まだまだ熱い『M-1』感想戦まとめ。マヂラブ野田「ランジャタイは完璧」オズワルド「売れる見通し」立証の『ラヴィット!』…急げ急げ

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文=釣木文恵 編集=アライユキコ (C)M-1グランプリ事務局 


錦鯉優勝! 今年もたくさんのドラマが生まれた『M-1グランプリ2021』。『M-1』公式の『最速反省会』『打ち上げ』はもちろん、『ラヴィット!』『The NIGHT』『漫才サミットのオールナイトニッポン』『川島明のねごと』など、メディアを問わず振り返り番組は多発するし、オズワルド、ランジャタイ、ナイツ塙などファイナリストや審査員のYouTubeチャンネルまで『M-1』だらけだ。インタビュー企画「大宮セブン」などを担当するライター・釣木文恵が、昨年につづき(あくまで12月24日時点の)必見動画をまとめた。

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まずは本人たちの声と王者による最速解説を

まずは、『M-1』公式の『最速反省会』と『打ち上げ』。『最速反省会』の全ネタ分析には前年王者、マヂカルラブリー野田クリスタルが参加。途中、チャレンジャーインタビューのため席を外したMCの小籔千豊に代わってマヂラブ村上が登場し場を仕切る時間もあった。10組中非吉本が5組を占めた今大会にいわゆる“地下ライブ”にも詳しい彼らがいるのは大きかった。ノート持参でこの場に臨んだ野田は、ランジャタイに対し「完璧でした!」と彼らの魅力を饒舌に語るなど、解説に深みを与えた。錦鯉の優勝会見を見守っていた歴代王者たちがこれから忙しくなる新王者の体調を本気で心配していたのも印象的。

『M-1打ち上げ』は昨年までの千鳥に代わり、かまいたちが担当に。ふたりの漫才を愛する気持ちが前面に出たMCぶりを披露。敗者たちに寄り添いつつ、彼らの気持ちを引き出していた。ロングコートダディに「『ワゴンR』以外に候補はあったのか?」など、具体的な質問もおもしろい。

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「絶対売れちゃう」と悩むオズワルド伊藤の切れ味を見よ

決勝翌日、12/20の『ラヴィット!』(TBS)にはスタジオゲストにオズワルド、そしてオープニングに錦鯉が登場。このオープニング、インタビューもそこそこに優勝者にひたすらゲームをやらせる『ラヴィット!』の貫き具合もすごいが、片っ端からツッコみまくるオズワルド伊藤俊介の切れ味が凄まじい。『M-1打ち上げ』では「さすがに絶対売れると思うんですよ、来年」と漫才を練る時間がなくなることを危惧する伊藤にかまいたち山内健司は「見通しが甘い」と言っていたが、この振る舞いを見たら「売れる」見通しに納得せざるを得ない。

そんなオズワルドが、「絶対優勝すると思ってた」状況からそれを逃した状況をふたりでつぶさに語った『オズワルドのニューラジオ#79』も聴き応えがあった。そこでは、伊藤が「細稲垣選手」ならぬ「太水谷選手」をやろうとしていたという告白も。そして「あのまま逃げ切りというよりは、もう一回チャレンジすべき」という伊藤の決意は、来年を楽しみにさせてくれる。

『ラヴィット』12/20放送(配信12/27まで)

オズワルドのニューラジオ#79『オズワルドのおずWORLD』

ハライチ岩井の才能に恐れを抱く『月曜The NIGHT』

スピードワゴンがMCを務めるABEMAの『月曜The NIGHT』では毎年、M-1直後にファイナリストを集めて振り返りを行っている。今年は錦鯉、モグライダー、真空ジェシカが登場。錦鯉の優勝を決めたと言っても過言ではない「ライフ・イズ・ビューティフル」のセリフはバイきんぐ小峠英二が提案したこと、また錦鯉・長谷川雅紀がその意味をわかっていなかったことなど衝撃事実が発覚。
また、2年前のこの振り返り回ではMC横に座っていたハライチ岩井勇気が、今年はファイナリストのひとりとして途中参加。敗者復活戦で披露したネタは前日に作ったことなど、彼らの才能をまざまざと見せつけられるエピソードがたっぷり聞けた。

月曜The NIGHT#258「M-1振り返り&錦鯉優勝祝勝会SP!」(12/27まで無料配信、以降Abemaプレミアム会員のみ視聴可)

なお、イメージどおり、自分たちのチャンネルは持っていない錦鯉。その代わり、長谷川の地元・北海道のHTB北海道テレビがここぞとばかりに続々とYouTubeを更新している。札幌で居酒屋を営む長谷川の母・幸子さんの優勝の瞬間のリアクションや直後のコメント。翌朝地元の情報番組で電話をかける様子。優勝直後のコメントの最中、幸子さんがスタッフにビールを出そうとするのも味わい深い。そして50歳の息子の写真を眺めて「かわいい、輝いてたよ」と話しかける母の姿には目頭が熱くなる。

【独占】錦鯉M-1優勝の瞬間!長谷川雅紀の母「こんな日が来るなんて!」

ほかにもランジャタイの『ぽんぽこ生配信』では、せり上がりで国崎和也が伊藤幸司の背中をポンと叩くというお笑いファンの心を震わせたシーンの、彼ららしい真相が明かされていた。

M-1決勝の話『ランジャタイのぽんぽこ生配信』

まだまだある、芸人たちの感想戦

12/21深夜の特番「漫才サミットのオールナイトニッポン」は濃密だった。漫才サミットというユニットを構成する中川家、サンドウィッチマン、ナイツの3組それぞれ片方がM-1審査員という状況もすごいが、このラジオでは剛、伊達みきお、土屋伸之と審査員を務めていない3名も自分たちで評価した10組の採点結果を披露。自ずと審査員の面々も点数の根拠を語ることになった。90点を連発する土屋が責められたり、剛がトップバッターのモグライダーに95点をつけたりと、実際の大会とは違った角度の評価を聞くことができ、改めてひと組ずつじっくり振り返れる2時間だった。

漫才サミットのオールナイトニッポン(ニッポン放送)12/28まで

これに限らず、芸人のラジオはM-1に触れていないものを探すほうが難しいだろう。伊集院光のモグライダー絶賛、ラストイヤーで敗者復活戦を戦ったアルコ&ピースによる振り返りなど、耳がいくらあっても足りないほどだ。そんな中でここではM-1当日、真裏で放送されていた「川島明のねごと」も取り上げておきたい。仲のいい後輩である天津・向とやっているこの番組にとろサーモン久保田かずのぶを迎え、M-1について話すも、気心知れたメンバーだけに川島も久保田もボケ倒しているのが単純におもしろい。さらに川島がMCを務めた決勝進出者発表会見では予定の時間を過ぎても進出者が決まっていないほど白熱していたことなど、裏側も語られた。

ブレインスリープ presents 川島明のねごと(TBSラジオ)12/26まで

前説を務めたバイク川崎バイクと客席から特に審査員の表情を観ていたというマヂカルラブリー野田がたっぷり語ったYouTube『野田ゲーチャンネル』の生配信アーカイブ、囲碁将棋・文田大介の「観ている人がおのおの好きな人を見つけたM-1」という言葉が印象的な『大宮ラクーンよしもと劇場』YouTubeチャンネルのM-1振り返り配信など、まだまだある。審査員のナイツ塙宣之は自身のYouTubeチャンネルで感想を語っているし、ダンビラムーチョ大原優一と令和ロマン高比良くるまがゲストの『ニューヨークのニューラジオ』も聴き応えがある。さらにスーパーマラドーナや平成ノブシコブシ徳井健太など多数の芸人が感想を語り、とろサーモン久保田、かもめんたる・う大は同時生配信のアーカイブが残っている。

『M-1グランプリ2021』はまだまだ終わらない。芸人たちが人生をかけて挑んだこの大会を、何度でもいろんな角度から味わい尽くそう。

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釣木文恵

(つるき・ふみえ)ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。