和田彩花ライブレポ、豊崎由美による『破局』評ほか<今週のおすすめ記事>
長い梅雨も明け、ようやく夏らしくなってきました。某知事の「イソジン会見」も大きな話題になった今週。編集部が本気で読んでほしい「QJWeb 今週のおすすめ記事」をお届けします。
今週のおすすめ記事
8月1日、Zepp Tokyoにて行われた『和田彩花ライブ「2020 延期の延期の延期」』のレポート。記事中で「和田彩花の複雑怪奇な魅力があらわになった」と表現されるように、彼女のさまざまな面が見られるライブレポートになっています。「アイドルか活動家」と自身の肩書を表現する和田彩花さんのように、「自分とはこういうものだ」というアティテュードを持って発言をする女性たち、社会を変えようと声を上げる人たちを応援し、ウォッチしつづけていきたいと思います。
そんな「日本を変えていく女性たち」の存在にフォーカスを当てたのが、ジャーナリスト古田大輔さんの記事です。「#緊急避妊薬を薬局で」という取り組みを報じたNHK『おはよう日本』の中で露呈した、男性優位社会の問題点に対して、声を上げた多くの女性たちがいました。芸能界を見ても、広く問題提起をするような発言を積極的に行っているのは、前出の和田彩花さんはじめ、ローラさん、水原希子さん、バービーさんなど、やはり女性が多いように感じます。
豊崎由美さん、『破局』と著者の遠野遥さんのキャラクターを絶賛しています。豊崎さんが「こんな一人称語りは初めて」と目を見張ったという「語り」の解説などを読んで、「書評/批評はそれ自体も創作的行為である」とテクスト論の先生に大学で教えられたことを思い出しました。『破局』、読ませていただきたいと思います。
トリプルファイヤー吉田靖直さんが、コロナ禍で人に会わないので、髭を伸ばしてみた、というそれだけの話なのですが、どうしてこんなにおもしろいのでしょうか。「異能」という言葉が頭に浮かびました――。
寡聞にして326(ナカムラミツル)さんを存じ上げず、「326」が「ミツル」を表していることに気がつくまで時間がかかってしまったのですが、このスタイルは『ケロロ軍曹』の登場人物、北城睦実(ほうじょう・むつみ)に「623」として受け継がれていたことを思い出しました。吉崎観音先生は直撃世代だったのでしょうか。「あんなに楽しそうに振る舞われたら『もう1回ぐらい呼んでみようかな』って思うのが人情である」と、板川侑右さんの語り口は冷静でありながらいつも優しく、読んでいて温かい気持ちになります。
クイック・プレイバック
8月5日にファーストシングル『憂鬱も愛して』が発売されたコレサワさん。ひとつ前のミニアルバムリリースの際には、失恋をテーマにしたインタビューが『クイック・ジャパン』に掲載されました。「『失恋した人にオススメ』の6作品」にクリント・イーストウッド監督作品が入っていたりと、絶妙なセレクトに、コレサワさんのセンスが光ります。
(本記事は、2019年12月25日に発売された『クイック・ジャパン』本誌vol.147掲載のインタビューを転載したものです)。
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