OWV、結成1周年での初有観客ライブで見せた確かな成長「ビッグになって、もっといい景色を見せます」

2021.5.12

文=坂井彩花 編集=森田真規


2020年4月11日に結成されたボーイズグループ「OWV(オウブ)」。メンバーは、日本最大級のオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』に出演した元練習生の本田康祐、中川勝就、浦野秀太、佐野文哉の4人だ。

シングルのリリースを重ね、写真集を刊行し、冠番組を任されるなど着実にステップアップしていった彼らだが、コロナ禍でデビューしたこともあり、有観客でのライブを実現することができていなかった。

そして2021年4月11日、ついに彼らにとって初めての有観客ライブ『OWV 1st Anniversary Talk & Live “AWAKE”』が敢行された。ここでは、OWV結成の1周年にして、リーダーである本田康祐の26歳の誕生日という記念すべき日に行われた同公演のレポートをお届けする。

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会場が赤いペンライトで染まった“特別な一日”

2021年4月11日、OWVという新たな夢を手にした4人は豊洲PITのステージに立っていた。着実に確実に足元を固め、奇跡を掴むために腐ることなく歩んでいく。それがなんとも彼ららしく感じた。それぞれがバックダンサーや芸能活動の経験があるからこそ、派手じゃない一歩が大きな未来につながると彼らは知っているのだ。『OWV 1st Anniversary Talk & Live “AWAKE”』は、OWVがここから凄まじい勢いで躍進することを確信させる決起の日となった。

ライブは、トークやゲーム、演劇などを交えた盛りだくさんの「1st Anniversary Talk event」、圧倒的パフォーマンスでオーディエンスを魅了する「1st Anniversary Live」の2部構成で展開された。

オープニングムービーを受けステージへ登場すると、「やっと会えたね!」とうれしそうにQWV(OWVファンの呼称)へ声をかける本田。コロナ禍で結成され、音源制作やオンラインイベントで活動を重ねてきたこともあり、フランクに放たれた“やっと”という言葉が感慨深い。浦野が「今日はなんの日か、わかりますか?」と尋ねると、会場が真っ赤に染まった。この日が誕生日である本田を、QWVたちがペンライトで祝福していたのだ。

OWVとQWVの1年間を埋め合わせたトーク&パフォーマンス

トークイベントというと、テーマトークやミニゲームをこなすのが一般的だ。しかし、OWVはいい意味で大きく予想を裏切ってきた。ペンライトを使ってQWVとコミュニケーションを取る「教えてQWV 50/50」、人気コンテンツへと育った「ほなうさラジオ」、QWVからの質問に答える「AWAKEの質問箱」。少しでもファンと交流できるように、ファンに楽しいと思ってもらえるように、一つひとつのコンテンツに温かな想いが注がれていた。

中でもQWVの感情を揺さぶったのは、1st写真集『Asphalt』の内容とリンクする「OWV アナザーストーリー」だろう。別世界を生きる4人がOWVになるまでを描いた物語はリアルを強く反映し、『PRODUCE 101 JAPAN』の練習生時代から彼らを応援していた元国民プロデューサーには一段と胸に迫るものがあったはずだ。

『PRODUCE 101 JAPAN』練習生の制服を着て踊る「ツカメ〜It’s Coming〜」、それぞれの順位発表の再現、OWVとして動き出すときに撮った集合写真。メンバーのオフショットに飽き足らず、「OWV結成記念生配信」や「OWV道」の映像までもが流されていた。まるで“QWVと直接会えなかった1年間を一緒に埋め合わせる”とでも言わんばかりの大盤振る舞いだ。

極めつけは、デビュー曲「UBA UBA」のパフォーマンスである。靴が壊れるハプニングに見舞われた佐野だったが、持ち前のスキルで臨機応変に対応。ダンサーとして培ってきた度量を存分に発揮していた。

その後もMV撮影のオフショット映像を挟みながら「Ready Set Go」「Roar」とパフォーマンスを繰り広げる。1曲ごとに行われる衣装チェンジにも、細かい配慮を忘れない彼ららしさが滲んでいた。“1部だけ観ている人にも、いろんな自分たちを観てもらいたい”と、語らずとも行動で示していた。

「今日は泣かない」と決めていたという本田の決意をゆるませたのは、1部終盤のバースデーサプライズだ。QWV、s**t kingzのkazuki、お笑いコンビのニューヨーク、そしてOWVのメンバーから届いたメッセージ映像に瞳を潤ませる本田。誰よりも人情に厚い彼のこと、積もり積もった想いがあふれ出たのだろう。1部を振り返り「これからもOWVを何年も、ずっと一緒にやっていくので、よかったら応援してください」と言葉にした際には、熱いものが目から零れ落ちたように見えた。

感動の空気が会場を包むなか、中川が「最後はしんみりした空気を盛り上げて帰りたいと思うので、この曲をお願いします!」と告げると「What you waitin’ for」へ。爽やかなアップチューンで会場を盛り上げ、1部を締め括った。

唯一無二の表現者への第一歩

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