『IPPONグランプリ』をイラストでプレイバック!空気を変えたザコシ「火花ションベン」、ラストの大悟は「アイーン」していた?

2022.5.23
イラスト/まつもとりえこ

イラストと文=まつもとりえこ 編集=アライユキコ


5月21日夜9時から放送された第27回『IPPONグランプリ』(フジテレビ)。松本人志(ダウンタウン)をチェアマンに、飯尾和樹(ずん)、川島明(麒麟)、ZAZY、大悟(千鳥)、千原ジュニア(千原兄弟)、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、バカリズム、ハリウッドザコシショウ、山内健司(かまいたち)、渡辺隆(錦鯉)(五十音順)が繰り広げた笑いの熱闘を、お笑いマニアのイラストレーター・まつもとりえこが描いて書く!(一部、大喜利回答の表記を読みやすく整えています)


ZAZY「すいませんしんいちさん、これが現実です」

注目の初出場は、2021年『M-1グランプリ』の王者、渡辺隆(錦鯉)と2022年『R-1グランプリ』準優勝のZAZY。待っていました、やったー!
さらにスーパーサブとして客席には『R-1グランプリ』優勝優勝のお見送り芸人しんいち。優勝者がサブで準優勝者が本戦出場という状況にしんいちが不満を漏らせばZAZYが「すいませんしんいちさん、これが現実です」と煽る。ケンカ芸込みで楽しい幕開け。
スーパーサブにはもうひとり、堂前透(ロングコートダディ)の姿が。堂前は『千原ジュニアの座王』(カンテレ)で大活躍の大喜利の名手。

Aブロックの緊張を変えたザコシの回答

イラスト/まつもとりえこ
Aブロックハイライト!イラスト/まつもとりえこ

Aブロックのメンバーはバカリズム、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、大悟(千鳥)、渡辺隆(錦鯉)、ハリウッドザコシショウ。

第1問は「水戸黄門が鬼越トマホークの喧嘩を止めたときに言われそうなことを教えて下さい」。
初回答を出す渡辺の声とフリップを持つ手が震えている。緊張がビリビリと伝わってくる。隆さんのこんな姿初めて見たかも……!
(だが見事IPPON!)

第1問が終わってコメントを求められた野田クリスタル。
「今日のために脇汗止める注射打ってきたんです。ビッショビショですね。薬が通用しない」
それを受け渡辺も「僕も声が震えない注射を打ってくればよかった」。
数多の大舞台を踏んでいる漫才王でも緊張を隠せない、そんな番組なのだと改めて思ったシーンだった。
(過去回にも優勝した博多華丸・大吉の大吉の手が震えていたことがあったっけ)

緊張気味の空気を変えたのが第3問「写真で一言」でのハリウッドザコシショウ。
「火花ションベン!!」
隣の渡辺も手を叩いて笑う。くだらな過ぎて、最高。
チェアマンの松本も「ザコシらしいなー」と笑う。ええやんええやん!
大悟も「やっぱ笑うって大事で。火花ションベンで今バッと笑えたんで、すごく楽になりました」とコメント。えっ大悟も緊張してたの!

緊張が解けたからなのか、第5問「あの河童大付属第三高校の校歌のあなたが好きなフレーズを教えて下さい」で大悟の自由さが爆発する。
強敵バカリズムを抜いて、決勝進出。


Bブロックにも「火花ションベン」!

イラスト/まつもとりえこ
Bブロックハイライト!イラスト/まつもとりえこ

Bブロックのメンバーは千原ジュニア(千原兄弟)、山内健司(かまいたち)、飯尾和樹(ずん)、ZAZY、川島明(麒麟)。

最初にIPPONを取ったのは初出場かつ最若手のZAZY。客席で観覧するしんいちもナチュラルにうれしそうな反応。
8年ぶりに出場の飯尾の回答には、独特なほっこり感があって和む。

後半になるとジュニア、山内、川島の三つ巴の戦いに。
第5問「『あれなんだっけ?ほら、ここまで出かかってるんだけど、あれだよあれ…」当てずっぽうでお願いします」
「あ~あれな。みんな言うてるやつ。『火花ションベン』」
Aブロックで出たパワーワードを被せ、ジュニアが鮮やかにIPPON! 決勝戦へ駒を進めた。

川島が「火花ションベンがツイッターのトレンドになってしまう。そんな日本が嫌いじゃないです」とコメント。その後本当に「火花ションベン」がツイッタートレンド入りしていてもう1回笑ってしまった。

15年以上前に大喜利をしたふたりが決勝戦

初対戦の大悟とジュニア。共に2回の優勝経験がある。

大悟がジュニアとの思い出を語り出す。
「ジュニアさんと初めてお会いした日にジュニアさんの運転する車の助手席乗らしてもらって、無言の状態で、第一声が『大喜利しよか』だったんです」
ジュニアが「ホンマか!? 頭おかしいやん」ととぼける。
「えっ、って言ったら『右ポケット』って。ジュニアさんのロングコートの右ポケットに手突っ込んだらお題入ってたんですよ」
まじか。ジュニアさんてば想像以上の大喜利バカ!(こういう芸人さんのエピソード、大好き)。

第2問の「架空怪人名 大喜利」ではジュニアが苦し紛れに出した「朝の火花ションベン」でバツ判定。怪人でもなんでもない。
今回は大悟が優勝かと思いきや第3問でジュニアが調子を取り戻し、IPPONを決める(「あなたのキスを数えまひょか」)。

そして最終、第5問。「『そんなとこギザギザにすな!』どこ?」
まず答えたのが大悟。志村けんのギャグ「アイーン」を使った回答でIPPONならず。松本が「あとだったら行けてたかなぁ」と唸る。
次にジュニア。無言でスッとイラスト回答を出し、IPPON!! 大逆転だ。
優勝が決まった瞬間のジュニアの表情が泣き出しそうに見えて、ググッときてしまった。

イラスト/まつもとりえこ
決勝戦ハイライト!イラスト/まつもとりえこ

さて、ゲストの辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)が話していた「(大悟が)アイーンで取れなかったとき天に向かって小ちゃく『アイーン』ってしたんすよ」は本当なんだろうか。見返してみたが、残念ながら映っていない。もーなんで映ってないんだよう!
でも辰巳がわざわざ嘘エピソードを話すとは思えないので、これは大悟が照れてとぼけているんだろうなぁ。

芸人さんっていいなと思うシーンがたくさんあった第27回でした!

【関連】『IPPONグランプリ』過去のレポート記事一覧


この記事の画像(全5枚)




この記事が掲載されているカテゴリ

まつもとりえこ

Written by

まつもとりえこ 

フリーイラストレーター。ドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューのほか、和文化に関する記事制作、編集も行う。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身、東京在住。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森田美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。