家飲みを楽しむ100のアイデア 取るに足らないことでもひとつずつ立ち止まってじっくり味わう(パリッコ✕スズキナオ)

2020.8.15

コロナが収束し、生きる楽しみに幅を出すには

ナオ 収録したアイデアの中で特に印象的なものはありますか?

パリ いや、特にないです。

ナオ はは。そうそう。自分から聞いておいてなんですけど、何か有益なノウハウがあるというよりも、どんなことでも「〇〇飲み」と言い張って楽しんでいく姿勢をぜひご覧くださいという感じなんですね。

パリ 決して「損はさせません!」じゃない。「人によっては損するかも!?」という。

ナオ でもさ、そしたら「損飲み」できますから。「損した本を横に置きながら飲む」というアイデア。

パリ わはは。その考えができる人はもう、『のみタイム』買わなくてもいい。「買ったつもりで飲んでみる」で、じゅうぶん飲めますからね。

ナオ 本の中にも書いたんですが、自粛期間中にパクチーを育ててみたんですよ。芽が出るまで時間がかかって、「そんな簡単に生えてくるわけないか」と諦めたりして。でも後日、芽が出て、それほど大きくは育たなかったんですが、ちゃんとパクチーの味がする葉っぱができて、それを味わいながらチューハイを飲んだりしたらもうかなり楽しいじゃないですか。

パリ いいなぁ。それでいうと僕も、「ラーメンスープを作りながら飲む」っていうのをやって、8時間ぐらい煮込みつづけたのに、結果ぜんぜん大した味じゃないんですよ。けど、それがなんだか楽しい。もう、家でも一生飲んでられますよね。

ナオ うんうん。取るに足らないようなことでも、ひとつずつ、とりあえずその前で立ち止まってじっくり味わったらもう「〇〇飲み」が可能だという。

パリ 便利だなー「〇〇飲み」。でもさ、その力を向上させておけば、今後、コロナが収束したとして、生きる楽しみに幅が出ますよ。

ナオ そうかもしれないですね。

パリッコ/スズキナオ『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』(スタンド・ブックス)目次

パリ  「待ち合わせに遅刻しながら飲んでみる」

ナオ はは。それを楽しみに変えられるようになってるからね。「そして上司に叱られたあとで飲んでみる」

パリ  「小言を肴に熱燗を飲んでみる」

ナオ 無限に生み出せる。やっぱり、今だからこそできた本ですね。友達が「コロナのことが収束に向かっていくのがいつなのかまだ全然わからないけど、この時期だからこそじっくりと取り組めることもある」と言っていて、筋トレしたり、食生活を見直したり、自分を整えることに時間を使っていて。いつか大手を振って外に出られるときに向けて準備しておく期間だと。

パリ 偉いなぁ。なんだかみんな、大変なことも多い一方、割といいこともあるって言ってますよね。コロナは恐ろしいけど、今の生活に関しては悪いばっかりじゃないと。だって、満員電車って、言ってみりゃ負の連鎖のような現象じゃないですか。それに乗る機会が減ってよかったと思ってる人がいるというだけで、なんというか、何かのきっかけにはなってるんじゃないかっていう。

ナオ そうですよ! なので我々も改めてこの機会にお酒というものを見直してみようと、そういう姿勢が反映された一冊になっている。

パリ つって、8割くだらないですけどね。あと、偉そうなこと言ったばかりですけど、単に飲み過ぎてる気もする。最近。

ナオ ははは。まぁ「100のアイデア」は私たちふたり以外にも、泡☆盛子さん、玉置標本さん、古賀及子さん、たけしげみゆきさん、山琴ヤマコさんといった頼れるメンバーに手伝ってもらってるので。

パリ ほれぼれするメンバーだ。信頼しかない。

ナオ なので「8割くだらない」の8割は私たちで。

パリ そうそう。

ナオ あとは問題なし! そして、特集以外の執筆陣も最高です。

パリ その方々の原稿があるから、より豪華になりましたね。

家飲みの日々はつづくが、それでも家飲みは楽しい!

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パリッコ

1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、ほか。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』『酒場っ子』『ほろ酔い!物産館ツアーズ』、スズキナオ氏との共著に『“よむ”お酒』『酒の..

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