納言・薄幸が愛する“せんべろ居酒屋”の魅力「客のおっさんたちはもちろんガラケー」
ヘビースモーカーで酒飲みという時代と逆行するキャラクターと“街ディス”を武器に、『アメトーーク!』『ゴッドタン』など多くのテレビ番組に出演し、ブレイク中の納言・薄幸(すすきみゆき)。
肩肘張らない雰囲気と安く飲める価格設定が魅力。そんな、せんべろ居酒屋が薄の地元千葉県の「千葉市美術館」にできたというニュースが。酒の話となったら黙っていられないとばかりに、せんべろ居酒屋への愛を綴る。
安くて落ち着くせんべろ居酒屋
私は、毎晩酒を飲んでから寝床につく。なぜかと言うと、酒を飲まないと「1日が終わったんだ! お疲れした!」と、脳みそが認識してくれないからだ。
飲まずに寝ようとすると脳みそが「おいおい。まだ1日終わってないだろ? なーに寝ようとしてんだ、グズ!」と騒ぎ出し、なかなか眠れない。
いつからこんな話の通じない脳みそになっちゃったのだろうか。とにかく毎晩酒を飲む生活を、ここ何年も送っている。
“せんべろ居酒屋”という言葉を耳にした事はあるだろうか? 千円握りしめて行けば、ベロベロに酔っ払える居酒屋のことだ。
私は、頻繁にせんべろ居酒屋に行く。
客は競馬新聞を広げながら、歯に詰まるようなもん食ってないくせに爪楊枝を咥え、それロックだろっていうほどにそれはそれは濃いホッピーを飲んでるおっさんたちばかり。もちろん、ガラケー。
そんな、愉快なおっさんたちがいるせんべろ居酒屋が好きで、よくお世話になっているのだ。
まあ、時には桁が外れた量の酒を飲んでしまって、千円余裕で超えちゃった〜!だなんてお茶目な失敗も、私は、毎回している。
それでも普通の居酒屋に行くよりは安く済むし、雰囲気も落ち着くし、料理もうまい店が多くて大好きなのだ。
あの、壁に貼ってあるヤニ汚れでもともとの色がわからない手書きの紙のメニューがいいんだよな。
なんか知らないけど、テーブルに置いてあるメニューの3倍くらいの量のメニュー貼ってあるし。
コンタクト忘れて行ってたらと思うと、震えるぜ?
「お姉ちゃん!上野、どんな街だ?」
せんべろ居酒屋は上野なんかに多く存在している。前に上野で芸人仲間と飲んでいたとき、後から店に入って来たおっさんが私に気づいて
「お姉ちゃん! 知ってるよ! 上野、どんな街だ?」と声をかけてくれた。
私は「渋谷はもうバイオハザードだな」といったような、街のことを悪く言うネタをやっているから、上野バージョンでやってほしかったのだろう。
若干めんどくせえなと思いながら
「上野のじじいは、歯の数がひと桁だなあ」と返した。
するとおっさんはなぜかツボに入ったようで、口を大きく開けながら、ケタケタと笑ってくれた。
そのおっさん、歯の数が0本だった。
超えてきやがった。
もちろん、ガラケーだった。
非常に楽しい夜だった。
ちょっと話は逸れまくったが、わざわざ上野にまで出向くほどせんべろ居酒屋を心から愛しているのだ。
そんなせんべろ居酒屋が、なぜか千葉市の美術館の中にあるのだと言う。
美術館に行った経験は数えるほどしかない私だが、これは興味深い。
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