『IPPONグランプリ』徹底解説。朝の大喜利支配人・麒麟川島が神を降ろした「ピン子とえなり」TBS朝の顔がTBS看板ドラマで優勝

2021.12.6
IPPONグランプリ決勝

文=井上マサキ イラスト=まつもとりえこ 編集=アライユキコ


12月4日夜9時から放送された第26回『IPPONグランプリ』(フジテレビ)。大会チェアマンを松本人志、出演は、五十音順に秋山竜次(ロバート)、おいでやす小田、川島明(麒麟)、大悟(千鳥)、千原ジュニア(千原兄弟)、西田幸治(笑い飯)、バカリズム、堀内健(ネプチューン)、もう中学生、山内健司(かまいたち)と優勝経験者が多くを占める。(万一の欠場に備え、 ZAZY、ザ・マミィ酒井貴士も会場に)。『着信御礼!ケータイ大喜利』(NHK)レジェンドライター・井上マサキが解説、イラスト担当はお笑いマニア・まつもとりえこでお送りします(一部、大喜利回答の表記を読みやすく整えています)。

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Aブロック:逃げ切りたいルーキー、逃がさないベテラン

Aブロックの出場者はバカリズム、大悟(千鳥)、おいでやす小田、山内健司(かまいたち)、堀内健(ネプチューン)の5人。強者ぞろいのメンバーに、小田は「オールスターやないかい!」「ザコシさんとか入れてくださいよ!」と冒頭からフルスロットルで叫ぶ。

第3問「このゾンビ育ちは良さそうだな なぜそう思った?」は、それぞれが思う「育ちの良さ」が回答から垣間見えておもしろかった。

・車道には出ない(バカリ)
・(人骨の絵)きれいに食べる(大悟)
・美術館から出てきた!?(小田)
・避けたときにフワッと柔軟剤の香りがする(山内)
・お正月に新しいポロシャツを着てきた(堀内)

第4問を終え、2本差に4人がひしめく大混戦。まだ無冠の山内が、最後の第5問「史上初130人組のロックバンドが解散 その理由とは?」でも食らいつく。3大会連続5回目のIPPONグランプリ、今度こそ決勝に行きたい。

・何回数えても131人になって怖くなった
・ライブはずっと盛り上がってると思っていたら全部自分たちの声だった

優勝経験者3人もそれぞれの“らしさ“が出たIPPONを重ね、誰が抜けてもおかしくない大混戦に!

・すぐブレーカーが落ちる(バカリ)
・やってはきたが、誰の何にも刺さらない(大悟)
・打ち上げのときの居酒屋の下駄箱で、いつもリーダーのエアマックスがなくなる(堀内)

ラスト1分を切り、最後の最後でホリケンが「メンバー紹介だけでライブが終わる」というお手本のような答えでIPPON。これで単独トップだった山内に並びサドンデスへ! 「逃げ切らせてくださいよ〜」と山内。

サドンデスのお題は「映画『鮫肌男と桃尻女』の続編にあたるタイトルを教えて下さい」。両者とも渋い顔をするが、すぐにペンを取り、ほぼ同時にボタンを押した。「汗っかきジジイと乾燥肌ババア」(山内)、「コゲコゲカルビ男とパサパサレバー女」(堀内)。どちらもいいところまでいくがIPPONにならない。そのまま3ターン目までつづく死闘になり、最後は「カジサック男とカミヌマ女」という豪腕でホリケンが奪取。ベテランの粘り勝ちで、5度目の優勝を狙う。

Bブロック:「ござる」フィーバーでテンションが上がる

Bブロックの出場者は千原ジュニア(千原兄弟)、西田幸治(笑い飯)、もう中学生、川島明(麒麟)、秋山竜次(ロバート)の5人。

かつてIPPONスカウト枠で出場したもう中学生が、再ブレイクを経て9年ぶりに帰ってきた!「Aブロックが”ええ戦い”だったので、Bブロックは”ブブブ”っと頑張りたい」と意気込みも独特である。

第1問「語尾に『ござる』をつけて殿のテンションをあげてください」は、出場者全員が生き生きとIPPONを量産。この1問だけで13問ものIPPONが出た。

・城の1階にスタバができたでござる(西田)
・殿っすよね。自分、桶狭間の戦い家族で見に行ったでござる(秋山)
・今日のお宿、朝食食べ放題が「ござる」「ござらん」で言えば……ござる……!(川島)
・最後の曲になりました!「紅」でござるー!(ジュニア)

そんななか、もう中は「殿、流れ甘栗でござる〜!」と甘栗が空を流れる絵を描く。優勝経験者4人に囲まれても終始楽しそう。

第3問「ママチャリのカゴに入っていたら2度見するものを教えて下さい」は、シンプルに「もの」を答えるお題。単純に名詞のみを答えると展開やインパクトを生みづらいので、出場者たちは徐々に絵回答にシフトしていく。後半、だいぶ答えのパターンが煮詰まったところでジュニアが出した「ハクビシン(ママチャリを逆さに置いてカゴにハクビシンを閉じ込めた絵)」は、「カゴを逆さにする」という発想の転換がきれいに決まったIPPONだった。

第4問を終えてジュニア、川島、秋山の3人が7本で同点トップ。最後の第5問「タレント犬に『プロフェッショナルとは?』その答えは?」は、川島が“エエ声”でプロフェッショナルを語り、頭ひとつ抜けた。

・手を乗せるだけじゃない。肉球を通じて心を通わす、それが「お手」なんです。
・出川さんには思いっきりいかないとこっちが喰われますよ。
・ADさんにこそシッポふっておいたほうがいいですね。

川島は10本を先取し、単独トップでBブロックを勝ち抜け。コメントを求められたもう中は「もし皆さん大喜利をやるときがありましたら、『サワガニや』と答えればどんなお題でもいけますので」と必勝法を伝えるも、川島に「(今日)出してないですよね」とツッコまれ、「出しておけば……」と顔を覆うのだった。

決勝戦:「ピン子」と「えなり」


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井上マサキ

(いのうえ・まさき)1975年宮城県生まれ。ライター、路線図マニア。大学卒業後、システムエンジニアとして15年勤務し、2015年よりライターに転身。共著に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか? 日本の昔話で身につく税の基本』(..

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