納言・薄幸が考えるサイゼリヤ“1円値上げ”「いろんな意味でかっけえ」


文=薄 幸 編集=谷地森 創


リーズナブルな価格で、豊富なメニューが楽しめるレストランチェーン・サイゼリヤ。コロナ禍の6月23日「値上げをする」と発表したニュースは、大きな衝撃を持って迎えられた。

ヘビースモーカーで酒飲みという時代と逆行するキャラクターと“街ディス”でブレイク中のお笑い芸人、納言・薄幸。16歳のころからサイゼリヤでアルバイト経験のある彼女が、自身とサイゼリヤの長年の関係と今回の「値上げ」について、率直な言葉で思いを綴った。

サイゼのバイトをハシゴしてやった

高校生のころから。というか、農業高校中退しているから、ただの16歳のころから約2年間、私は千葉県内のサイゼリヤでバイトをしていた。そして、お笑い芸人を目指し、ひとり暮らしを始めた18歳のころにもまた、別の都内のサイゼリヤでバイトを始めた。サイゼのバイトを、ハシゴしてやった。

バイトの日は、サイゼで賄いを食って。休みの日も、サイゼに行って普通に飯を食っていた。私自身がでかいサイゼだと誤解されてもおかしくないほどには、サイゼを愛していた。

16歳のころは、ただでさえ安いサイゼのメニューの中でも、一段と安いミラノ風ドリア(当時299円)や、ペペロンチーノ(当時299円)を頼んでいた。辛味チキン(当時299円)は、主食のドリアやパスタと同じ値段だから、高価なほうだという認識だった。だから注文するときは勇気がいったもんだ。まあ、16歳だから金も持ってなかったし。

そして、芸人始めたての18歳のころ。さらに金持ってなかった。辛味チキンを注文するときは、ライブでめちゃくちゃウケたときか、信じられないほどにスベったときだけだった。

辛味チキン(撮影=編集部)

私もそうだけど、“サイゼは安い”というのが世間的なイメージだと思う。グラスワインなんて100円だもん。普通の居酒屋だったら、割り物の“氷”なんていう、冷やすことしか長所のない、酔えない固形物に100円かかっちゃうんだから。そう考えるとマジですごい。

長年愛していたサイゼに「裏切られた」

そんな安くて旨いサイゼが、7月1日からなんと値上げするとか言い出した。マジで耳を疑った。裏切られた。サイゼに裏切られた。長年愛していたサイゼに裏切られ、虚無感に苛まれた私だったが、それから何日か経ったある日、たまたまサイゼに行く機会があった。

私、サイゼ値上げのことなんて、これっぽっちも覚えていなかった。いつもどおり席に座りメニューを開いて、そこでやっと“そういえば値上げしてたんだ”ということを思い出す。

ミラノ風ドリア299円→300円

正直な感想“おい!1円かよ!”

ほかのメニューも多少の誤差はあるけど、目ん玉ひんむくほどの値上げはしていない。どうして、こんなわずかな値上げをしたのかというと、299円とかキリの悪い価格にしてしまうと300円や500円とかを出されたときに、お釣りを渡さないといけない。価格を、「〜50円」、「〜00円」にして、小銭の受け渡しによる、コロナウイルス感染を予防するためらしい。

確かに私もサイゼでバイトをしていたとき、1円玉のお釣りを渡す機会が多過ぎたおかげで、目をつむった状態で、手の平に今何枚1円玉が置かれているかを当てられる、という特技を身につけることができた。その特技でテレビに出られた、合コンでモテた。みたいなそういう得したことは今のところ、ない。

まあ、でも不思議なもんで、300円と299円。1円しか変わらないはずなのに、299円って言われると、300円に比べてずっとずっとお得な気がしちゃうもんなんだよな。

サイゼは、いろんな意味でかっけえ


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