人気の鍵は<観客の温かいお笑い愛>『マイナビ Laughter Night』チャンピオンLIVEを振り返る

2020.10.30

異様な空気のコントで強烈なインパクトを残した蛙亭

蛙亭は、単独ライブでも鉄板のネタ『山小屋』を披露。中野周平演じる狂気じみた山小屋のおじさんと冬山で遭難した山ガール・岩倉美里が織りなすサイコホラー風のネタが客席から悲鳴混じりの笑いを呼ぶ。そして観客の予想を裏切るまさかのオチに、ネタ終了後にはMCの山里も感嘆の声を上げていた。

小気味よいテンポの漫才が武器のヤーレンズ

第1回からチャンピオンLIVEに出場しているヤーレンズは『マイナビ Laughter Night』ではおなじみのコンビだ。ボケの楢原真樹演じるスナックのママの破壊力抜群のボケに対して、出井隼之介の洗練されたテンポのツッコミが心地いい。テレビCMやJ-POPからの豊富な引用も光り、“ラフターナイト芸人”の風格を見せていた。

吉住演じる「女審判」の決めポーズ

今大会唯一のピン芸人・吉住。明転スタートから舞台上にぽつんと野球の審判の格好で佇む彼女の異様な雰囲気に、会場全体が飲み込まれていく。冒頭から「女審判」というまったく聞いたことのないフレーズが連発される異色のコントだ。

「町の治安を守りたい!」というパワフルな漫才を繰り広げた錦鯉

トリを飾ったのは、現在ブレイク中の中年コンビ・錦鯉。どんどん歯が減りつづけているという長谷川雅紀のパワフルなボケが会場に響き渡る。「いつかみんなこうなるんだよ!」という長谷川の叫びにはなぜか説得力が宿っていた。

歴代王者、空気階段&真空ジェシカも登場

そして歴代チャンピオンの空気階段と真空ジェシカはどちらも持ち味を存分に発揮したネタを披露。真空ジェシカはネタ中に衣装チェンジをする異例の展開で、着替え待ちの時間の長さに会場からも笑いが漏れる。

『マイナビ Laughter Night』恒例の真空ジェシカによるサムネ撮影

大トリの空気階段は「新しいCHAGE and ASKA」というギリギリを攻めたコントで、華々しく今大会の幕を下ろした。鈴木もぐら演じる「新しいCHAGE」はどこからどう見てもヤバいヤツなのに、なぜか愛おしさを感じるキャラクターだった。

空気階段・もぐらの「新しいCHAGE」

「お笑い好きのリスナーに支えられている大会」制したのはオズワルド

計11組が舞台上に集まってのエンディング。登場した芸人が皆満足げな表情を浮かべているなか、ひとり沈んだ表情のオズワルド伊藤は「もし優勝したら、賞金は今日中に使い切ります」と宣言。まさかこのとき、本当に優勝するとは夢にも思っていなかっただろう。

6代目チャンピオンに輝いたオズワルド

そして、観客&視聴者の投票の末に優勝を勝ち取ったのはオズワルド。伊藤本人は序盤の痛恨のミスを引きずっていたが、それを補って余りある完成度の高いネタで、多くの観客の心を掴んでいた。

熱戦が繰り広げられた今大会を振り返り、越崎Dはこう語る。

「オズワルドは最初に『マイナビ Laughter Night』に出てもらったのが4年前だったんです。山里さんの『不毛な議論』でリスナーが『オズワルドがおもしろい』と紹介しているのを聞いてオファーしました。そのころからおもしろかったんですが、ここ最近はさらにおもしろくなってますよね。

伊藤君は語気が鋭くて、荒々しい言葉を使うときもありますが、遅刻してマネージャーさんに怒られて泣いたりする一面もあるし、畠中君の“こども哲学”の話はわけがわからないし、人柄も変なので特番のラジオも楽しみです」

序盤のミスをものともせず、見事に優勝を飾ったオズワルド。その背景には、観客の芸人に対する温かい姿勢があるという。

「お客さんも『審査してやろう』という目線じゃなくて、純粋にネタがおもしろかったから彼らに票を入れたんだと思います。プロの芸人が審査する賞レースと違って、純粋に楽しみに来ているお客さんが多いんでしょうね。毎年、チャンピオンLIVEに出た芸人さんが『ここのお客さんは一番いいお客さん』と言ってくれるのがうれしいです」

「お笑い好きのリスナーに支えられている大会」という越崎Dの言葉のとおり、オズワルドはまさにリスナーたちの純粋なお笑い愛によって生まれたチャンピオンだと言えるだろう。


『マイナビ Laughter Night』ディレクターの越崎恭平に今大会を振り返るインタビューを行い、番組の魅力や、若手芸人への思いを聞いた記事も公開中。


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山本大樹

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