて絶大な人気を誇った男のコのキャラクターたちだ。
そんなサンリオを代表する男のコたちが、2020年に再び表舞台に打って出ることになった理由とは──。「はぴだんぶい」の企画立ち上げを担当したマーケティング本部の飯塚優芽さんに話を伺った。
「男性向けに」とは意識していなかった
──「はぴだんぶい」はサンリオ初のキャラクターユニット、それも男のコのキャラクターにフォーカスしたものですが、どのような経緯で結成されたのか伺いたいです。
サンリオ 2016年ころに、80年代から90年代にかけて人気だったポチャッコやタキシードサムといったキャラクターたちが再度注目され始めたんです。

それも、子供のころに親しんだ世代だけではなく、当時を知らない高校生や大学生くらいの皆さんが支持してくださったんですね。“逆にレトロでかわいい”みたいな感じで。それを受けて、再注目されてきている子たちでユニットを組もう、というのがそもそもの始まりです。
──少し上の世代のキャラクターが再評価される流れが来ていたと。
サンリオ そうですね。せっかく当時を知らない若いファンがつき始めているキャラクターたちなので、“懐かしい”という切り口ではなく新しいファンの方々に向けて届けていくために、新たなプロジェクトとして立ち上げることになりました。
──ということは、純粋にマーケットからのニーズに応えて生まれたプロジェクトだったんですね。肩身の狭い思いをしがちなかわいいもの好きの男性にも推しやすいようにといった配慮があるのかなと思ったんですが。
サンリオ そういったお声をいただくことはあるんですが、実はその点については明確に意図したわけじゃなかったんですよ。
──そうなんですね。
サンリオ 「はぴだんぶい」のキャラクターたちはデビュー当時、一世を風靡したことがある子たちです。ポチャッコはキャラクター大賞で1位になったことだってあります。でもそのあと、シナモロールやポムポムプリンなど新しいキャラがどんどん出てきて、自分にスポットライトが当たらない、下積みの時期をそれなりに長い期間経験しているんですね。


でもそこでくじけずに自分らしさを大切にしてずっとがんばってきたからこそ、再び注目を集め始めています。それを「大丈夫!君は君のままで、きっとうまくいく」というメッセージで体現しているんです。「かわいいもの好きの男性」を想定していたわけではありませんでしたが、「自分は今のままでいいのか」「最近もやもやするな」といった悩みや不安を抱える人に向けてハッピーを届けたい、という思いで活動してきたので、「自分はかわいいもの好きでいていいんだ」と思ってくれたらそれはとってもうれしいです。
──サンリオとしてはごくごく当たり前に持っていたスタンスが、特定の層に響いたということだったんですね。
サンリオ あと、担当者である私自身が「大丈夫!君は君のままで、きっとうまくいく」と言ってもらいたかった、というのもあります(笑)。
──ちなみに、「はぴだんぶい」に参加していない男のコのキャラクターもいますよね。どういった基準でメンバーが決められたんでしょうか? たとえば、おさるのもんきち、いないんだな……と思いました。

サンリオ メンバーはプロジェクト発足時に人気が上がってきていた6キャラクターを選んだんですよ。なんですが、おっしゃるように「はぴだんぶい」の露出が増えるにつれて「なんでもんきちがいないの?」「たあ坊は?」といったお声をいただくようになってきているんです。
「はぴだんぶい」が注目を集めていくことで、選ばれなかったほかのキャラクターたちも相乗効果で注目してもらう機会が増えていったらいいなと思っています。
──男の子人気が高かったものだと、ほかにもザ ラナバウツやウィアーダイナソアーズなどがありますね。実際に「はぴだんぶい」が始まってから、各キャラクターの人気は上がってきているんでしょうか?


サンリオ 一番わかりやすく結果が出たのは、毎年恒例のサンリオキャラクター大賞ですね。今年が「はぴだんぶい」として活動を開始して初めて迎えたキャラクター大賞だったのですが、獲得した票数は「はぴだんぶい」メンバー合算で昨年比20%アップ。中でもポチャッコは24年ぶりのトップ3入りでした!
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