King Gnu井口理と新鋭・内山拓也が語る“つづける”ということ。「ひたすら向き合う」その先に見えてくる風景

2020.11.26

文=天野史彬 写真=山口こすも
編集=森田真規
ヘアメイク(井口理)=木村一真


King Gnu「The hole」のミュージックビデオを手がけ、23歳のときに制作した初監督作『ヴァニタス』がPFFアワード2016を受賞するなど、弱冠28歳ながら着実に実績を重ねて注目を集めている映像作家の内山拓也。

『his』などの藤原季節を主演に迎えた内山監督の最新作『佐々木、イン、マイマイン』が11月27日に封切られる。カリスマ的な存在「佐々木」をめぐる“青春映画”ともいえる本作には、まだ何者にもなれていない20代の若者たちが登場し、劇中では“つづけること”の大事さがたびたび語られている。

そこで今回、『佐々木、イン、マイマイン』に俳優として出演しているKing Gnuの井口理と内山監督に、“つづける”をテーマに話を聞いた。

「息の出し方」に魅力を感じた

――今回、内山監督が映画『佐々木、イン、マイマイン』に井口さんをキャスティングされたのは、どのような経緯があったのでしょうか?

内山 そもそもは、理が個人的にオーディションに応募してきてくれたところから始まっているんです。

井口 ウェブで募集しているのを見て応募したんです。ウッチーはKing Gnuの「The hole」という曲のMVも撮ってくれているんですけど、描くものがすごく丁寧で、僕好みなんですよね。ずっと、「この人の作るものが好きだな」という思いが純粋にあって。
ただ、関係性は近かったので、「映画出してよ」って言えちゃう距離ではあったんですけど、それは憚(はばか)られると言いますか、甘えに近いなと思ったんです。俺はそういうの、あんまり言えなくて……考えちゃうんです、「カッコ悪いなぁ」って。だから、ちゃんと手順を踏んで、オーディションを受けてみようと思って。

井口 理(いぐち・さとる)1993年生まれ。長野県出身。バンドKing Gnuでボーカル/キーボードを担当。 アーティスト活動に加えて、映画『ヴィニルと烏』(2018年/横田光亮監督)、『劇場』(2020年)やテレビドラマ、舞台への出演、ラジオパーソナリティなど、活動の場を広げている

内山 そうやって理がアプローチしてくれたから、今回、出演をお願いできたっていうのはあって。そもそも、僕らはそこまで慣れ合った関係ではなかったですけど、理のことは純粋にいち表現者として尊敬していたし、僕は歌以外のところでも、理の「息の出し方」が好きだったんですよね。それで「何か一緒にやりたいな」と、ずっと思っていて。

内山拓也(うちやま・たくや)1992年生まれ、新潟県出身。23歳で初監督作『ヴァニタス』(2016年)を制作。同作でPFFアワード2016観客賞を受賞。近年は、King Gnuなどのミュージックビデオや広告を手がけ、中編映画『青い、森』が2020年11月より公開されている

――「息の出し方」というのは、素敵な表現ですね。

内山 僕は、映画作りの中でそういうものを大事にしてきた感覚があります。主演の藤原季節、共演の細川岳もそうなんですけど、役には「身体性」が絶対に伴うものなんですよね。動作がうまいとか、しゃべるのがうまいとか、声がきれいとか、そういうことに僕はあまり魅力を感じなくて。人の心が動くのって、生きているような息づかいを感じたり、「その場にいるんじゃないか」と本当に思わせてくれるような佇まいに触れたときだと思うんです。
理の魅力って、まさにそういうところにあると思うんですよね。もちろん、音楽の仕事をしているし、素敵な声をしていると思うんですけど、それ以上に、「声の出し方」や「息の出し方」に魅力が備わっている人で。前に理が「もっと芝居をやっていきたい」という話をしていたこともあったので、だったら僕が、もっとそういう部分を引き出せたらと思っていたんです。

内山拓也監督×藤原季節主演!映画「佐々木、イン、マイマイン」予告編【公式】11月27日(金)公開!

「佐々木」とは「青春」そのもの


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