ハローキティ、ディアダニエル、シナモロールらがオンライン演劇『VIVA LA VALENTINE』で伝える“大切なこと”

2021.2.11

サンリオキャラクターたちが教えてくれる“大切なこと”

本作のテーマは、“素直な気持ちを伝える”ことの大切さ。気持ちを伝えるというのは、とても難しいことだ。しかも“伝える”以前に、まず自分自身の“素直な気持ち”に気がつかなければならない。それを私たちに教えてくれるのが、サンリオキャラクターの面々なのである。

ピューロランドとショーのスポンサーであるバイアス製菓の大人たちの思惑によって、板挟みとなり、翻弄されるディアダニエルたち。ショーがどのような変更を余儀なくされるのか、彼らの世界に「大人の事情」がどのように介入してくるのか、そのディテールには触れないでおくが、それとなく想像がつくのではないかと思う。私たちが幾度も目にし、耳にしてきた現実だ。

「大切なのは自分が誰なのかじゃなくって、どう生きるかなんじゃない?」

劇中でポムポムプリンが言うように、この“現実”とどう対峙するべきか、彼らはそれぞれの“自分らしさ”をもって示してくれる。誰もがつい忘れそうになる当たり前で大切なことを、愛らしくも格好いいキャラクターたちが教えてくれるのだ。やがて始まるショーの歌と踊りには、筆者も自宅にいながら身体を揺らし、気持ちを新たにさせてもらった。サンリオキャラクターたちによる歌やラップは、世代を問わず楽しめることだろう。

シナモロールは軽快なラップを披露
キュートな歌とダンスで魅了するクロミ
のんびり屋のポムポムプリンらしさが出たラップ
「カワイイものが好きなの♡」と歌い上げるハローキティ

そんなショーの楽曲を書き下ろした、さよならポニーテール、荘子it、Kroi、Tomgggらとのコラボレーションも魅力的。彼らの楽曲によって引き出される、サンリオキャラクターたちの一面は大きな驚きと興奮を与えてくれるはずだ。もちろんそれは翻って、個々のアーティストの新たな一面をも垣間見せてくれることだろう。

ディアダニエルは自分の素直な気持ちを伝えられるのか……

これまでにも、パソコン音楽クラブやYOASOBI、odol、羊文学らとコラボレーションを果たしてきた劇団ノーミーツだが、今回のピューロランドを舞台としたコラボはまた大きな意味を持つことになりそうである。“ワンカットで撮られたサンリオキャラクターとのオンライン演劇”──これはさまざまな面において画期的だ。結成から1年を待たずして、次なるフェーズに入ったように思う。

「大人の事情って、なあに?」──そう素朴な問いかけをするハローキティたちが待つピューロランドに、あなたもぜひ足を踏み入れてみてほしい。

(c)1976, 1990, 1996, 1999, 2001, 2005, 2021 SANRIO CO., LTD.

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  • 劇団ノーミーツ×サンリオピューロランド オンライン演劇公演『VIVA LA VALENTINE』

    脚本・演出:岩崎裕介
    企画・プロデュース:広屋佑規、菅波和也、中村加奈
    アートディレクター:目黒水海
    宣伝広報:小野寺正人
    スタイリスト:石塚愛理
    宣伝撮影:永井樹里、西田珠恵
    テクニカルディレクター:藤原遼、渡邊元
    配信撮影:田邉健太
    映像編集:赤塚伯瑠央
    演出助手:佐藤柚美子
    脚本協力:林健太郎
    車両:塙将大
    音楽:さよならポニーテール、荘子it、Kroi、Tomggg
    企画・製作:株式会社サンリオエンターテイメント/劇団ノーミーツ

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