「IPPON女子グランプリ」松本人志が「こいつヤバい」と驚く才能が開花したのは?(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『まっちゃんねる』

ほかの企画も用意していたというが、予想以上に盛り上がったということで「IPPON女子グランプリ」だけで2時間。ハリセンボンはるか×Aマッソ加納×蛙亭イワクラ×3時のヒロイン福田による「女性芸人」編は、おもしろくて当然かなと思っていた通り、レベルの高い戦い。

はるかは本来、本家『IPPONグランプリ』の常連になっていてもおかしくない強さであることは、お笑いファンなら衆知の事実だし、ほかの3人も一度は出ているべき存在。初期ははるかを含め毎回ひとりは女性芸人が参戦していたが、女性芸人の活躍が目覚ましい近年は、逆にほとんどキャスティングされていないといういびつな構造になっていた。これを機に女性芸人も積極的に起用してほしい。

実際の戦いは、優勝候補と目された加納が思った以上に苦戦するなか、「球種」の多さで点差以上に頭ひとつ抜けていたはるかの圧勝。「女王」の風格があった。

そしてやはり予想できない爆発的なおもしろさだったのが「女性タレント」編。挑戦するのは『IPPON』の裏で勝手に生配信など大喜利愛がハンパない滝沢カレン、大喜利未知数の神田愛花、仕事の半分以上が大喜利(大悟「笑い飯・西田さんの仕事の仕方」)という本命・渋谷凪咲、天然キャラで松本が「ダークホース」と称す王林の4人。

「壁ドン以上のキュンキュンを教えてください」というお題にはまず渋谷が「尻モギ」と即答。鮮やかなIPPONを奪取。「ルールを知ってますから」と川島。その直後、神田は「ポルシェ&フェラーリ&ブガッティ」とバカリズムが「ルール全然わかってない」と苦笑いする回答。かと思えば、ちゃんとした名回答も出す奇想天外っぷり。

カレンが「片ミミづかみ」などイメージとは裏腹に“正統派”な回答を出すなか、王林は「普通、あんな入り方したらウケないんだけど」と大悟も困惑するように、回答の前に前振りをしつつ「ぼうこう暴大男」などぶっ飛んだフレーズを生み出し、松本をして「こいつヤバい」と言わしめる。さらに「コンパで横の席になったケンタウロスを褒めてやってください」というお題でも「下の方にも乳首あるんですね」「何頭身ですか?」など川島が「画が浮かんでる」と賞賛する回答を連発し王林の意外な才能が開花。それぞれの個性が爆発し、4人の得点がほぼ並ぶ激戦に。

最後のお題は、バカリズム考案の「かわいくないことをかわいく言ってください」。それにまず押したのは渋谷。早押しのお題はすべて渋谷から。流れを作ろうとしているのがうかがえる。その1答目が「尿」と書いたフリップを先に見せて「にゃー」と回答するこれ以上ないもの。圧巻だった。

だが「人の考えたお題を台無しにしやがって」とバカリズムが苦笑する、神田の「マントヒヒ」押しの回答などで場が荒れまくり。特に渋谷は、周りも本人も「優勝」して当たり前というような意識があっただろうから、想像を絶する神田と王林の強烈なインパクトにペースが乱された感じ。

一方、終始マイペースで「ゴツゴツのエゾジカ」「足裏ゴミだらけだね」「イカゲソ鬼炒め」などと自分流の回答を続けたカレンが終わってみればほかの3人を突き離すIPPONを獲得し見事優勝。フリップを片手に持ったまま回答を書いたり、かるたのお題では札に併せてフリップを縦に使ったり所作にもこだわりが感じられるのもとてもよかった。

はるかが「是非お断りしたい」と言いつつ実現したはるかvsカレンの頂上対決もとても見応えがあった。

『かまいガチ』

楽屋のドアをノックし最高のリアクションを引き出す「全日本コンコンダッシュ選手権」。芝がノックするのは錦鯉・長谷川。まずはノックして普通にいなくなるとゆっくり外を確認して「これはなんだ?」という表情の長谷川。3回目のノックで芝は昭和レトロを感じるグッズを楽屋口に置いていく。長谷川は明確にカメラを意識してか、マスクをして外に出てそれを確認。数分考えた末、「懐かしい」と一言。CHAGE and ASKA風の衣装が置かれると、ASKAの衣装を着るも、サンプラザ中野だと勘違いして「RUNNER」を歌い出す。

佐々木久美はみちおに仕かける。そのみちおが「能力者」のように聞き耳を立てたり「モンスター」のように奇声をあげたり、終始、怖い。追いかけ方もホラーのそれ。最後、「キャー!」と叫ばれ逃げられると、哀しい顔で佇むみちお。まさに「哀しきモンスター」。捕まえたらどうしようと思った?と聞かれ「捕まえてみないとわからないですよ」と不敵に笑うみちおがまた怖い。

山内はザブングル加藤に。ほかのふたりもそうだったが、加藤はノックされても自分ではドアをなかなか開けにいかないというのも興味深い。最後、山内を追いかけ回す画がくだらなくて最高だった。 3人とも何かしらのテレビの収録だということに気づいてからの、どういうことかわからないなりになんとか成立させようと奮闘する様がおもしろかった。


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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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