OWV、これまでの歩みが詰まった1stアルバム『CHASER』。ここから始まる“唯一無二のグループ”へ向けた追撃

2021.10.28


初の有観客ライブで見せたクリエイティビティ

コロナ禍が長引いて活動の制限がつづいた2021年に入っても、OWVの躍進は止まることがなかった。むしろ、さらなる追撃を仕かけてきたと言ってもいいかもしれない。

3月には3rdシングル『Roar』をリリースし、結成記念日の4月11日には初となる有観客ワンマンライブ『OWV 1st Anniversary Talk & Live “AWAKE”』が開催された。

ライブは、トークやゲーム、演劇などを交えた盛りだくさんの「1st Anniversary Talk event」、圧倒的パフォーマンスでオーディエンスを魅了した「1st Anniversary Live」の2部構成で展開された。トークイベントというと、メンバーがMCを交えて会話をしたりゲームをしたりするのが一般的だが、OWVの場合はひと味違った。ライブパフォーマンスもふんだんに盛り込んだステージを構成し、彼らの魅力を多角的に堪能できる時間に仕上げたのだ。後日、佐野はQJWebのインタビューで次のように話している。

佐野 『AWAKE』はOWVとしての初の有観客ライブでありながら、オーディション番組のときから僕らを応援してきてくださった皆さんへの感謝祭。恩返しの意味も込めていたので、今までの流れを踏襲しながら、自然な流れでパフォーマンスを見せるにはどうしたらいいか、みんなでずいぶんと試行錯誤しました。

メリハリあるエモーショナルなセットリストについても、下記のように明かしていた。

浦野 1から僕たちで考えました! ホワイトボードに書き出して「ここの曲は、これのほうがいい」とか、「ここでMCを挟もう」とか、スタッフの方々と相談しながら決めました。

中川 流れはめっちゃ大事にしたよね。

佐野 なんせ僕たちは、曲数もまだそんなに多くないし、息抜きができるような楽曲もない。4人だけという構成でどうやったら最後まで完璧なパフォーマンスをお見せできるのか、めちゃくちゃ考えました。

彼らはデビュー1年目のグループであるにもかかわらず、自身の意見を積極的に出し、妥協のないライブイベントを作り上げた。自分たちのパフォーマンスに自ら意志を持って向かい合っていることを示すと共に、スタッフと良好な関係を築きながら進んでいることを証明したのだ。

2021年の夏を彩った『Get Away』

7月には、4thシングル『Get Away』をリリース。「破壊と創造」や「色気」、「野公子」といったこれまでのクリエイティブ・コンセプトから一転、初めて「夏の一日」という季節に振り切ったテーマの作品だ。リードトラックも前回までとは打って変わって、ポップでキャッチーな「Get Away」を起用。普段から仲のいい4人の空気感が伝わる楽曲へと仕上がった。

3作目までは、カップリングのコレオグラフ(振り付け)を佐野と本田で分担して担当してきたが、「Bling Bling」は韓国アーティストのバックダンサーとして活躍しているYORITOへ一任。これまでのOWVになかった一面を魅せ、さらなる魅力を開花させた。

OWV/2021年7月掲載のインタビューより(写真=山口こすも)

そんな『Get Away』を引き提げて、8月には東京と大阪で『OWV SUMMER LIVE 2021 -WIND-』を開催した。『AWAKE』と同様に「OWV Talk Event」と「OWV Live Stage」の2部構成で展開。第1部ではファン投票を実施して選ばれた楽曲を披露するなど、QWV(OWVファンの呼称)と共に作るステージを実現させた。

「Fifth Season」に込められた想い


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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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