SKY-HIが今、新会社とボーイズグループを作る理由。大切なのは未来へバトンをつなぐこと

2020.11.22


仲間と共に次の時代へバトンをつなぐ

――今からでも日本の音楽業界やボーイズグループは、変わっていくことができると思いますか。

SKY-HI ひとつのグループが一気に歴史を変える、そういうことは簡単には起きないと思っています。ロカビリーがあってカントリーがあってロックンロールがあったから、ポップスとして昇華したビートルズが生まれた。
K-POPだって一緒です。BTSが特異な存在というわけではなくて、神話(SHINHWA)や東方神起、BIGBANGから脈々とつづいてきた結果というか。日本がグルグルと同じところを回っている間に、韓国は失敗と成功を繰り返しながら螺旋階段を駆け上がって行ったんです。

――K-POPが世界で認められたのは、ある種必然だったのでしょうか。

SKY-HI BTSを作ったパン・シヒョクやJYP創業者のパク・ジニョンだってYGの幹部だって、もともとアーティストなわけだし。30歳くらいのアーティストが、「こういうことを今やったら絶対におもしろい」って仕かけてきたものがかたちになったのが今の状況です。バトンをつないでいったものが少しずつ大きくなっている。
30年くらい前に韓国が日本に追いつけ追い越せってやっていたことを、今度は日本がやる番です。追う立場のほうがやりやすいことが多いのも確かだし、大きな意味ではそれが次の時代へつなぐバトンになると思うから。

――次の時代へバトンを渡す第一歩として、『BMSG Audition 2021-THE FIRST-』で誕生するボーイズグループがあるということですね。

SKY-HI そうですね。それは本当に自信があるかな。俺はアンダーグラウンドなラッパーとして渋谷の小箱に出ていたし、オーバーグラウンドなアイドルとしてドームツアーも経験している。インディペンデントな活動もしていたし、既存の芸能の方々と大きな取り組みもさせていただいている。そういうキャリアを歩んできたからこそ、才能がある若い男の子たちのどういう部分をどう輝かせていくかについて、日本では自分に一番適正があると思っています。
ちょうどほかのオーディションと競合するタイミングなんですけど、あまり気にならないんです。俺たちは小さな会社だから、すでに箱があるところに大きさで勝つのは無理だし、最初からNiziUみたいな規模感を約束することもできない。
だけど、今の日本のダンス&ボーカルやパフォーミングアーティストのかたちに魅力を感じない人で、かつ、ダンスでも歌唱力でもルックスでもいいんだけど、自分の中に確固たる“ONE”を持っている人の手助けができるという点では一番向いているし、それなりの私財を投げ込んだので、クオリティやトレーニーでがっかりさせるようなことはないです。

――従来のオーディションは主催者側が“選ぶ”感じがありますが、SKY-HIさんの目線は違う感じがします。

SKY-HI 輝きあぐねている子たちの中から、一緒に戦ってくれる人を“探す”っていう感覚に近いかな。才能を持っている人ほど箱がある、自分を何かに合わせなきゃいけないオーディションで摩耗されていくのは、目に見えて明らかなので。そういう人が自分のところに来てくれたら、相性がいいっていう確信はあります。

――視聴者投票も行わないらしいですね。

SKY-HI 絶対にしないです。「いいね数で上位何人が突破」くらいのベネフィットが一度あるくらいならいいと思いますが、「投票数で受かる人と落ちる人が決まる」までになってしまうと、受けている子たちの中に媚びが生まれてしまってもしょうがないし、俺が作りたいグループに準じたことではないので。あくまでも自分の軸にあるのは、「クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファースト」ということ。そして、「才能を殺したくない」という想い。もちろんトレーナーやスタッフの意見は聞きますけど、最終的に決めるのは全部俺です。

――一人ひとりと向き合い、一緒に戦っていく仲間を探すような感じですね。

SKY-HI それくらいの覚悟と責任がある状態でやらないと、人生を懸けてくれている子たちの想いと釣り合わないじゃないですか。それぞれのオーディションごとに特色が違うから、よく考えて応募してくれれば、それが一番いいのかなと思います。

――お話を聞いていて、これからのBMSGの躍進や『BMSG Audition 2021-THE FIRST-』の動向がより楽しみになりました。

SKY-HI 世の中には才能や自我が殺されるきっかけが、いっぱい転がりまくっていて、文化や芸能、芸術など自分が好きなものに関わる人が、そういう状況にさらされていることを俺は幸せだと思えないんです。それはファンの人も含めて。だから、Novel Coreや2021年に新しくできるボーイズグループのメンバーと、地道に、でも猛スピードでがんばっていこうかなと思っています。


この記事の画像(全9枚)



  • BMSG Audition 2021-THE FIRST-

    ■SKY-HI 本人よりメッセージ
    様々な現場で、様々な才能と触れ合ってきた10数年で分かったことがある。一つは、才能という物は至る所に落ちているということ。一つは、その才能は輝く場所と結びつかなければ誰にも知られず簡単に消えていくということ。
    君が持っている特徴や長所は、発揮する場所さえ手に入れれば人の耳目を一身に集める“才能”へと変貌する。
    僕は全身全霊、今までのキャリアの全てを懸けてその場所を作り上げる事を誓おう。
    ダンス&ボーカルといえばK-POPという時代になってから随分と経った。特にクオリティと手数の多さでは大きく水を開けられてしまった。僅か10年ほどで、である。
次の10年で、本気で追いついて、アジアから世界へ新しい風を巻き起こすつもりである。
    クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファーストのチームを、共に作ろう。
    まだ見ぬ君の力を貸して欲しい。

    ・グランプリ:2021年にDance&Vocalのメンバーとしてデビュー(5人組を予定)
    ・応募期間:2020年9月26日(土)22:00~2020年11月30日(月)23:59まで
    ※応募方法など詳細はこちらからご確認ください

    関連リンク


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

ライター_坂井彩花

Written by

坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。