錦鯉優勝『M-1グランプリ2021』採点結果を徹底分析「最低点の底上げ」に注目

2021.12.20
錦鯉優勝『M-1グランプリ2021』イラスト/まつもとりえこ

文=井上マサキ イラスト=まつもとりえこ 編集=アライユキコ


12月19日『M-1グランプリ2021』が放送された(テレビ朝日)。激戦を制したのは錦鯉。オール巨人、上沼恵美子、立川志らく、サンドウィッチマン富澤たけし、中川家・礼二、ナイツ塙宣之、松本人志による審査結果を、賞レース採点ウォッチャー・井上マサキが検証する。

【画像】『THE W』Aマッソ、天才ピアニスト、オダウエダ激戦の採点結果を振り返る。お願いです、審査員のコメントも聞かせてください


なぜ「錦鯉が2位、インディアンスが3位」だったのか

史上最多6017組がエントリーした『M-1グランプリ2021』。予選では多くのファイナリスト経験者が敗れ、特に準決勝では25組中6組のファイナリスト経験者が敗退。一方で、決勝初進出が5組も生まれる“下克上”が起きていた。

誰が勝ってもおかしくない。そんな空気の中で頂点に立ったのは、合コンではしゃぎ、猿を捕獲しようと奮闘する50歳と43歳のおじさんコンビ、錦鯉! 激闘の一夜を審査点の採点から振り返る。

まず多くの人が疑問に思ったであろう、「ファーストラウンドで同点2位だった錦鯉とインディアンスが、なぜ最終決戦で2位と3位になったのか」を検証したい。

すべての採点を表にまとめてみた。赤字はその審査員がつけた最高点で、青字は最低点。審査員ごとの平均点と標準偏差(点数のバラつきが多いほど値が高い)も合わせて算出している。

『M-1グランプリ2021』審査員採点一覧(作表/井上マサキ)
『M-1グランプリ2021』審査員採点一覧(作表/井上マサキ)

ファーストラウンドが終わり、錦鯉とインディアンスは655点で同点。最終決戦は1位~3位の順に出番を決めるので、この2組になんらかの基準で順位をつけねばならない。

MCの今田耕司からは「審査員のつけた得点が高い人を選んでおります」「錦鯉のほうが審査員の点数がより高かった」と説明があったが、これは恐らく「錦鯉とインディアンスを比べたとき、高い点数をつけた審査員が多かったほうを2位とする」という意味だろう。

採点を確認すると、錦鯉のほうを高くつけたのは富澤・塙・礼二・松本の4人、インディアンスのほうを高くつけたのは志らく・上沼の2人(オール巨人は92点で同点)。錦鯉のほうを高く評価した審査員が多かったため、最終決戦では「錦鯉2位、インディアンス3位」となっている。

ほかにも今大会は、ゆにばーすと真空ジェシカが638点で同点、それにモグライダー(637点)とハライチ(636点)が1点差でつづくという僅差が多かった。これは「最低点の底上げ」が影響しているかもしれない。全体を通して審査員がつけた最低点は87点で、これは史上最も高い水準なのだ。
ほかにも審査員が7人となった2017年以降でいえば、モグライダーはトップバッター最高点であり、ランジャタイは最下位最高点(628点)である。ハイレベルな戦いで最高点と最低点の点差が詰まり、僅差となりやすくなったのかもしれない。

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井上マサキ

(いのうえ・まさき)1975年宮城県生まれ。ライター、路線図マニア。大学卒業後、システムエンジニアとして15年勤務し、2015年よりライターに転身。共著に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか? 日本の昔話で身につく税の基本』(..

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