ほかにはない“無駄感”がラジオの魅力
――コラムの中で三四郎さんとアルコ&ピースさんの名前を出していましたが、改めてこの2組の魅力はどこにあると思いますか?
奥森 三四郎さんのANN0を初めて聴いたとき、そのゆるさというか、自由さにかなり衝撃を受けた覚えがあります。たとえば……相田(周二)さんが、ザリガニを釣ったことがない話をずっとしていたり。
――番組初期のころ、花やしきに釣りに行った話をしていましたね。
奥森 本当に衝撃的でした。小学生の私から見たら立派な大人の男性ふたりが、こんな自由に、ちょっとバカバカしいことを話しているっていう。お笑いの新しい部分を知った感じがしたんです。バラエティもネタも好きだけど、新しい風が吹いた……というか(笑)。
――テレビと違って、ラジオはひとつのトークに時間をタップリかけますもんね。無駄が多いぶん、その無駄自体が楽しいんですよね。
奥森 その“無駄感”が、私にとってすごく魅力的に感じられて。話を聴けば聴くほど、その人自身の今までの生活とか、生きてきた環境が見えてくるし。そういう経験って、三四郎さんのラジオを聴くまでなかったんです。実際、ラジオ以外でそういう話が聞ける場所ってないじゃないですか。
パーソナリティの変化もひとつのエンタメ
――初期と比べると、相田さんのキャラクターは変わってきているじゃないですか。最近ではオラオラ感が出たというか(笑)。それについてはどう思いますか?
奥森 ちょっとだけ寂しい気持ちもありますけど、パーソナリティが変わっていくのもラジオの醍醐味じゃないですか。オードリーの若林(正恭)さんのことがよく例に挙げられますけど、以前は人見知りで、人としゃべりたくなくて、人をうがった目で見ていた。それがいつの間にか、ゴルフを始めて、バスケを始めて、ご結婚までされて、今は人の悪いところが目につかないとかおっしゃっている。
最初はちょっと寂しいな……と思っていたんです。でも、ラジオを聴いていると、今が一番おもしろくて、変わりつづけることが魅力なんだと気づきました。皆さんいろんな経験をされて、変わっていく様を見せてもらっている。もちろん1回1回のラジオも楽しいけど、パーソナリティの方が変化していくこともひとつのエンタテインメントとして楽しませてもらっています(笑)。
――高校生として、そういう大人の姿を見られるのは心強いですね。
奥森 本当にそうですね。元気をいただいています。伊集院さんは父より年上なんですけど、言っちゃいけないことも平気で口にするじゃないですか(笑)。もちろんいろんなことを配慮されているとは思うんですが、こんなにも楽しそうな大人っていいですよね。
希望って言うと大げさですけど……本当にそう思います。普段会う大人の方って、つらそうな人も普通にいて、現実を見ると大変そうだなと思うこともあるなかで、ラジオの中の大人はけっこうな確率で楽しそうだし、素敵だなって。
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