池袋の中華スーパーで未知の食材を買い込み、先の読めない晩酌を楽しむ(パリッコ)

2020.9.23

パリッコのマイバスケット・イズ・スーパーマーケット 第8回

文・写真=パリッコ 編集=森山裕之


『酒場っ子』、『天国酒場』などの著書を持つ、人気酒場ライター・パリッコさんが提案する「スーパーマーケット」の楽しみ方。

近年、自然発生的に中華街化している池袋北口界隈を散策し、飲むのが大好きだ。日本人がほとんどおらず、店員も客も中国語で会話をしているのが当たり前の風景である街の中華スーパーを、中国旅行に来た気分で味わい尽くす。

池袋北口リトルチャイナタウン

もう何年も前から、池袋北口界隈がちょっとした中華街と化している。といっても、横浜、神戸、長崎のような歴史ある中華街とは違い、あちら出身の人々がなんとなく集まってじわじわとでき上がった、自然発生的なコミューンのようだ。界隈にある中華料理屋は、日本人向けのチューニングなど一切なしの本場の味。メニューにだって日本語表記はあって補足程度。そもそも客に日本人がほとんどおらず、店内では店員も客も中国語で会話をしているという風景が当たり前となっている。

僕は1年半前まで池袋で会社員をしていたし、怪しげな雰囲気の酒場を巡るのも大好きなので、ちょっといかがわしくて危ない雰囲気もあるこの一帯を、物珍しさから散策してみるのが好きだった。中国東北料理の「永利(エイリ)」、四川料理の「知音(チイン)食堂」、延辺(エンペン)料理の「楽楽屋」などに代表される、各地の味が気軽に楽しめる中華料理屋で飲むものも大好きだ。

そういう街だから、中国食材専門のスーパーマーケットだってもちろんある。中でも最大の規模を誇るのが、駅北口からすぐのビル4階にある「友誼(ユウギ)商店」だろう。

友誼商店

そこにあることを知らなければ進んで入ろうという日本人はあまりいないだろう店。もちろんメインターゲットは中国人。が、よそ者目線の興味本位でちょっとだけお邪魔させてもらうと、これがものすごく楽しいのだ。

最近、最近、2019年末に友誼商店内にオープンした「友誼食府」というフードコートを別の媒体で取材させてもらうため、この場所に数度足を運んだ。すると、友誼食府はもう、まるっきり中国旅行に来たみたいな雰囲気が味わえてそれはそれはいい店なんだけど、改めて、久しぶりにやってきた中華スーパー自体の楽しさも思い出すことができた。

スーパー内部。価格表示が「円」であること以外に日本的要素がない

そこで今回は、この中華スーパーで酒とつまみをあれこれ買い、自宅で異国情緒あふれる晩酌を楽しんでみようと思う。

わからないにもほどがあるつまみで酒を飲む


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