音楽チャートの上位に、さまざまなボーイズグループの名前が並ぶ時代になった。男性アイドルの代名詞であるジャニーズ事務所や着々とカルチャーを作ってきたLDHはもちろん、新旧問わぬボーイズグループが堂々と肩を並べる。2022年とは、そういう時代だ。
幾多の個性的な女性アイドルが生まれ、シーンを作っていた2010年代が「アイドル戦国時代」と呼ばれるならば、今は「ボーイズグループ戦国時代」と言えるのかもしれない(“戦国時代”という表現に、いささか疑問はあるが)。
「ボーイズグループ最前線2022」と銘打ったこの記事では、ジャニーズ&LDH以外で注目しておきたい日本のボーイズグループを全7回にわたってピックアップ! プロフィールを振り返ると共に、各アーティストの魅力を綴っていく。
第5回では、グループとしてのカラーに特徴がある7ORDER(セブンオーダー)&CUBERS(キューバーズ)&SUPER★DRAGON(スーパードラゴン)を取り上げる。
グループとしての“らしさ”がクセになる
パフォーマンスや楽曲を切り口にボーイズグループを楽しむのもいいが、個性に注目して身を委ねるのも一興である。コンセプトが違うことはもちろん、サウンドもグループごとに特徴があってバラエティ豊か。それぞれが“らしさ”を追求しながら活動している姿は、少年漫画をのぞいているようなワクワク感があるものだ。「なんだかクセになる……」と手を出したら最後、虜になってしまうかも。そんな3組を紹介する。
7ORDER
2019年5月、「Happyをみんなで作りあげていく」をモットーとして走り出したプロジェクト。演技やバンドスタイルでの演奏など、歌やダンスだけに留まらないジャンルレスな活動が強み。2021年にはメジャーデビューも果たし、人気を加速させている。
「みんなで楽しいことをやりたい」と自主的に活動を始めたグループだからこそ、ファンも楽しい気持ちでいるのが大前提。オリコンや各種チャートなど数字にヤキモキさせられがちなボーイズグループのシーンの中で、「自分の無理のない範囲で応援してほしい」と公言している。
彼らにとっては、7ORDERに関係する人々が「どれだけ楽しそうにエンタメを作れているか」が大事なのだ。また、楽曲やパフォーマンスにおいて“こうでなければいけない”といった固定観念も存在しない。よいものは吸収して、お互いの世界を混ぜ合わせながら、その時々でベストな7ORDERカラーを創作。だからこそ彼らは、自然体でありながら「今はどんな色なんだろう」と常にワクワクさせてくれるのだ。
CUBERS
2015年7月結成。「只今、研修中です。男子」としてのプレ始動期間を経て、CUBERSとして活動開始。アイドルオタクあるある動画で認知度を上げた、9ちゃんこと末吉9太郎を擁するグループである。
コンセプトには“友情・努力・音楽!”を掲げており、普通っぽい男の子たちが全力で夢を追いかけているところが持ち味。デビュー当初には“聴けるボーイズグループ”を掲げ、楽曲にもこだわった活動を展開してきた。
一方で、企画スタイルはとても独特だ。キャンピングカーで日本全国を回るツアーをしたり、Zenly(位置情報を共有できるアプリ)を使ってファンと鬼ごっこをしたり、SNSで獲得したいいね数で生活する“いいねキャンプ”などを実施。アイドルらしからぬ企画を、嫌がるどころかむしろ楽しんでいる姿を見ていると、いつの間にか元気がもらえている。「普通のアイドルじゃつまらない!」と思っている人には、もってこいなボーイズグループだといえるだろう。
SUPER★DRAGON
2015年9月結成。ヘビーロックやダンス、ラップ、ヒューマンビートボックスをかけ合わせた“New ミクスチャースタイル”を掲げ、人数を活かしたフォーメーションダンスや多彩な楽曲を魅せていく。
9人という大所帯でありながら、結成以来メンバーの脱退や加入もなく、安定感のあるステージングが強み。基本的にはメンバー全員でパフォーマンスをするが、年少組の「サンダードラゴン」と年長組の「ファイヤードラゴン」に別れてパフォーマンスをすることもある。
ボーカル・ラップ・ダンスといった担当を設けているのもあってか、SUPER★DRAGONは一人ひとりが自分の持ち分野に対する意識が高い。どんな曲調も自分たちの歌に昇華してしまうボーカル陣、常にアップデートしたフロウをかますラップ陣、視覚的な面でグループの支えになるダンサー陣。お互いが尊敬し合い、認め合っているからこそ生まれるパフォーマンスは強い絆を感じさせ、多くの人の心を虜にするのである。
【ボーイズグループ最前線2022】
#6:音で魅了する楽曲派(5月4日公開予定)
#7:結成10年超(5月5日公開予定)
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