ラジオ日本の日曜夜“黄金の3時間”を君は知っているか?

2020.6.7

文=轟 夕起夫 編集=森田真規


長くつづいた外出自粛生活で、今またラジオが注目を集めている。「ながら聴き」ができ、パーソナリティとの距離が近いラジオは、テレワークにも、薄まる人間関係の寂しさを埋めるのにも、相性抜群のメディアなのだ。

そして、音楽好きにおすすめしたい3番組が、日曜日の夜にラジオ日本で放送されている。グッド・オールディーズに特化したプログラムがつづくこの時間を、文筆家の轟夕起夫氏は“黄金の3時間”と命名した――。


17:55〜:サザンの名づけ親による『宮治淳一のラジオ名盤アワー』

ある日ふと、電撃的に“黄金の3時間”というフレーズが浮かんだ。頭の中に「降りてきた」と言ってもいい。それからはひとり興奮を抑えられず、この天啓を一刻も早く皆さんに伝えなくては──と、使命感にさえ駆られたのであった。

って、ちょっと落ち着けよ、俺。話が前のめり過ぎて、なんのことだかわからないじゃないか。

では、仕切り直しを! 現在、AM放送局のラジオ日本では日曜の17時55分から21時まで、『宮治淳一のラジオ名盤アワー』『THE BEATLES 10』『クリス松村の「いい音楽あります。」』の(グッド・オールディーズに特化した)3番組が連続で放送されているのだ。で、筆者は勝手ながら、これらをまとめて“黄金の3時間”と名づけてみたわけだが、なぜ“黄金の”なのかはのちほど説明するとして、まずはご存知ない方のために各プログラムの魅力を素描してみたい(基本的に敬称略)。

「この番組はここ東京港区麻布台が世界に誇る、ラジオ日本の歴史的スタジオから、古今東西、名盤の数々を、有名無名問わず皆さまにお届けする、めったにないマニアックな音楽番組です」という名調子で始まる『宮治淳一のラジオ名盤アワー』。「レコードはかけなきゃ音が出ない。そのとおりでございます」と決めの言葉をつづけ、「お相手は日本一のレコード大好き男」とのたまう、かの桑田佳祐とは小・中学と同級生、“サザンオールスターズ”の名づけの親でもある宮治さんの趣味全開の60分だ。

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日本屈指のレコードコレクターとして知られる宮治淳一が、時代背景を解説しながらグッド・オールディーズを紹介

先月の5月17日はまるまるリトル・リチャードの追悼で、24日は「1968年6月1日」のUSヒッツ特集、宮治さんが中学1年のときのヒットチャートが紹介されたのだが、ローラ・ニーロの楽曲をカバーしたフィフス・ディメンションの「Stoned Soul Picnic」がツボでしたなあ。ミリオンセラーへの第一歩、なんと初登場95位でした。31日の放送では「明るい未来の応援ソング特集」と題してポジティブになれる選曲が。「On the Street Where You Live」、邦題「君住む街角」を歌ったカテリーナ・ヴァレンテをさらりと解説、「“歌う通訳”と言われていて、6カ国語をフツーにしゃべる」と。こういうワンポイントが大切なんですね。

そして、ラストにかかったキャロル・キングの「Music」。彼女のボーカルもいいけれど、当時の夫チャールズ・ラーキーのベースとサックスソロの絡み具合が抜群。これぞ「音楽がなくては生きていけない」人々のためのセレクト。ちなみに宮治さんのことを、映画『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』(2017年)で知っている方も多いのでは。実は筆者も茅ヶ崎育ち。元となった宮治さんの名著『1966年の「湘南ポップス」グラフィティ』と『MY LITTLE HOMETOWN 茅ヶ崎音楽物語』を当然読んでいます!

19:00〜:ビートルズのトップ10を決めて17年目『THE BEATLES 10』


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轟 夕起夫

(とどろき・ゆきお)1963年東京都生まれ。映画評論家。近著(編著・執筆協力)に、『好き勝手 夏木陽介 スタアの時代』(講談社)、『伝説の映画美術監督たち×種田陽平』(スペースシャワーブックス)、『寅さん語録』(ぴあ)、『冒険監督 塚本晋也』(ぱる出版)など。読む映画館 todorokiyukio...

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