すべての芸人に「出てよかった」と思ってもらえる大会に。『マイナビ Laughter Night』越崎恭平Dインタビュー

文・編集=山本大樹 編集=田島太陽


コアなお笑いファンから愛される、“ネタ”に特化したラジオ番組『マイナビ Laughter Night』(TBSラジオ)。10月17日に開催されたチャンピオンLIVE終了後、ディレクターの越崎恭平に話を聞いた。立ち上げからリスナーと共に育ててきた番組への思いとは。


今後も「日本で一番いいライブ」と言ってもらいたい

TBSラジオ『空気階段の踊り場』でリスナーの心をつかんでいる空気階段。鈴木もぐら(左)、水川かたまり(右)
TBSラジオ『空気階段の踊り場』でリスナーの心を掴んでいる空気階段。鈴木もぐら(左)、水川かたまり(右)

――『マイナビ Laughter Night』は若手芸人の登竜門として注目度も高まっているかと思いますが、今後の展望はありますか?

越崎 全然「登竜門」みたいな、えらそうな立ち位置じゃなくて(笑)。若手芸人が一番最初に出られるメディアの番組、っていうくらいハードルが低くていいと思ってるんですよね。お客さんの懐が深いというか、まだほかのメディアに出ていない芸人が出ても、引かずに笑ってくれるんで。

チャンピオンLIVEは、優勝できなかった芸人でも「出てよかった」って思ってもらえる大会にしたいと思ってます。だから、お笑い関係者やメディア関係者の人にもたくさん声をかけて、会場に来てもらってるんです。テレビ局の人とか、他局のラジオ番組のディレクターとか、作家さんとか、雑誌の方とか……。

優勝者はTBSラジオで番組ができますが、ほかの芸人も少しでも仕事につながればいいなと思って、全然会ったことのない業界関係者にツイッターのDMを突然送って誘ったりしてます(笑)。

TBSラジオ『マイナビLaughter Night 真空ジェシカのラジオ父ちゃん』で活躍中の真空ジェシカ。ガク(左)、川北茂澄(右)
TBSラジオ『マイナビLaughter Night 真空ジェシカのラジオ父ちゃん』で活躍中の真空ジェシカ。ガク(左)、川北茂澄(右)

――そうした積み重ねがあって、お笑いファンから注目される番組になっていったんですね。

越崎 お笑い好きの人にも、ちょっとは信頼してもらえたかな、っていう感じですね。お世辞かもしれませんが『マイナビ Laughter Night』チャンピオンLIVEが、日本で一番いいライブだって言ってくれる芸人さんもいますし、それは本当にありがたいなと思います。これからもずっとそう言ってもらえるように、あくまでも敷居は低く、つづけていけたらいいなと思いますね。

ネタがおもしろければ、ちゃんと笑いが起きる

――今回のチャンピオンLIVEの率直な感想も聞きたいです。

越崎恭平ディレクター(撮影=鈴木 渉)

越崎 本当、素直に全組おもしろかったなって感じです。お客さんや関係者のアンケートを読んでても「久しぶりに客席でお笑いライブを観た」っていう声がすごい多くて。やっぱり、みんな生でお笑いが観たい欲が強かったんじゃないかなと思います。

――最初にファイヤーサンダーがめちゃくちゃウケたのも大きかったように感じました。

越崎 そうですよね。そこからオズワルド、カラタチとつづいて波に乗っていった感じでした。今年はラランドやぼる塾のように、月間チャンピオンになってからチャンピオン大会までの期間にどんどん人気者になった人も多くて。すでにスター感もありましたよね。

でも、彼女たちも知名度や人気だけじゃなくて、ちゃんと実力で笑いを取ってると思いました。まだそこまで知名度のないファイヤーサンダーやカラタチもウケてましたし、やっぱり知名度関係なくネタがおもしろければちゃんと笑いが起きるんですよね。それは本当に、お客さんのおかげだと思います。

――ラジオリスナーが多いこともあって、普段から耳を傾けてネタを聴いている人が多いのでしょうか。

越崎 そうかもしれません。本当にいいお客さんしかいないし、「どうやってお客さんを選んでるんですか?」って関係者にたまに聞かれるんですけど、本当にこちらは何も選んでるわけじゃなくて。ラジオ好きには、ただただ純粋にお笑いが好きなお客さんが多いっていうのは、今まで5年間やってきてすごく感じますね。


オズワルドの説明書になるような番組を

『マイナビLaughter Night』第6回チャンピオンLIVEで優勝を飾ったオズワルド。畠中悠(左)伊藤俊介(右)
『マイナビLaughter Night』第6回チャンピオンLIVEで優勝を飾ったオズワルド。畠中悠(左)伊藤俊介(右)

――そんな「全組ウケていた」大会で、見事に優勝を飾ったのはオズワルドでした。

越崎 正直、今回は今までで一番、誰が勝ってもおかしくない大会でした。実際、すごい接戦でしたね。たぶん、観てる人も誰が優勝しても違和感がなかったと思います。お客さんも別にスポーツとして観てるわけじゃないし、ちゃんとネタを楽しんでるからこそ彼らに票が集まったんだと思います。

――特番のラジオも楽しみですね。

越崎 オズワルドはオールナイトニッポンもやってるし、YouTubeで自分たちのラジオもやってるから慣れてるとは思いますが、まだ知らない人に向けてオズワルドの説明書になるような番組になったらいいなと思います。

まあ、せっかく優勝したんで自由にやってほしいですね。伊藤君は妹さん(伊藤沙莉)を呼びたいって言ってたんで、もし来てくれるなら伊藤君と入れ替えて、畠中君と伊藤沙莉さんでやってもいいですし(笑)。

――「当日に賞金を使い切る」と宣言して芸人仲間に焼肉を振る舞うなど、賞金の使い方もなかなか大胆でしたね。

越崎 ああ見えて意外に芸人なんですよね(笑)。全然そんなふうに見えないんですけど。それで後輩にも慕われてますしね。普段は減らず口だし強がってますけど、劇場の出番に遅刻して社員さんに怒られて号泣したこともあるらしいんで(笑)。(空気階段の水川)かたまりが「アイツは俺より泣き虫だ」って言ってたんで、そういう部分も見えたらおもしろいですよね。

――今回出場した芸人さんの中で、ほかにもラジオをやってほしいと思う人はいましたか?

越崎 本当に全組、番組を聴いてみたいというか……。ラランドはもちろんラジオでも達者ですし、ぼる塾はYouTubeの雰囲気もいいから、ずっとなんでもない話をしてても聴けますよね。

錦鯉さんもGERA放送局での番組では(長谷川)雅紀さんのエピソードトークがめちゃくちゃおもしろいですし。蛙亭も、ふたり共ラジオ向きですよね。吉住さんの視点もおもしろいし、ヤーレンズにしても独特の視点があるし……。ファイヤーサンダーはこの前、ラジオクラウドを録ったんですけど、今時めずらしいほど仲が悪いコンビでめちゃくちゃおもしろかったです。藤田君のちょっと抜けてる感じといい、﨑山君のちょっとトガった不器用な感じもいいんですよ。

カラタチなんて、ラジオにすごい向いてそうな雰囲気ですよね。本当に全組、聴きたいです。それぞれ自分たちですでに番組をやってたりもするので、ぜひそっちを聴いてほしいですね。


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山本大樹

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山本大樹

(やまもと・だいき)編集・ライター。1991年生まれ、埼玉県出身。明治大学大学院にて人文学修士(映像批評)。編集プロダクション勤務を経て、2019年に独立。現在『クイック・ジャパン』外部編集・ライターのほか、『BRUTUS』、『オードリーとオールナイトニッポン』シリーズ、『三四郎のオールナイトニッポ..

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