人気の鍵は<観客の温かいお笑い愛>『マイナビ Laughter Night』チャンピオンLIVEを振り返る

『マイナビ Laughter Night』チャンピオンLIVE

文・編集=山本大樹 編集=田島太陽


毎月40組以上の若手芸人がTBSラジオでのオンエアを争い、ネタの腕を磨いている『マイナビ Laughter Night(ラフターナイト)』。数少ないラジオのネタ番組として、数年前からコアなお笑いファンの間で注目を集めている。

10月17日、リスナー投票と審査員投票によって選出された各月の月間チャンピオンが集結し、今年で6回目となるチャンピオンLIVEが開催された。熱戦が繰り広げられた今大会を振り返る。


越崎D「山里さんのMC力で成功しているライブでもある」

感染症対策のため通常のキャパよりも席数を大幅に削減しての開催となったこの日。おそらく多くの観客にとっては久々の生のお笑いライブだったこともあり、客数は少ないながらも会場には熱気が渦巻いていた。

芸人愛あふれるMCの南海キャンディーズ山里亮太

テレビのバラエティ番組でもブレイク中の芸人から、この番組をきっかけに密かにブレイクを狙う若手芸人まで、ネタもキャラクターもバラエティに富んだ芸人たちが一堂に会した今大会。

『マイナビ Laughter Night』ディレクターの越崎恭平は「コロナの影響で例年よりもお客さんの人数を減らしていたので、盛り上がるか心配でした」と語る。しかし、オープニングではそんな心配をよそにMCの山里亮太が芸人愛あふれるトークで会場を大いに盛り上げた。

「大きな会場でのライブに不慣れな芸人さんもいるなかで、ちゃんと全員がおもしろくなるように回してくれるので、本当に山里さんの力は大きいですね。山里さんのMC力によって成功しているライブだと言っても過言ではないです」(越崎D)

見事にトップバッターの役割を果たしたファイヤーサンダー

1組目のファイヤーサンダーは、2018年の『ABCお笑いグランプリ』で優勝を飾った実力派コント師。「占い」に対してストイック過ぎる占い師(﨑山祐)と、彼の魅力にどんどん惹かれていく男(藤田崇之)を描いた会話劇は、トップバッターとして大会の盛り上がりを確信させるほどの爆発的な笑いを巻き起こした。

「山登り」のネタで爆笑をさらったオズワルド

2組目はオズワルド。冒頭でツッコミの伊藤俊介が「膝から崩れ落ちた」と振り返るほどの強烈なミスもありながら、突拍子もないボケとテンポのいいツッコミを畳みかけ、じわじわと笑いの渦を生み出していく。

カラタチはそれぞれアイドルとアニメへの愛を語る

カラタチは、アイドルオタク・前田壮太とアニメオタク・大山和也の「オタクあるある」からにじみ出る悲哀が持ち味の若手漫才師。「推しのストレスの原因が自分だって気づいたことあるのか?」という前田の叫びは、すべてのオタクの胸に刺さるキラーフレーズだった。

TBSラジオでの冠番組『ツキの兎』もスタートしたラランド

そして、すでにスターの風格すら漂っている男女コンビ・ラランドは冒頭から「ニッポン放送の野上(大貴)さん、さようなら!」と有楽町の地でTBSラジオに愛の誓いを立てた。サーヤにけしかけられて『さんまのまんま』をYouTubeに違法アップロードするというニシダの役柄、あまりにも似合い過ぎている。

テレビでも活躍中の女性トリオ・ぼる塾

5組目は、ラランド同様にテレビでも活躍の場を広げているぼる塾。「今まで8年間『まあね』をやってきて、今日が一番ウケた」という田辺さん渾身の「まあね」が炸裂。彼女たちのYouTubeと同様に、どんな突拍子もないボケも3人の平和な空気によって許されてしまうような味わい深いネタだった。

蛙亭、錦鯉、空気階段……人気コンビが揃うなか、優勝はオズワルドに


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山本大樹

(やまもと・だいき)編集・ライター。1991年生まれ、埼玉県出身。明治大学大学院にて人文学修士(映像批評)。編集プロダクション勤務を経て、2019年に独立。現在『クイック・ジャパン』外部編集・ライターのほか、『BRUTUS』、『オードリーとオールナイトニッポン』シリーズ、『三四郎のオールナイトニッポ..

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