生後3カ月のきょうだい子猫2匹一緒では無理ですか?〈里親の決め手は猫が我が家より幸福になれるかどうかだけ〉

2021.11.26
きょうだい猫3

文と写真=仁尾 智 編集=アライユキコ


コロナ禍(第5波まっただなか)の夏、3匹きょうだいの子猫を一時預かり。まずは弟の「ぶん」の譲渡先が決まった。あとは「よう」(兄)と「なな」(ぶんの姉、ようの妹)の里親を探さねば。寂しがり屋の「よう」のことを思うと、2匹そろって引き受けてくれる人がいいな、こんなにかわいいんだから大丈夫。え? なかなか里親希望が現れない! どうしよう。大好評〈猫歌人〉仁尾智が記録する保護猫観察日記、短歌つき。きょうだい子猫編その3、最終章。

【関連】その1「生後約3カ月のきょうだい猫を保護した話〈偽善でも善ですらなくただ楽しい 子猫を一時預かることは〉」

【関連】その2「コロナ禍できょうだい子猫3匹の里親を探す日々〈猫を飼う条件:思っていたのとはちがうすべてを楽しめること〉」


応募が来ない!

今夏、一時預かりをした3匹のきょうだい猫(なな、ぶん、よう)の里親さん探しの顛末を、ときおり短歌や本の感想などを交えながら、ゆるやかに綴りたい。

きょうだい猫
左から「よう」「ぶん」「なな」のきょうだい猫。「ぶん」はもういません(「寅」になりました)

〈微風だが先輩風を吹かせたい これから猫を飼う人たちに〉

3きょうだいのうち、ひと足先に「ぶん」の里親さんが決まって「ぶん」は「寅」という名前になった。
初めて猫を飼う里親さんで、それはそれはうれしそうで、こちらとしても、うっかりいいことをしたような気持ちになってしまう。

〈もうすでに圧勝でしょう? 朝起きて猫が視界に入る暮らしは〉

残るは「なな」と「よう」。「よう」の寂しがり屋具合から「できれば2匹一緒の家に」と思っていたので、里親募集サイトにもそのように記載した。
ちょっと目を引く2匹なので、すぐに応募があるのでは、と思っていたけれど、これがなかなかそうもいかない。「ぶん」に応募があってから2週間経っても、「なな」と「よう」にはひと声もかからなかった。2匹一緒というのは、やはりハードルが高いのかもしれない。

きょうだい猫
おっとりした「なな」(女の子)
きょうだい猫
ハンサムな「よう」(寂しがり屋)


「やっぱり2匹一緒は難しいのかも。いったん『よう』を(並行して譲渡先を探している)病院のほうに戻しましょうか。先住猫がいる人なんかに声をかけて、実際に見てもらえば決まるかもしれない」という話も出て、それも致し方ないか、とその段取りも相談していた。

そんななか、あまりにも音沙汰がないので、こんな泣き言のようなツイートをした。《こんなにかわいいのに応募がないのは、なぜなのか。気長にやります。》
このツイートがのちの里親さんにつながるきっかけになった、というから、本当に里親さん探しは運と縁なのだ。泣き言もたまには役に立つ。

このころは、妻(里親さん探しの窓口は妻が担当)に「問い合わせあった?」と聞いて「……来てないね」と答えられるのが日課になっていた。
当たり前だけど、「なな」と「よう」はなにも悪くないし、なにも変わらない。毎日のんびりと、時にやんちゃに過ごしてくれていて、それはなんだかちょっと救いだったのだ。そんなに慌てることはないよね。

きょうだい猫
そうそう、おたがいのんびりとね


〈星空と猫は似ている 眺めたらなんか悩みもないものになる〉


申し込みの本気度とは


この記事の画像(全63枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

仁尾智

Written by

仁尾 智

(にお・さとる)猫歌人。1968年生まれ。1999年に五行歌を作り始める。2004年『枡野浩一のかんたん短歌blog』と出会い、短歌を作り始める。短歌代表作に『ドラえもん短歌』(小学館文庫)収録の《自転車で君を家まで送ってた どこでもドアがなくてよかった》などがある。『猫びより』で「猫のいる家に帰り..

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太