川後陽菜が綴る、SNSと誹謗中傷「こういうときこそ本性が出る」

2020.6.8


SNSの楽しさと誹謗中傷

そういえば、自粛期間中に友達同士のノリで「#うちで酒呑もう」という動画を作って公開しました。もちろん星野源さんの「#うちで踊ろう」から発想したもので、ちょっとおふざけというかパロディにした感じなのですが、一緒に作った人たちがまわりにどんどん声をかけて、いろんな人がコラボしてくれたのは楽しかったです。

ただ、そういった楽しさがある一方で、コロナ禍のSNSはちょっとギスギスした雰囲気もありましたよね。直接、批判や誹謗中傷のリプがくることはありませんが、私もエゴサすればイヤな意見が目に飛び込んでくることがあります。あまり気にしてないですが、みんな家から出られないストレスや、仕事がうまくいかないイライラのようなものがあるんだな、というのはすごく感じてました。

『テラスハウス』での悲しい事件を受けて、SNSの発信者情報開示がしやすくなるように制度改正が検討されているみたいですが、誰かが亡くならないと動かないのは悲しいなと思います。でも、誹謗中傷で活動ができなくなってしまった人もたくさん見てきたので、少しでも改善されていくのはいいことじゃないでしょうか。私も、「芸能人なんだからスルースキルがないと」みたいに言われることはけっこうありましたが、そうではないんだということがわかってもらえる世の中になってほしいです。

コロナ禍で見える人の本性

SNSを使うときは、一応、私も人に見られる仕事をしてるので、批判やトガった意見は書かないようにしてます。そもそも、悪口や文句とかネガティブな意見は書かなくていいなと思うし、書いたところでストレス発散になるわけでもないじゃないですか。ネットだけで生きてるわけでもないので「書きたいけど書けない」みたいな気持ちもないですね。

もちろん世の中には炎上商法みたいなことはあるし、炎上系のアイドルはむしろ好きだけど、言っていいことと悪いことはわきまえなければいけないなと思います。というか、度が過ぎないように…ですね。自虐ネタはいいと思うけど、誰かをダシに使うのはダメかなと思います。私の場合だと、今まで仕事をしてきた人や、以前所属してたグループについて話すときは、かなり慎重になります。お世話になってたところに対して暴露や不誠実な態度を取って炎上する人がけっこういるじゃないですか。私の感覚だとまずそれはあり得ないし、絶対にやらないですね。

ただ、こうやってひとりでずっと家にいて、話す相手もいない状況だったりすると、いろいろ考えすぎてしまう人もいるのかなと思います。気持ちが落ちてきたときに、誰かを攻撃して発散してみたり、逆に殻に閉じこもって鬱状態になってしまったり。私は「こういうときだからこそ人の本性が見えるな」と思いました。SNSでいろいろな発言を見て、私はシンプルに「ああはなりたくないな」と思うような投稿もあったので、このコロナ禍というのは、人付き合いを考えるいいきっかけにもなったんじゃないかと、そんな気がしてます。


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川後陽菜

(かわご・ひな) 1998年3月22日生まれ、長崎県出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションで合格したことを機に上京。グループ活動中は「川後P」の愛称でプロデュース業や『Popteen』誌の専属モデルを務めた。2018年12月にグループを卒業、現在はフリーでマルチな活動を展開している。 川..

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