太宰治の孫・石原燃の芥川賞候補作を読む。「太宰の孫らしさ」を求めるより、津島佑子へのレクイエムとして味わいたい

2020.6.24
太宰治津島佑子石原燃

文=杉江松恋 編集=アライユキコ


「太宰治の孫」が芥川賞候補に! 6月16日に発表された「第163回芥川賞候補作」作家のひとり、石原燃がその日のツイッターのトレンドになっていた。太宰治の芥川賞への執念は孫の代で成就する? 書評家・杉江松恋が候補作「赤い砂を蹴る」を読む。 母系家族の小説である 第163回芥川・直木賞候補作が発表になった。芥川賞は5作のうち4作が初候補の作家で、「赤い砂を蹴る」(『文學界』6月号)の著者・石原燃が「太宰治の孫」であるということが一部で話題になっている。「津島佑子の子」であるほうがよほど大事なのだが、理由は


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杉江松恋

(すぎえ・まつこい)ライター、書評家。『週刊新潮』などのほか、WEB媒体でも書評連載多数。落語・講談・浪曲などの演芸にも強い関心がある。主要な著書に、『読みだしたら止まらない! 海外ミステリー マストリード100』『路地裏の迷宮踏査』、体験をもとに書いたルポ『ある日うっかりPTA』など。演芸関係では..

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