「う~ん、これって~」と“上”だった南キャン山里に歯向かい始めたオードリー若林(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


『たりないふたり』

「秋」編の今回は日曜お昼に2週にわたって放送。その前編。冬に披露するという新作漫才に向けてふたりの関係性を改めて振り返るということで、山里による「私、山里亮太はいかにして若林正恭より“下に”成り下がったのか?」という“フリップ芸”。

「2009年の中野の居酒屋での初会合」から振り返り始める山里に「お昼の視聴者興味ない」と言う若林だが、初見の視聴者に向けた『たりないふたり』の振り返りとしても秀逸だった。2009年といえばオードリーが前年年末の『M-1』準優勝でブレイクし、テレビに出始めたばかりの時期。

一方、山里は同期だが、4年前の『M-1』でブレイクしてすでに売れっ子。「売れてない時期の4年は長い」から「すごい人が世の中にはいるんだと思った」と若林が振り返るように、若林の目線は「山里さんに憧れてます感」だった。そのため「ポッと出のオードリーを引っ張ってあげよう」という意識だったと山里は言う。その当時の位置関係をフリップの上隅に山里、下隅に若林と描き表現する山里に、「ホントに人間を上か下かで見てる人なんだなあって」と笑う若林。そこに山里「すぐ総括するだろ、総括癖があるぞ!」。

『たりないふたり』の初ライブでもネタ作りは山里主導。当時、ふたりとも「じゃないほう芸人」。若林は「だいたい髭男爵とジョイマンが横にいて、前の段に鼠先輩」だったと述懐。自分にはマイクをつけられず「しゃべるときは春日のほうに寄ってしゃべってください」と言われていたそう。

ふたりの関係性が変わっていくのは『たりないふたり』のテレビ放送が開始された2012年ころから。オードリー激売れの時期。びっしり収録をこなしたあと、『たりないふたり』の稽古があり、さらにそのあと、体を張る『黄金伝説』のロケに行くというハード過ぎるスケジュール。

そんな「便利屋の若ちゃん」に対し、山里は一段上の「顔出ない系MC・サブMC」という立場。「過度のストレス」を抱えていた若林は山里がネタを渡したとき「う~ん、これって〜」と異論を唱え始めたという。「この子、歯向かい始めたな」と感じた山里。ついにはネタ台本の「どうも、たりないふたりです」以外のところすべてに赤線が入ることも。

このころ、Wツッコミから若林がボケ、山里がツッコミに変更。公には「山里さんにツッコミは敵わないからボケにした」と言っていた若林だが、実情は「山里はボケに一切触れるな」ということだったのではなかったのかと山里は言う。「ヘトヘトでプライドとかまでケアしてあげられなかった」と言う若林。「ごちゃごちゃ言ってんなよ!って思ってた(笑)」。

このふたりならではのポジションの奪い合いが最高におもしろい。

『ヒルナンデス!』

喫茶店巡りのロケに小峠と共に向かったのはなんと宮本浩次。いつものように頭をかきむしりながら登場し、照れておどける仕草を見せる宮本に「なんちゅう登場ですか! もっと大物感で来てください」と小峠。

喫茶店は大好きという宮本だが、食レポにもかかわらず、出された食事を特に感想を言うことなくすぐに平らげてしまう。コーヒーを飲む際もその味ではなく、「陶器ですかね? 木ですか?」と器ばかりが気になる。ひたすらチャーミングだった。


『有田ジェネレーション』

お笑い大好きなDJ KOO激推し芸人。彼がキュレーターを務めるライブに出演したことがある納言・幸は「信じられないくらい漫才中に話しかけてくる」と証言するが、さすがにネタだと思ったら、本当だった。ネタ中「それな!」などとずっと反応してしまうKOOに、「フェスじゃないんですよ」「しゃべっちゃダメ!」と注意する有田たちだが本人は一切悪気がなく、自分がネタの邪魔になっていることにまったく気づいていない。

こういう“困った客”はまれにライブにいたりするけど、本当に悪気がないから困ってしまう。結果、下剋上バトルは「無効試合」という判定に。KOO、他人事のように「意外な展開でしたねえ」。

今日観たい番組:『ロンハー』でさまぁ~ず大竹×かまいたち山内など

『ロンドンハーツ』(テレ朝)は「サシ飲み企画」でさまぁ~ず大竹×かまいたち山内、バイきんぐ小峠×パンサー向井。

『チマタの噺』(テレ東)にふかわりょう。

『あちこちオードリー』(テレ東)はカミナリ、ダイアンの後編。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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